Micoworksに聞く:LINE×MicoCloudで実現するBtoCの1to1コミュニケーションとは

Micoworksインタビュー

運用型広告レポート作成支援システム glu グルー

LINEはコミュニケーションに日常的に使われるだけでなく、企業の重要なマーケティングツールでもあります。そのLINEを通じた企業とユーザーとのコミュニケーションを支援するサービスを展開しているのがMicoworks株式会社です。2023年5月にはCriteoの「レコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント」での協業も発表されました。Micoworksが提供する支援とはどのようなものなのか、主力プロダクトであるMicoCloud(ミコクラウド)やCriteoとの協業に至った経緯、提供するソリューションなどについて、Micoworks株式会社の相原光博さん、吉崎唯さんに伺いました。

話し手:
Micoworks株式会社
カスタマーエグゼクティブ統括本部 ビジネスグロースチーム
マネージャー
相原光博さん

ビジネスマーケティング部 広報・ブランディングチーム
吉崎唯さん

聞き手:
アタラ合同会社
コンサルタント
小湾喜仁

ユーザー獲得からコミュニケーション向上まで 企業のLINE公式アカウント運営を支援

小湾:最初に自己紹介をお願いします。

相原:相原と申します。もともとWebのCMや会社説明会用の動画、LPなどで使うプロモーション動画のクリエイティブを扱う会社で、事業部長として主にセールスとマーケティングを担当していました。次に、BtoBのデジタルマーケティングの支援を行う株式会社WACULに移り、自社マーケット、インサイドセールス、フィールドセールスの責任者を務めました。その後、シード系のSaaSを経て、現在はMicoworks株式会社のビジネスグロースチームに所属しています。

弊社の主な事業は、LINEコミュニケーションプラットフォーム「MicoCloud」の開発・販売・運用支援です。MicoCloudでは、LINEの公式アカウントの友だちをナーチャリングしてWebのコンバージョンにつなげる支援をしているのですが、ビジネスグロースチームでは、そもそもの友だち数を増やすところを、いろいろな形で支援をしています。

Micoworks 相原氏

吉崎:ビジネスマーケティング部の吉崎と申します。私は新卒で入社し、弊社1年目からジョインして、2023年で5年目を迎えます。MicoCloudのプロダクトPRをメインで担当しています。MicoCloudの立ち上げ期から会社にいるので、MicoCloudに関しては、これまでの変遷を見届けてきました。

小湾:ありがとうございます。では、MicoCloudのサービスの概要について教えてください。

相原:はい。MicoCloudは、LINE公式アカウントとAPI連携をして、さまざまな機能が使えるようにするツールです。具体的には、友だちに追加していただいたユーザーから、いろいろな属性情報や行動履歴を取得して、その取得した情報を基に、お客さまに対してセグメント配信をしたり、一対一でメッセージのやりとりをしたり、シナリオ配信をしたり、といったコミュニケーションを通じて、Webのコンバージョンや来店につなげる支援をしています。

なので、新規のお客さまの獲得から、既存のお客さまとのコミュニケーション、LTVを上げることや再来店につなげることまで、新規と既存を合わせたサポートをするサービスとなっています。

Micoworksのサービス

小湾:ありがとうございます。LINEは、そもそもの機能として、シナリオ配信(複数のメッセージを登録しておき、順次、指定したタイミングに配信する機能)をデフォルトで備えているかと思うのですが、MicoCloudを利用することで、新しいことができたり、今までできなかったことができるようになるのでしょうか。

相原:そもそもLINE公式アカウントは、純粋にユーザーが友だち追加しただけだと、企業側にとってはニックネームとアイコンの写真くらいしか取得できる情報がありません。その状態だと、情報が足りないので、シナリオを立てようがない、という状態です。

MicoCloudを使っていただくと、簡単なアンケートを使ったり、CRMとデータ連携したりできるので、ある程度そのユーザーの年代や居住地、どれくらいの検討度合なのか、過去に商品を買ったことがあるのかなどを取得した状態で詳細なシナリオ配信ができるようになります。そもそも公式アカウントだとできない細かなコミュニケーションが可能になります。

小湾:では、MicoCloudを使うとLINEで友だちになっているお客さま、つまりユーザーの解像度が上がっていく、ということですね。

LINEのTechnology Partnerかつ伴走型カスタマーサービス部隊がMicoCloudの強み

小湾:APIで連携して情報を取得していると思うのですが、他社のサービスにはないMicoCloudにしかできないことや強み、特徴について教えてください。

相原:大きく分けると3点あります。

機能の部分では、多彩な機能を搭載しているプロダクトであることです。その機能は、メッセージ配信や各種計測、アンケート、リッチメニューの切替の他、Webタグなど、さまざまです。弊社はLINEのTechnology Partner(LINEの各種広告商品とAPI関連サービスの導入において技術支援を行うパートナー)です。電話番号を通じて、友だち追加していないユーザーにLINEメッセージ配信ができる「通知メッセージ」など、このTechnology Partnerに認定された事業者のみが提供できる機能がいくつかあります。認定されていないLINEマーケティングツールの事業者もいるので、クライアントに提供できるプロダクトとしての機能差分が存在しています。

二つ目は、Criteoとの連携によって、他のLINEのツールでは提供していないような独自の配信手法も提供させていただいています。こちらは後ほど詳しく説明いたします。

三つ目はサポート面です。弊社は成果創出のための運用支援という形で、カスタマーサクセスの部隊を現在約50名抱えています。このメンバーは、通常マーケティングツールのカスタマーサクセスというツールの使い方やツールを活用した支援を行っているのですが、ツールを活用するために、そもそもの友達をいかに増やすか、という点も含めての提案を私が主に担当しています。

具体的には、クライアントのWebサイトからGoogle アナリティクスのデータを共有していただいて、どのページから、どのようにしてLINEに誘導すると効率的に友だちを獲得できるかを検証する他、必要に応じてLINE広告の運用もします。このようなことは、ツールベンダーだと、そもそも対応していません。「カスタマーサクセスでいろいろな伴走支援をします」とうたっている他社でも、しっかり設計まで含めてデータを活用して提案している会社はないと思いますね。

その上で、獲得した友だちを、いかに成果につなげるのか、という意味でカスタマーサクセスの部隊が存在します。このメンバーは基本的にLINE内の設計から実際の施策の実行、実行したものの振り返りとレポーティング、そこからの改善も全て担当していて、関連するクリエイティブの制作も、私たちのほうでデザインの設計から実際の制作まで担当しています。そういったワンストップのサポートをさせていただいています。

現在約600社とお取引させていただいており、いろいろな業界で知見がたまってきています。例えば、学習塾の領域であれば、こういう設計をしていくと、こんな成果が出る、といった勝ちパターンが各領域でどんどん確立をされていっています。これはツールベンダーでは、なかなかできないことです。実際に僕らがデータを見て手を動かしている部分が非常に多いがゆえに、培われてきたノウハウだと思っています。継続率も99%を超えている状態なので、非常にご満足いただいていると感じています。

最近はエンタープライズのお客さまもアカウントとして非常に増えてきているのですが、規模感の大きいクライアントさまが導入する際にネックになってしまうのが、セキュリティ系の部分です。

弊社は先ほどお伝えしたLINEのTechnology Partnerを取得しているだけではなく、ISO27001やPマークもしっかり取得しています。だからこそ、最終的に機能は同じものが使えても、セキュリティ面で他社ではなく弊社をお選びいただく、というケースもございます。こういったセキュリティとサポートの厚さと、そもそものプロダクトとしての機能というところで、お選びいただいているのだと思います。

小湾:御社は戦略部隊がいるというところが強みだと感じました。特にサポートに関して、僕の印象ではツールの受け答えはできたとしても、LINE全体を考えた施策や、それでビジネスをどう成長させるかのサポートは、なかなかご支援いただけないイメージもあります。そこも御社の強みですよね。

アタラ 小湾

相原:そうですね。ありがとうございます。営業時、セールスでご提案させていただくときも、実際にクライアントさんに、僕らのLINEの支援を通して、どれくらいコンバージョンにインパクトを与えられるかであったり、LINE広告の運用一つとってもCPAで見て運用の振り返りをしたりしています。おそらくLINEツール内だけの話ですと、こういった話はあまり出てこないと思っているので、デジタルマーケティングの支援の一部として捉えながらサポートさせていただいています。

小湾:先ほど、Webタグというのがある、と伺いましたが、どういった機能ですか。

相原:例えば、LINE公式アカウントで友だちになっているAさんがECサイトに訪問して、商品を見て、そこで離脱をしたとします。そのときに、商品を見ていて離脱した方に対して、24時間後に、こういうお知らせを送ろう、ということをセットしておけば、サイトの行動に応じて、友だちのユーザーに対してメッセージ配信をすることができる機能になっています。

なので、これがあると単純にLINEでシナリオを組んで、あらかじめLINEでこういう行動をした人にメッセージを送ろう、ではなく、サイトでこういう行動をしたユーザーにLINEでも連動してメッセージを送ろう、といったことができるので、より精度の高い配信をすることができる機能になっています。

小湾:個人的には、洋服を選んでカートに追加しようか悩んでいるときに、LINEで通知が来ることが多いので、なんで分かるんだろう?とすごく疑問でした。

相原:ECだと、まさに自分が購入を検討した商品について、取りあえず、いったん離脱はしたけれども一定のタイミングで、その商品の画像とともにクーポンも届いたりします。そういうことができると、購入したい商品に合わせたコミュニケーションが取れるので、コンバージョンレートの改善につなげられる。そんな施策のイメージです。

友だち登録で終わらないよう、LINE広告で集めたユーザーをコンバージョンにつなげる

小湾:Unyoo.jpは、広告に関わるマーケターの読者がとても多いので、LINEの広告についても伺えますか。

相原:厳密には、MicoCloudをご契約いただいているお客さまに、広告のご予算をいただいてLINEの広告を運用しているので、ツールの料金内で運用するのとはまた別物です。しかし、やはりMicoCloudを運用しているという前提があるので、LINE広告で集めたユーザーをそのまま一連で、どのようにナーチャリングして、コンバージョンにつなげるのか、というコンバージョンを起点にしたコミュニケーションを取れるのが、他社のLINE広告運用との大きな違いです。

例えば、人材系のお客さまでは、介護や中途の転職、アルバイトとか、そういった領域でご支援させていただいています。これらのお客さまはLINEの広告で、ただ友だちを集めることが目的なのではなく、純粋に、そこからの会員登録や求人応募を目的に広告の運用をしているので「LINE広告なので友だち増やせます」だと、まったくやる意味がありません。基本的にはLINE広告から、先ほどのMicoCloudで情報の回収をして、その後、具体的な求人の応募につなげるまでをワンストップで自動化しながら運用しているので、それによって高いパフォーマンスを出せているのが特徴かなと思っています。

小湾:通常ですと、集客と、集客後のナーチャリングが分断されることが多いのですが、御社だとワンストップでいける、というところが特徴なのですね。

相原:はい。そのとおりです。

吉崎:お客さまにインタビューやヒアリングをさせていただくと、当初LINE広告は別の代理店に任せていた、というのをよく聞きます。そうなったときに、その代理店としてはLINE友だち数を増やすことがミッションなので、例えばスタンプ施策とかやって一気に友だち数は増えても、結局8割ぐらいはブロックされてしまう、ということも起こります。

結局、純粋にそのサービスに関心を持っているユーザーがそこまで増えていない、というお悩みや課題を聞くことが、とても多いです。その一方で弊社としては、いかにその後のコンバージョンにつながるユーザーを集めるかに特化しているので、温度感の高いユーザーや友だちを増やすことができるのが強みです。

Micoworks 吉崎氏

CVRが約6倍改善。Criteo社との共同開発で実現したこと

小湾:今年の5月、御社はCriteoとの協業で「レコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント」を発表されました。これは、どのようなサービスなのでしょうか。

相原:「レコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント」は、Criteoのレコメンドエンジンという仕組みをLINEのAPIとつなぐことで、LINE公式アカウント内でレコメンドエンジンを使って配信ができるサービスになっています。例えば、ユーザーがECサイトで見たAという商品に関連する情報が、LINEで自動的に送られてくるようなことができます。

※参考ページ

ユーザーからすると、Web媒体上のディスプレイ広告で表示されるのか、普段、使っているLINEから関連する商品のレコメンドが送られてくるのか、という違いがあります。LINEのほうが、より開封率やクリック率がWebのバナーと比べると圧倒的に高いので、企業からすると結果的に同じレコメンドのシステムを使っていたとしても、LINE上でコミュニケーションを取れるほうがよりCVRが上がる、というサービスです。

実際に、レコメンドなどを使わずにLINEに配信を行っているケースと、レコメンドエンジンを使ったCriteoの配信を使っているケースだと、弊社のサービスを導入していただいた企業の中でも、約6倍近くCVRが改善している事例も出ています。これは人材系の会社での事例ですが、自分に関連する求人が送られてくるかどうかで、興味がある求人か否かでクリックするか、しないかが大きく変わってくると思うのです。そこを手動ではなく、ユーザーの興味・関心を基に、ある程度自動でレコメンドしながら配信ができるので、非常に効率的にコミュニケーションが取れるのが大きな特徴です。

レコメンデーションメッセージ

小湾:Criteoが配信するにあたって、通常はデータフィードを用意する必要があると思うのですが、この「レコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント」を利用する場合も、同じデータフィードを用意すれば配信できる、というイメージで合っていますか。

吉崎:Criteoのディスプレイ広告の商品フィードとタグ設定を設置していて、LINE公式アカウントを持っているお客さまであれば、すぐにお使いいただけます。

小湾:かなり多くのクライアントさんがCriteoさんを利用されていると思うので、移行はスムーズにできそうな感じですね。

相原:そうですね。MicoCloudを導入していなくても「レコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント」は今の条件さえ満たせば導入していただけるサービスでもあるので、MicoCloudとは別のプロダクトとしてもご利用いただけるサービスになっていますね。

小湾:分かりました。Criteoのエンジンがこのサービスの肝だと思っているのですが、共同開発に至った経緯について伺えますか。

吉崎:弊社はTechnology Partnerの中でも「Premier」に認定されている、ロイヤルティの高いパートナーです。そのため、CriteoとLINE株式会社(2023年10月1日よりLINEヤフー株式会社)が、LINE公式アカウントを配信面とした、この取り組みの開発を進める中で、LINE株式会社からTechnology Partner3社のうちの1社としてお声掛けいただいた、という背景になります。

弊社のようなTechnology Partnerが開発に携わることにより、ローンチに至るまでの工程をスピード感高く進めることができ、短期間でのβ版のリリースを実現できました。あと、Technology Partnerは顧客接点を直接持っているので、お客さまとのPoC(Proof of Conceptの略。概念実証)などを通じて、実際にビジネスとして成り立つのかどうか、ビジネスモデルの構築の部分をお手伝いもさせていただきました。

小湾:実際のサービスの詳細を伺います。やはりCriteo配信、広告を配信するというところだと、今Cookie規制の影響で意識する場面が非常に多いのですが、このサービスにおいてCookie規制は影響を受けるのでしょうか。ユーザーへレコメンデーションする仕組みを伺いたいです。

吉崎:本ソリューションはCriteoタグをもとにユーザーを識別する形で、LINE公式アカウントへレコメンデーションメッセージを配信します。Cookie規制についての影響は、サードパーティIDの活用やハッシュ化Eメールアドレス(暗号化されたEメールアドレス)といったソリューションで対応していきます。

小湾:ファーストパーティデータはマーケティング施策で有効活用すべきだと思いますが、一方で、個人情報を扱うリスクも生じます。このサービスにおける、ファーストパーティデータの取り扱いの注意点や顧客との取り組みなどあれば教えてください。

相原:現在は、本ソリューションは広告主が持つファーストパーティデータを活用した配信は行っておりません。今後については現在検討中です。将来的に活用することになった場合においても、法令の遵守ならびに個人情報保護の観点を重視した取り扱いを検討していく予定です。

吉崎:Criteoのディスプレイ広告との違いでは、ディスプレイ広告はいろいろな配信面がありますが、今回のソリューションではLINE公式アカウントのみとなっています。Criteoディスプレイ広告で活用されているエンジンは三種類あるのですが、今回は、その中の「レコメンドエンジン」のみが共有されています。

コマースデータは完全にフィード広告と共有のものを使っているので、配信される内容としては、商品名や画像などはCriteoのディスプレイ広告のフィードに依存する、という点が違いとなっています。

小湾:ありがとうございます。クリエイティブの出し分けはCriteoで行い、LINEの中では基本的にはレコメンドのエンジンだけを借りてメッセージを送っている、ということですね。

相原:そうです。なので、もちろんレコメンドエンジンの精度という良さもあるのですが、通常だと企業のLINE公式アカウントは、シナリオ配信にしても、ある程度自分たちでクリエイティブを用意して配信文面を作って配信する必要があります。このソリューションだと商品画像などを自動で配信できるので、その配信工数も削減しながら、かつユーザーに取ってほしい情報の精度でお届けができる、そういった二つのメリットがあると思っています。

小湾:このソリューションを活用した事例はありますか。

吉崎:今のところ、人材会社、ECなどで導入していただいています。

小湾:やはり、いわゆるCPA案件(購入やコンバージョンの増加を目的とする広告主)が多いのですか。

相原:そうですね。ユーザーにとって選択肢が複数あるようなケースです。アパレルのECだとトップスの中でのバリエーションとか、人材も結局、求人が複数提示できるようなものは親和性が高めです。なので、人材、ECなどに比較的CVR改善につながっているケースが多いです。

吉崎:大手人材会社の場合ですと、まずLINEで友だちになっていただいた後、仮登録してもらい、本会員になった後にお仕事エントリー、というLINEフローを構築されています。仮登録で未登録のお客さまには仮登録していただく際にレコメンド配信を、後で本会員登録したお客さまに具体的なお仕事のレコメンドを送る、という二つの用途でレコメンド配信を活用していただきました。

大手人材会社の活用事例

これまでの運用でいくと、現実的に人の手で一人一人に合わせた求人を一つずつ送るのは工数的に難しかったので、今までは人気の求人や高時給のお仕事といった特集を組んで、一斉配信する運用でした。大手企業では登録者も何十万人といるので、そういった運用しかできない、という課題感を持たれていたのですが、今回のCriteoのレコメンド配信を使われて、希望エリアや職種、時給など、お客さま一人一人に合わせた条件に応じた具体的なお仕事のレコメンド配信を行いました。

レコメンド配信事例

その結果、未登録者に対する仮登録数は8.8倍に増えて、お仕事へのエントリー率が649%改善した、という成果が出ました。

小湾:ありがとうございます。人材会社以外、非ECクライアントの事例もありますか。

吉崎:他のジャンルでいくと旅行系も同様ですね。旅行会社でツアーのご案内などです。行き先や、家族で行くのかカップルで行くのか、どのようなシチュエーションで行くのか、という条件でおすすめの行き先をレコメンド配信する、というような使い方ができます。

どちらかというと長期検討商材のほうが、はまりやすいとも感じています。ECでも複数商材があって、かつ高単価の商材のほうが、このレコメンド配信が刺さりやすい、というのはあります。

相原:直近だと不動産の賃貸などもあります。賃貸物件を複数管理している会社でCriteo配信を行っており、お客さまの希望条件に合う物件情報を自動で送信したところ、CPA・CVRが大きく改善されました。

小湾:Criteoのエンジンを使えるという点にフォーカスしがちですが、実際のアウトプットとしては、それぞれのユーザーに合わせたメッセージをちゃんと適切に、しかも自動で行える、というところが非常に魅力的ですね。

相原:はい。弊社のMicoCloud自体も、いわゆるユーザーにとって必要な情報を提供する、というのはプロダクトとしての思想で、もちろん重要なのですが、今までは一定の工数をかけて、ある程度仮説を立てながら自動化していっていたところを、ほぼ自動でクリエイティブも含めて配信ができるようになっています。スピード感もそうですし、より細かくユーザーごとに送れるようになりました。先ほどの例の場合でいうと、今までは求人特集だったのが、今は全員、1ユーザーごとに送られるようになっていき、より必要な情報をお届けできるようになったと思います。

小湾:やはり、ユーザーごとのメッセージだと自分事化しやすいですよね。非常に魅力的だな、と思いました。

1to1コミュニケーションの強化でアジアNo.1を目指す

小湾:最後に、あらためてMicoworksさん全体の今後のサービスの可能性や展望について、お聞かせください。

相原:国内の足元の部分からお話しすると、今は基本的にこのLINEを使って、ユーザーに必要な情報を届ける、ということをやっているのですが、まだまだBtoCの領域は、商材によっては営業が直接エンドユーザーに電話をかけて後追いをしていたり、SMSやEメールなど、いろいろなコミュニケーションの仕方が存在しています。その中で僕らは、コミュニケーションの軸になっていく、という観点でLINEを中心にしたサービスを展開しているのですが、電話やSMS、Eメールなども一元管理しながらコミュニケーションができるようになると、企業はより必要な情報を必要なチャネルで届けられるようになると思います。

そういった意味で、LINEだけではなく他のプラットフォームも含めてワンストップで管理できるようにやっていく、というのは今後の展開の一つとして考えています。

吉崎:背景として、ChatGPTをはじめとする生成AIがビジネスで普及し始め「Cコマース」が日本を含む世界各国で急速に普及が進んでいます。Cコマース、いわゆる会話型コマースとは、オンライン上で、チャットや会話を通じて購入に至る、という購買の在り方のことです。英国のJuniper Researchの調査によると、2025年にグローバルでのCコマースの市場は39兆円に拡大すると予測されています。

話を戻しますと、MicoCloudは「コミュニケーションを人からAIで代替する」という発想によるものではなく「人対人のコミュニケーションをより密にする、そのためにテクノロジーを活用する」というプロダクト思想を持っています。

また一方で、弊社では2030年に「アジアNo.1ブランドエンパワーメントカンパニー」を目指す、というビジョンを掲げています。今後、このMicoCloudをはじめとするプロダクトをグローバルでも展開させていきたい、と考えています。

特に今はLINEを主軸に置いているので、LINEの普及率が高いタイや台湾などは相性がいいと思っていますし、今後LINEだけでなく他のコミュニケーションアプリにも展開してマルチチャネル化していく予定なので、日本発祥でグローバルに広がっていくソリューションとして、このMicoCloudをどんどん育てていきたいな、と思っています。

今は海外の大きいマーケティングツールが日本に入ってきている動きが主流です。海外のマーケティングの潮流は5年遅れで日本に入ってくるといわれているのですが、そうではなく、日本発のソリューションをどんどん世界に広げていくビジョンを持っています。そこに向けてMicoCloudの開発も今後進めていきたいです。

小湾:本日はありがとうございました。

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