運用型広告の定例会をうまく進める3つのコツとは?

運用型広告の定例会をうまく進める3つのコツとは?

アタラ 広告代理店運用強化トレーニング

100以上のクライアント経験から学んだコツ

2004年ごろからだから、すでに10年以上、運用型広告の定例会に参加してきた。

媒体社(OvertureとGoogle)の人間として、あるいは、アタラのコンサルタントとして。広告代理店と一緒に出席するケースもあれば、広告代理店を挟まない直取引クライアントとのケースも多い。自分が主担当として参加したケースもあるし、オブザーバー的な参加もあった。

少なく見積もって、年間平均で10クライアントほどの定例会になんらかの形で参加してきたとして、約10年間で、おそらく、100クライアントは軽く超えると思う。(数えたことはないですが、おそらく、もっと多い)

 

まず、きちんと運用するのが大前提

多くのクライアントを経験して、自分なりにではあるが、運用型広告の定例会を上手に進めるコツがあるなと思っている。
まず、当然だが、大前提として定例会を上手く進めるためには、日頃からきちんと運用していなければならない。

忙しくて対策が後手に回ってケアができていない、いわゆる放置のような状態になってしまっているアカウントもあるかもしれない。そのようなアカウントの場合は、定例会すらないのが普通だと思うが(定例会がないから対策が後手に回っているのかもしれない)、それでも稀にクライアントから呼び出されることもある。そういう時に備えて、対策が後手に回っているアカウントであっても1日に1回ぐらいはアカウントにログインして状況を把握しておくことが大事だと思う。

正直にいうと、自分も同時に100アカウントほど担当していることがあって、きちんと運用できていないアカウントを持っていたこともある。それでも、1日1回のログインと状況のチェックはおこなうようにしていた。ログインする癖をつけることが大事だと思う。

 

数字の報告だけで終わってはいないか?

話を元に戻そう。対策が後手に回っているアカウントではなくきちんと運用していて、たとえば、週1回とか隔週1回とかのペースで定例会がある。そういう普通のアカウント、あるいは、クライアントのケースで考えて欲しい。

そのような普通のケースで、本当によくみる残念なケースがある。それは、数字の報告だけに終わって、それ以上のコメントや考察が紙に書かれていないケースだ。口頭で適当にコメントしたりするのだが、その場しのぎのようになっている定例会が本当に多い。

忙しくてエクセルで数字をまとめるだけでタイムオーバーになってしまっているのだと思う。自分もレポートを作成していたから時間がない状況は理解できるのだが、それだと定例会を上手く進めてクライアントからの信用を勝ち取ることは難しい。

以前のコラム(『運用型広告の広告レポートの書き方』)でも書いたが、数字の報告だけに終わらないように、広告レポートの書き方についても研究した方がよい。

 

定例会を上手に進めるための3つのポイント

さて、きちんと運用していて、広告レポートも数字の報告だけに終わらず、考察を書き込んでいたとしても、それだけではまだ不十分だ。定例会を上手に進めるためには、次の3点についても留意した方がよい。

ロードマップを提示する

6ヶ月先、あるいは、少なくとも3ヶ月先まで、どのような運用をおこなっていくかについてRoadmapをクライアントに示しておく。

たとえば、運用開始から1ヶ月間のクリエイティブのABテストは、このような方針で実施して、仮にこのような結果になったら別の視点でこのようなABテストをおこなっていく。
あるいは、入札戦略は、季節変動を加味して最初の1ヶ月間は高めの入札をおこない平均CPCXXX円ぐらいにするが、2ヶ月目以降は閑散期に入るため入札を低めに設定して平均CPCXXX円ぐらいまで低下させる見込み、などのプランを書いておく。

このようにして、ある程度先までの運用方針についてロードマップを提示しておくことで、クライアントは安心するのだ。
「これなら任せておけば大丈夫」とクライアントに思ってもらうことは非常に大事だ。

また、このロードマップは運用者自身にとっても役に立つ。
あらかじめ方針を立てるためには、季節変動などいろいろと調べなければならないが、そのような作業を事前におこなっておくことで、実際の運用を事前にシミュレーションできる。たとえば、これから繁忙期が来るのか閑散期が来るのかを把握しておくだけでも、日々の運用に役立つはずだ。

ちなみに、このRoadmapは、状況に応じてちょこちょこと微調整が入る。そのため、毎週提示しているし、ちょっと大きな変更があった場合には、その都度、クライアントに説明している。

 

学びと発見を提示する

運用をしていると、このキーワードはCVRが高いがCTRが低いとか、CV数は少ないがCVRは非常に高いとか、あるいは、リターゲティングのマークを変更したらCVが増えたとか、ターゲット設定を変更したらCVが増えたとか、ランディングページを変更したらCVが上がった、バナー広告のコピーの訴求軸はAよりBがCTRが高い、とか、日々、本当にたくさんの学びと発見があるはず(真面目に運用しているなら)。

それらはすべてクライアントの財産だ。必ず、共有すること。
私の見る限り、毎週の定例会で、Learnings & Findingsを報告していないケースが結構多い。学びと発見を報告すると、「きちんと運用してくれているんだな」とクライアントに思ってもらえる。

また、毎週の定例会で報告するだけではなく、四半期や年間のまとめや振り返りのときにも、四半期や年間を通して、どのような学びや発見があり、それを活かして翌年はどのような運用戦略を構築するのかについて報告することが大事だ。

学びや発見があると、人間は前進していると感じる。クライアントは一緒に前進していってくれることを望んでいることが多いはずだ。

 

ソリューションを提示する

学びや発見があると、今度はそれを活かして新たなソリューションが生まれる。

たとえば、バナー広告のABテストでAよりBがよいという結果がでたら、その結果は、次に活かしていく。
当たり前に聞こえるが、意外とこれができていないケースが多い。
AよりもBの訴求軸がよかったという結果がでたら、「そのBの軸を活かして新しいバナー広告の案を3つ用意してきました。いついつまでにこのうちから1つを選んでいただければバナーをすべてこちらに差し替えます」みたいな感じで、次のソリューションを提示した方がいい。

クライアントから差し替えの依頼が来る前に、自らソリューションを提示するのだ。
たとえば、「最近、リスティング広告のCTRが下がっているので、広告文を差し替えたいのですが、、、」とクライアントから先に差し替え依頼をもらうようでは失格だ。
自分が運用者であれば、誰よりもそのアカウントの状況について把握している必要がある。クライアントよりも先にその必要性を把握して、事前にソリューションを提示していかなければクライアントの信頼を獲得することはできない。

ほかにも、運用型広告の定例会を上手く進めるために必要なことはあるかもしれないが、私自身の経験から感じていることは、「ロードマップを提示する」「学びと発見を提示する」「ソリューションを提示する」の3つだ。

この3つに留意して、定例会を進めることができれば、かなりの確率でクライアントの信用を勝ち取ることができるのではないかと思っている。

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