カンヌライオンズから統合マーケティングの可能性を学ぶ:クリエイティブと向き合う 第2回:オーリーズ肥田悟志さんに聞く

クリエイティブと向き合う第二回

運用型広告レポート作成支援システム glu グルー

各広告プラットフォームにおける機械学習の活用が進んだ結果、これまで広告運用者が調整していた「入札」や「ターゲティング」の自動化が標準的なものとなっています。

一方で、広告の「クリエイティブ」に関しては、レスポンシブフォーマットが主流となってはいるものの、アセットそのものの自動生成は過渡期にあり、入札やターゲティングと比較するとコントロールできる余地が大きい領域です。それは、クリエイティブが広告パフォーマンスに与える影響が相対的に大きくなっていることを意味します。

そこで本連載では、識者との対談を通じて、運用型広告の領域でも重要性が増しているクリエイティブに広告運用者、ひいてはマーケターが、どう向き合っていくべきかを考えていきます。

第2回は、世界三大広告賞の一つで世界中から優れたクリエイティビティが集まることで知られる、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルに参加した、オーリーズの肥田悟志さんにお話を伺い、世界基準の統合マーケティングについて考えていきます。

話し手:
株式会社オーリーズ
マネージャー
肥田悟志さん

聞き手:
アタラ合同会社
マネージャー/コンサルタント
高瀬優

世界三大広告賞の一つ「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」とは

高瀬:まずはオーリーズの紹介と、肥田さんの自己紹介をお願いいたします。

肥田:株式会社オーリーズは、Google 広告やFacebook広告などの広告運用支援と、それに付随するアクセス解析、広告効果計測ツールなどのマーケティングテクノロジーツールの導入や運用の支援を行っている広告代理店です。特徴的なのは、クライアントとの深い協業関係を築く支援スタイルで「NPS®経営」を行っている点です。多くの広告代理店では「売上目標」や「運用金額」など定量的な目標が置かれるケースが多いですが、弊社では現場メンバーにはそうした定量的な目標が一切なく、ひたすらに「顧客が私たちの支援に満足してくれているか」「推奨したいと思えるか」を考えて支援を行います。

私は2017年からオーリーズに在籍しており、広告運用の支援を行った後、自社のマーケティングを統括する立場になりました。現在は、オウンドメディアの立ち上げや、セミナー登壇などリード創出を担っている他、オーリーズグループの3社横断での取り組み実績の創出に努めています。

高瀬:肥田さんは、2023年6月にカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル(以下、カンヌライオンズ)に参加されたそうですね。カンヌライオンズについて、ご説明いただけますか。

肥田:カンヌライオンズは、One Show、クリオ賞と並ぶ、世界三大広告賞の一つです。もともとは、Cannes Lions International Advertising Festival(カンヌ国際広告祭)という名称で広告作品を中心に称える場でしたが、2011年にCannes Lions International Festival of Creativityとなり、広告だけではなく、あらゆる形態のコミュニケーションにおけるクリエイティビティを評価するようになりました。

※参考リンク:カンヌライオンズ日本公式サイト
https://www.canneslionsjapan.com/

カンヌライオンズ

高瀬:ありがとうございます。受賞作品についてのニュースは一般的にも目にすることがありますが、実際にカンヌライオンズでは受賞セレモニー以外に、どのようなイベントが行われていますか。

肥田:カンヌライオンズは南仏カンヌで5日間にわたって開催されますが、その期間に行われることは大きく三つあります。

まず、メインであるセレモニーが19時から21時まであり、全30部門のゴールドとグランプリを5日間かけて順に表彰していきます。

二つ目に、クリエイティビティを深められるよう、セミナーが10時から18時まで1日を通して行われています。そこでは、P&GやAppleなどグローバル企業のCEOやCMOをはじめ、映画監督やミュージシャンなど多様な立場の方から、クリエイティビティをテーマにした講演を聞くことができます。特に今年はAI関連の取り組みが話題に上がることが多く、OpenAIのCOO Brad Lightcapさんが登壇する回は人気が高すぎて、参加できない人が出るほどでした。また、審査員の方たちが受賞作をどういう観点で評価していたのか直接聞ける場もあり、こちらも各回人気のコンテンツとなっていました。

また、カンヌライオンズには交流の場としての役割もあります。ハッピーアワーとして、交流会が毎日17時から行われており、そこではAB InBevなど参加企業提供の飲み物を片手に世界中の参加者と交流することができます。表彰を受けた方たちやセミナー登壇者や審査員がその場にいることもあったり、貴重な機会を提供していました。

セミナー会場

セミナー会場。

 

広告運用者がカンヌライオンズに参加する意味

高瀬:運用型広告をメインで行っている企業からカンヌライオンズに参加すること自体、珍しい気もするのですが、今回、参加された背景をお聞かせください。

肥田:おっしゃるとおりで、現地でも「運用型広告の会社です」と伝えると「なぜ来たんですか」と驚かれました。このように運用型広告とカンヌライオンズは遠い状況であるにも関わらず、私たちが参加した理由は大きく二つあります。

一つ目は、クリエイティブを中心にした課題解決の手法を弊社でも取り入れていきたく、カンヌライオンズの取り組みをケースとして学びたかったからです。運用型広告の中でダイレクトレスポンスを目的としたボトムファネルの施策は、自動化の影響やベストプラクティスの標準化によって最適化がどんどん進んでいます。一方で、ミドルファネル、トップファネルでは新規顧客獲得を求められ、クリエイティブの重要性が増してきていると感じています。

実際に支援現場でも、配信媒体そのものの特徴や配信手法、ターゲティング精度などのHowを中心としたアプローチでは課題解決が難しく、どういった顧客に対してどのような便益を提供するのかなど、WhoとWhatの見直しから求められる機会が増えています。そこで、カンヌライオンズで世界最先端の事例を学んだり、実際にそういった取り組みを行っている企業と直接話したりすることで、顧客の課題解決への貢献領域を増やしていきたいと考えたのです。

もう一つの背景は、私たち自身もカンヌライオンズのような広告賞を受賞したいと考えていることです。今回まずはカンヌライオンズに参加することで、その第一歩を踏み出したいと考えました。

オーリーズはグループに、Qetic株式会社というクリエイティブブティックがあります。ケイパビリティとしてその土壌があるのに加え、先にお話したように顧客からカンヌライオンズが対象とするような領域での課題解決を求められており、機会もある状況です。なによりも私たち自身、顧客の新たな成長ステージに伴走できるパートナーでありたいと思っています。カンヌライオンズを受賞することが私たちを信頼していただける根拠になるとも考えていますので、グループ全体で6名で初めて参加しました。

高瀬:実際に参加されていかがでしたか。期待どおりでしたか。

肥田:大変勉強になりましたし、得たいと思っていたものが得られた魅力的な1週間でした。実際に参加したことで、カンヌライオンズ受賞にほんの少し近づいたかなと思います。もちろん賞を取るのが目的ではありませんが、こういう考え方や施策の組み合わせ方ができると広告主にとっても価値のあるマーケティング支援ができるのでは、という感触を身をもって経験できたのが大きかったです。

帰国後には、社内でカンヌライオンズの学びに関して勉強会を開きました。社内全体でもカンヌライオンズが扱っている手法が自分たちの日々の支援にも役立てられる考え方であると、目線を合わせられたのも大きかったです。

企業ブース

各所には企業による展示も。

 

高瀬:肥田さんがカンヌライオンズに行くまで、そもそもカンヌライオンズのことをあまりよく知らなかったという人もいらっしゃったのではないでしょうか。

肥田:多いと思います。私もグランプリで話題になるものは見ることはありましたが、そこまで細かくは知りませんでしたし、日々の業務に生かせるものだと思っていなかった、というのが正直なところです。全社含め、私たちが行く前と後ではよりカンヌライオンズが身近なものになったと思います。

高瀬:それによってクリエイティブに対するメンバーの意識や、肥田さんご自身の変化を感じるところまでありましたか。

肥田:はい、まだまだ遠いとは思いますが近づいていると思います。カンヌで扱っているクリエイティブはフルファネルでのアプローチ、それもPaidのみならずOwnedやEarned、Sharedを連携させた施策が中心なので、すぐに実践できるものではない性質のものではあります。ただ、受賞したものの中にはPaidを起点にしたフルファネルのコミュニケーションもありましたし、それらが想定される与件は普段私たちがフルファネルの広告を設計する際と大きくは変わらない内容だっただろうと感じるものもありました。そういう意味で、同じような機会があった際の私の施策への捉え方は、カンヌに行く前後で大きな変化が起きているという実感があります。

運用型広告の中心的な役割はダイレクトレスポンスなので、直接的なROI(費用対効果)が重要になると思いますが、ダイレクトレスポンスだけでは頭打ちになるお客さまも多いと感じています。ミドルファネル、トップファネルへファネルを上げていく方法は、今の運用型広告全体の打ち手として相対的にまだ確立されていないようにも思えますので、大きなチャンスが拡がっているとも感じます。もちろんその領域には総合の広告代理店や戦略コンサルなどまた異なる競合がいるので、全くの未開の地ではないですが、運用型広告の会社として新たな成長の道筋を知れたことはとても有意義でした。

デジタルの領域でのクリエイティブ制作とカンヌライオンズ

高瀬:従来型のマスメディアも、近年、徐々にデジタルの領域に近づいています。もちろん、テレビなどのマスメディアを中心に行っていた広告代理店もクリエイティブのケイパビリティを持っていますが、今ではデジタルになれば、デジタル専業代理店でもできると思います。そういった観点から、認知施策やクリエイティブ制作など参考になる点はありましたか。

肥田:はい、クリエイティブの考え方という面で大変参考になりました。クリエイティブに関しては、アイデアとエグゼキューションの二つで構成されているといわれています。アイデアは、どういう商品の見せ方をしようかであったり、どういうインサイトを発掘できるかといったり、いわゆる「良いクリエイティブ」と言われた際にイメージしやすいものがアイデアの要素かと思います。

一方でエグゼキューションは、アイデアを「どうカタチにするか」「どう届けるか」の要素です。例えば分かりやすいのが、大塚製薬さんのポカリスエットのCMです。毎回、大きな話題を生んでいます。もちろんアイデアも素晴らしいのですが、どちらかといえば、撮影手法やCMでの表現など、エグゼキューションの要素の作り込みが人々の関心を強く引き付け、話題になっていると考えています。

このエグゼキューションという観点で語ってしまうと少し不正確かもしれませんが、カンヌライオンズで学んだ大切なことの一つは「クリエイティブとユーザーがどのように接触し、アイデアをどのように体験するかという全体的なコミュニケーションの設計」も、エグゼキューションの一部だということです。

カンヌに行くまで、私の中での良いクリエイティブは「アイデアが優れているもの」であり「クリエイターでもない私とは遠い存在」でした。しかし、エグゼキューションという観点での「良いクリエイティブ」であれば、私自身も、恐らく運用者のスキルとしても注力領域として磨き込めるものではないかと思いました。

株式会社オーリーズ 肥田悟志さん

ただ、これは私自身の反省ですが、今まで運用型広告を扱う中でエグゼキューションの視点でクリエイティブを考えることはありませんでした。

トップファネルやミドルファネルといった認知施策のアプローチを行う際は、どちらかといえばアイデアの面に着目し、どういうインサイトや便益を訴求するかを中心とするアプローチ、あるいは、クリエイティブそのものは既存施策で成果の出ているものを基にして、ターゲティング精度とフリークエンシーのコントロールなどのメディアプランニングによって価値創出を図ろうとするアプローチのいずれかが多かったと思います。いずれの手法も、目的は広告に接触したユーザーが検索をしたり購買行動を起こしたりと、接触したユーザー自身のカスタマージャーニーが今よりも奥に進むことを期待したダイレクトレスポンスの考えに近い設計になっていると思います。

一方で、カンヌで話題となっている手法は、広告を広告としてユーザーに消費してもらい、一対一の関係に閉じるのではなく広告を起点と捉え、広告に接触した方自身が次のユーザーを呼び込むような一対nの関係だったり、バイラルな仕組みを内包していました。これが、グローバルではPaid、Earned、Shared、Ownedの頭文字を取った「PESOモデル」といわれる概念になっており、特定のチャネルで成果を上げようとするのではなく、四つのチャネル全てを横断的に活用した「統合マーケティング」として主流になっています。

カンヌライオンズでの体験を統合マーケティングにどう生かすか

高瀬:統合マーケティングについて勉強になったのは、具体的には、どのような作品からですか。

肥田:まずカンヌライオンズでは、Paid、広告領域を中心にして課題解決をした事例が、そこまで多くなかったことが衝撃でした。もともと「カンヌライオンズ=広告の祭典」と捉えていたこともあり「広告としてアイデアが良かったから何か課題解決ができた」など、そのような事例が多いと思っていましたが、行ってみるとそうではなかった、というギャップがありました。

その上で印象に残ったクリエイティブが『The Last Photo』です。自殺予防に取り組む団体「CALM(Campaign Against Living Miserably)」によるもので、自殺を考えている人は必ずしも自殺しそうな雰囲気を醸していない(Suicidal Doesn’t Always Look Suicidal)ということを強烈に伝えるクリエイティブになっています。クリエイティブとしては、1年で最も幸福な日として考えられている6月20日に、テムズ川沿いに多くの方々の笑顔の写真をポスターとして展示したものです。一見、どの人も笑顔や明るい表情をしていて幸せな生活を送っているように見えますが、展示の奥に進むと、実はこれらが自殺した方の生前最後の写真だということが明らかになります。ポスターの下にはQRコードが載っており、読み込むと写真に写っている人や遺族のコメントを確認できたり、同時公開された90秒の動画を視聴したりすることができます。

実際に動画を見ていただくと皆さんも衝撃を覚えると思うのですが、現地でこのポスターを見た方たちも同じでした。これらの展示物に触れた感想などをSNSでシェアしたり、動画そのものを共有したりする動きが活発に行われました。その結果、TVやオンラインのメディアでも大きく取り上げられ、1週間で50万人以上の方が訪れ、有料広告なしで16億ものインプレッションを生み出して、前年比で400%も寄付金額が増えたそうです。

クリエイティブとして「Suicidal Doesn’t Always Look Suicidal」というキーメッセージがより際立つように積み上げられたコミュニケーション全体が、とても秀逸だなと思いました。まず、感情の落差を生み出すために「笑顔や明るい表情の写真」「ポスターでの展示というハレの連想」「今日が幸福な日」という二重にも三重にも明るいニュースだと思わせておきながら、最後に「生前最後の写真」というギャップを提示する設計が、ジェットコースターのように感情を動かす体験になっているなと。また、その体験自体がネガティブなわけではなく、事実を知ったことで身の回りの大切な人と深く対話をしようと思えたり、誰かに優しくなれたりする、そんなきっかけにもなる素敵な設計でもあると思いました。

いずれにしても、広告やSNSなど特定の点で終わるのではなく、ユーザー体験という軸での線でクリエイティブを考えている、と感じさせられる受賞作が本当に多かったです。もちろん情報としては、トリプルメディアなど日本でも話題になっていましたし、複数チャネルを横断してという事例は聞きますが、世界のクリエイティビティの場ではこういったアプローチがここまで主流なんだ、ということを認識させられました。

高瀬:一つの目的のために作るというよりは、それを起点にしているということですね。大目的としては、たぶん自殺について、より考えてもらうことだと思いますが、その目的を達成するために、置き方も含めて中身のコンテンツを、その広がり方まで含めて複合的な視点で見て仕掛け、さらに広げていく。そういう観点で、手法自体は統合マーケティングですし、線で考えていく必要もあると感じられた、ということですね。

肥田:はい。もしかしたら、課題解決を全てを広告で実現しようとすると莫大なお金がかかるからとか、そもそもそこまでのインプレッションを獲得できないとか、といったことが現実問題としてあるという側面もあると思います。ただThe Last Photoでは、明らかに設計の段階から最終的な拡がりまでを見据えていて、目的達成するための道筋がきれいに描かれている感覚がありました。

逆に、自分の仕事を振り返ると、例えばYouTube 広告を運用するとなった場合、インプレッションや広告予算、フリークエンシーなどの観点から、この接触頻度であればブランドリフトがこの程度まで上げられそう、あるいはサーチリフトが出そうというように、クライアントのビジネス目標に貢献できるよう考えると思います。しかし、それが本当にクライアントの売り上げ達成の確度として高いのか、本当につながるのか、そこまで多面的に考えられているかというとどうだろうという点で、カンヌで受賞するような取り組みとの乖離は大いに感じました。

高瀬:チャネルもエグゼキューションも、いろいろある中で、例えばYouTubeの話だと、あくまでYouTubeはその中の一つのピースでしかないということですね。実は他にもいろいろなものがあって初めてKGIが達成されるのに、本当に一部分しかやっていないな、という。

肥田:そうですね、ものすごく簡単に伝えると、認知を増やすという与件に対しては、イコール接触頻度、接触回数を増やすことだというのが、運用型広告での定石で語られることが多いかなとは思います。そうした場合、いろいろメディアがある中でYouTubeが一番母数が多い、Facebook、InstagramのMetaのほうがターゲット相性がいいのでこちらにしましょう、といった流れで考えていました。しかし、広告運用者だからといって広告に閉じる必要も、広告だけに頼る必要もなかったなというのが、自戒も込めての気付きでした。

統合マーケティングをデジタル起点で実践するにあたっての最適解

高瀬:統合マーケティングがデジタル起点となることが多くなってきている状況で、当然、効果計測も課題になってくると思います。そこで、統合マーケティングを実施するとなったときに、計測面に関しては、いかがでしょうか。

肥田:おそらく、施策全体での最適化の部分と個別最適の部分を分けて考えると思います。例えば、先ほどのThe Last Photoの話でいうと、起点にポスターがあるので、まずはそこでいかにQRコードが読み込まれたかなど個別最適なアクションを指標にするでしょう。また、アクセス後にどれくらい記事が読了されたのか、シェアされているか、SNSの口コミで広がったのか、というところも見ると思います。

一方で、施策全体が成功したかでいうと、今回の最終的な目的は自殺者がどれくらい減ったのか、だと思います。広告、SNSなどの施策を問わずに施策全体でどれくらい自殺者を減らすことができたのか、になるでしょう。また、カンヌのクリエイティブの評価基準の中に「リザルト」という軸があるのですが、そこではキャンペーン全体でのメディア総掲載量だったり、関連語句の検索ボリュームの上昇だったりで、影響を示すことが多かったです。ただ、そのリザルトが本当にこの施策によって動いたのかという細かなところに関しては、現実的には測るのは難しそうで、カンヌの事例においてもリザルトは期間の前後比が多かったです。MMM分析や高度な分析も行っているとは思いますが、少なくともWorkのリザルト紹介の中で出てくることはありませんでした。

高瀬:ちなみに、肥田さん自身、意外に広告関連のものが少なくて驚かれた、というお話でしたが、広告関連ではないクリエイティブや統合マーケティングの可能性を感じられた中で、逆に、広告の役割や存在意義に対する考えは変わりましたか。

今、広告は嫌われ役な面があったり、広告なしでも企画やPRで広まり、うまくいく企業も一部いらっしゃいます。カンヌライオンズで、広告以外のクリエイティブが多いことに驚かれた中で、逆に、僕らがメインでやっている広告の存在、その見え方に関して違いは出てきましたか。

肥田:全体の話と個人レベルの話で分かれると思います。広告全体でいえば、広告の目的次第で変わると思います。もちろん、ダイレクトレスポンスなどであれば、やはり広告は大変有効なツールでもあるので、そこは変わらない価値としてあるのではないでしょうか。

一方で、トップファネル、ミドルファネルに対して、よりユーザーの態度変容を促すという観点では、広告が依然として有用なチャネルであるかというと、その地位は相対的に下がりつつあると思っています。どのようなクリエイティブを作るのかによっても左右されますので一概には言えませんが、メディアが多様化し、ユーザーの情報の可処分時間が多様化している中で、万能ツールとして広告を捉えることはなくなりつつあるのでは、というのが私の考えです。

高瀬:おっしゃるとおり目的にもよりますし、そもそも、プロダクトやサービス自体が目新しいものであれば、PRで効果も期待できるでしょう。そうではないものに関しては、どうしても広告の力が必要になってくる、というのも分かりやすい例だと思います。ケース・バイ・ケースで変わってきますね。

肥田:クリエイティブの見せ方次第では、まだまだ広告も認知に効果的なことが多く、また、そういった事例も多いので、広告全てを否定するわけではありません。ただ、何かをやるにあたって、本当に広告が最適なのかという視点は必要だと思います。

高瀬:クリエイティブというと、アイデアとエグゼキューション、二つに分けられるというお話がありましたよね。確かにアイデアがあっても、それをエグゼキュートするチャネル、手法はどれが最適なのか、広告ではないかもしれないという話ですね。

「アイデア×エグゼキューション」を実現する視野の広さを意識したい

高瀬:ところで、アイデアの部分でも刺激があったようですね。The Last Photo以外で印象に残ったクリエイティブはありますか。

肥田:一つは、AB InBevが行ったカタールで開催されたFIFAワールドカップでのビールキャンペーンです。もう一つも同じサッカーのワールドカップに関連したもので、『World Cup Delivery』というアルゼンチンのデリバリーサービスの施策です。どちらも共通して、アジリティ、施策のスピード感という文脈で驚かされました。

AB InBev担当者による講演

AB InBev担当者による講演。

 

まず、AB InBevのキャンペーンについてです。2022年のカタールでのFIFAワールドカップの際、AB InBevは、事前に、50トン近くの大量のビールを現地に仕入れていたそうですが、開幕2日前に突然、カタール政府がスタジアム周辺でのアルコール飲料の販売を禁止する通達を出しました。この状況の中で、AB InBevは急きょ別のキャンペーンを作り上げ、ワールドカップで優勝した国に全部プレゼントする、と発表しました。アイデア自体はそれほど斬新ではないかもしれませんが、数日の間でメディアを巻き込み、実際に届けるための手配や、その許可も含めて統合的にやり切った事例です。

もう一つの『World Cup Delivery』の事例では、デリバリーサービスのアプリを入れているユーザーに、ある日突然、荷物が向かっているというポップアップが届くというものです。ユーザーは何も頼んでいないので通知をいぶかしげに眺めますが、実はこのとき、アルゼンチンにカタールからワールドカップのトロフィーが向かっていたのです。そのことを、このデリバリーの会社が飛行機の位置情報と連動させて、他のデリバリーサービスと同じように、アプリ内の地図で確認できるようにしました。アプリを開くとトロフィーのことだと分かるようになっているので、多くのユーザーが、この取り組みをSNSで拡散した結果、1ドルも使うことなく、アルゼンチンの人口の半分を超える2500万人にリーチできた、という事例です。

このアジリティと、適切なタイミングを捉えることが、一つのクリエイティブの突破口にもなるということです。さらに、その施策を国中や世界規模でスピーディに実施するというクオリティの高さも感じました。

高瀬:まさにアイデアとエグゼキューションが、うまく絡み合った瞬間ですね。

肥田:そうですね。それと双方の信頼感も大きいと思います。広告代理店であったり、ハウスエージェンシーであったり、といった体制の差はあれど、思い付いてから数日、数週間でやり切る双方の信頼感など、広告代理店と広告主との密接な関係性がすごいですよね。

高瀬:なるほど。その裏側のドキュメンタリーを見たいですね。強固な信頼関係や、ある種の気合いのようなものがないと乗り切れないですね。

肥田:どちらもアイデアとしてはそこまで突飛なものではないかもしれませんが、いざ実行しようとすると相当なものでしょう。大手企業がこのスピード感でやったことは刺激になりますね。

高瀬:どちらの例も、今のデバイスとテクノロジーを使い、うまくエグゼキューションしたと思います。冒頭に出たThe Last Photoは、メディア自体はポスターですよね。ただ、スマートフォンというデバイスを起点にQRを読ませるという形で、うまくアナログとデジタルを絡めている印象を受けました。僕らのようにデジタル専業だと、どうしてもデジタルに閉じて見がちですが、そうではない見方ができるのは大きいですね。

肥田:おっしゃるとおりです。ただ同時に、いろいろな領域を俯瞰することは、会社レベルでは簡単ではありません。発注主としては、この会社にはこの結果を期待して、といった期待値もあるので、いきなりそれを外れるような提案を広告主は求めておらず、難しい部分があります。ただし個人レベルとしては、少なくとも他に波及するように、広告から仕掛けをしようといった視点を持つことでも、大きく変わると思います。

高瀬:また、僕らが見ていない領域、チャネルで行っている施策なども参考までに聞かせてもらい、それが今のデジタルで、うまく線を描けているのかを意識するところから始める、でもいいですね。

肥田:最終的なアウトプットも変わると思います。広告側の施策にも、違う施策につながるような打ち手を最後に挟んでおくといった視点があるかどうかで、大きく変わるのではないでしょうか。

高瀬:まさにそうですよね。広告運用者としては、引きの広告のクリエイティブがあり、連れて行き先のランディングページがあり、その連動性までは考えると思います。しかし、それ以外の領域は考えずにやってしまいがちだと思うので、統合マーケティングのような視点で、PRの領域も含めて、どういったことをやっているのかを見て、提案すると、また違ってくるかもしれませんね。

アタラ 高瀬

カンヌから帰ってきてからの変化

高瀬:カンヌライオンズで刺激になったことは、たくさんあると思いますが、帰ってきてからは、いかがですか。

肥田:歴代のカンヌ受賞作品を見たことで、私自身としては、過去のクリエイティブがストックされました。そして、広告主から相談を受けたときに、あれに近いようなクリエイティブだったら面白いものを見せられそう、など関連性を見つけることを意識するようになりました。

また、クリエイティブを見ながら、どのようなターゲット、インサイトをつかもうとしているのか、デコンストラクション(再構築)などを意識することは、日々の行動の中でもあります。

高瀬:2023年のカンヌライオンズには、どのようなトレンドがありましたか。

肥田:受賞作品でいうとD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の領域は、引き続き色濃いという印象でした。AI関連もありましたが、AIは来年度のほうが、おそらく、より盛り上がると思います。ただ、セミナー全体を通して見ると、トークの中心はAIでした。各セミナーでもChatGPTやジェネレーティブAIの話は、本当に多かったです。

高瀬:参加されたセミナーの中で、特に面白かったセミナーはありましたか。

肥田:一番面白かったのは、やはりAB InBevのセミナーでした。

高瀬:先ほどのビール会社ですね。

肥田:はい。カンヌライオンズでは、個別作品とは別に企業や代理店、個人を称える賞もあるのですが、その中のCreative Marketer of the Yearを史上初めて2年連続で受賞しました。そのCMOの方が、どのような発想で、それぞれのクリエイティブをつくったのかを話してくれたのが、一番面白かったです。

高瀬:クリエイティブのつくり方のようなセミナーだった、ということですか。

肥田:そうですね。ただ、どちらかというと、先ほども話にあったドキュメンタリーに近いかもしれません。実際に、課題に向き合いながら考えたことや、クリエイティブの背景など、当事者たちの口から聞けるというものでした。

広告運用者のクリエイティブとの向き合い方とは

高瀬:今回のカンヌを踏まえて、広告運用者という視点から、クリエイティブとの向き合い方についてお聞かせください。

肥田:運用型広告の領域で求められているクリエイティビティでいえば、やはり、ダイレクトレスポンスの効率性を上げることや、媒体との相性を考えて最適なクリエイティブにすることだと思っていますし、日本で、その役割が大きく変わることもないのではないかと思っています。そのため、一番に求められていることは、運用者の皆さんが普段行っているクリエイティブのやり方を、より良くしていくこと、より磨き込むことと思います。

もちろん、それが今後ジェネレーティブAIなどに脅かされるという話もありますが、例えば、仕事がなくなるような大きな変化はないと考えています。ジェネレーティブAIがいくらクリエイティブをつくれても、さまざまある選択肢の中から最善を選ぶのは人間の役割になると思うからです。また、そもそもマーケティングが人の心を動かすことを目的とした際に、ある種AIにとっては外れ値となるようなアイデアや、トレンドと逆張りするようなものも必要になってくると思うので、そういう意味でも、人間がクリエイティブから離れるということは考えにくいと思います。全てAI頼りになって同じようなものが並んだ際に、そういったものに人の心が動かされるのかというと、そうはならないと思います。

そのような観点も含めて、運用型広告従事者として今後も一番求められるのは、やはり、ダイレクトレスポンスの領域でクリエイティブを通していかに成果を上げるかだと思います。そのためのデザインであったり、配信面との相性の良さをはかったり、コピーの作り方といったところが中心だと考えています。

オーリーズ 肥田さん、アタラ 高瀬

一方で、トップファネルやミドルファネルの施策に対して、どのように間口を広げるか、あるいは、どのようにユーザーの態度変容を促すか、という観点では、広告中心の施策の役割は少しずつ低下してくると思います。もちろん、これはすでに総合の広告代理店などが担っている領域ではありますが、そういったものが少しずつ運用型広告従事者のほうの与件になったり、広告主としても、そういったことを求める機会が増えてくるでしょう。

高瀬:そうですね。AIの話については、来年には運用型広告のクリエイティブの自動生成の領域も、本格的に各プラットフォームに実装されていくと思います。それで候補は出してくれるとしても、結局、最終的に選ぶのは運用者であるし、広告主でもあると思います。アイデアという観点だと、過去のいろいろな例を参考にしながらのアイデアはつくれると思いますが、もう少し社会的なトレンドであったり、Web上にない部分、過去にとらわれない発想力を扱えるのはやはり人なのかな、という気がします。

肥田:定期的に運用者の仕事がなくなるという話は出てきますよね。もちろん、作業や内容は変わると思いますが、根本の部分は、あまり変わらないような気がしています。例えば、P-MAXやRSAの広告テキスト文は自動生成されますが、ただ、それが果たして良いものかでいうと、2023年12月の時点では、ないですよね。また、それが静止画や動画では良くなってくるかというと、そこまで大きな飛躍もないでしょうし、仮にあったとしても、やはり、どれを使うかという人間の意思決定は残ります。その意味では、運用者がクリエイティブを考えるところのダイレクトレスポンス領域は、そこまで大きく変わらずに残ると思います。

クリエイティブも自動化されたとき、運用者がするべきことは

高瀬:これまでは、入札やターゲティングが自動になっても、クリエイティブだけは聖域のように扱われていたように思われます。ですが、生成AIの登場によってクリエイティブも自動になってきたとき、運用者としてはどこに軸足を置くべきだと思いますか。

肥田:クリエイティブをどこまでのものと捉えるかによっても変わると思いますが、クリエイティブの比重はやはり大きいと思います。バナーや動画といった広告制作物もそうですが、それらのメッセージが最大化するようなLPを整えたり、もしくはそもそもの中身であるサービスをどのようなユーザーを対象に訴求するかでも広告効果は大きく変わってきたりするでしょう。ダイレクトレスポンスの役割の中で、広告接触から行動完了までの一連のユーザー体験の最適化が、今まで以上に運用者には求められると思います。そのような見せ方も含めてクリエイティブと考えると、やはり、クリエイティブが一番の領域として今後、人間の力の発揮どころになるのは間違いないのではないでしょうか。

高瀬:確かに、その捉え方次第ではありますよね。アイデアとエグゼキューションで分けて考えると分かりやすいと思いました。クリエイティブの中の、どこに軸足を置くかという点でも変わってくるようなイメージです。

肥田:そうですね。私の意図するクリエイティブへの注力はアイデアというより、ダイレクトレスポンスの枠組みにおけるユーザー体験の最適化、というのがイメージに近いかもしれません。あとは、それに伴って、今までのクリエイティブの向き合い方も変わっていくと考えています。今まではどちらかというと手段先行の部分が多かったような印象で、例えば、いかにYouTube面のベストプラクティスが抑えられているか、あるいはInstagramだったらどうかなど、媒体を中心に考えていたかと思います。ただ、今後は媒体や機能に関してというよりも、どちらかというとユーザーに対しての向き合いが増えてくるイメージはありますね。

なので、いわゆるWho、What、Howの中で、今までHow中心であったものが、少しずつWho、Whatの部分に比重が移っていくと思います。

高瀬:そうですね。Howの部分はベストプラクティスのようなところがあり、ある意味で攻略本さえあればできるといった世界観だったと思いますが、重要な部分はそこではなくなっているような気がします。

肥田:はい。重要性は残りつつも、おそらく市場全体として期待される部分がやはり移りつつあると思います。P-MAXの登場など、AIが正解に近いものを出してくれるようになってきているので、ダイレクトレスポンスの領域であっても、より上流の部分に対してどう価値貢献してくれるのかが重要になってきていますね。

高瀬:それを考えると、支援する会社としては、支援先の企業のプロダクトや事業戦略を踏まえてWho、Whatのところまで一緒に考えて、クリエイティブに落とし込むことができればいいですね。

肥田:運用者も顧客と一対一でインタビューをするなどして、顧客の声を直接聞きにいくことから得られるアイデアの出し方などは、必然的に増えていく気がします。

高瀬:そうですよね。アイデアを得るための手段に関しても、運用者であれば配信実績の結果からインサイトを提示すると思いますが、それ以外の手段に目を向けて、より幅広い手段でWho、Whatの部分をつかんでいくことができると、少し違うと思います。

日本でもカンヌでグランプリレベルのクリエイティブは作れるか

高瀬:カンヌライオンズは世界のいろいろなクリエイティブに触れる場だと思いますが、日本と少し違うと感じたことはありますか。

肥田:細かな表現などには違いはありますが、根本の部分は変わらないと思いました。それは、クリエイティブは、人間の感情を動かすことを目的にしているためかと思います。クリエイティブで態度変容を促すためには、その前に驚きであったり、人間の感情に訴えるものが必要ですが、そこはハリウッド映画などで海外のものでも感動できるように、ある程度共通していると思いました。

ただ、訴える方法として、やはり文化的な背景がなければ理解できないということはありました。今回、日本企業でFilm Craft部門のゴールドなどを受賞した相鉄・東急直通線開業記念ムービー『父と娘の風景』のクリエイティブが、まさにそのケースでした。審査員の方も「審査員の中に日本人の自分がいたから、うまく伝えられた」ともおっしゃっていました。こちらは電車通勤の風景が使われていたのですが、海外の人にはそれが何をしているのかも分からなかったり、日本語でいうエモさのような、文化に根ざした感情は伝わりきらない部分がありました。

ただ、この作品の根本の部分は、家族愛といった普遍的なテーマですので、文化的な意味合いさえ共有されてしまえばうまく伝わるのかなと思います。

高瀬:やはり、印象に残ったクリエイティブの話などを聞いていて、アイデアとエグゼキューションの発揮が、とてもうまいですよね。固定観念かもしれませんが、日本では、そういった例が少なそうですよね。

肥田:実際、日本でできるかという観点を考えるとハードルは高いと思います。前例のないことに取り組みにくいとか、そもそもメディアが取り扱ってくれない、などの問題もあります。いろいろな複合要因で日本では確かに難しそうだな、と思うところはありました。

高瀬:テクノロジーの使い方など素地はあると思います。すると、アイデアの部分なのか、それとも両方なのか、分かりませんね。

肥田:アイデアもありつつ、あとは炎上したくないということもありますよね。また、アジリティの文脈でお話しした施策なども、1週間では意思決定してくれないと思いましたし、もろもろ含めて難しいですね。

高瀬:そうですよね。カンヌライオンズに参加された方は、共通して、その認識は持って帰る気がします。そういった課題意識を持った人が日本でも増えて変わっていければ、と思いました。そうすれば受賞作品もたくさん出てきそうですし、もっと面白いことができるのではないでしょうか。

肥田:今まではテレビCMが対象で、必然的に、資金の問題がハードルにもなっていたかもしれませんが、今回、話したようにグランプリを取っているような事例でも資金をあまり投じていないものが、たくさんありました。その意味では、動きの速い会社や制限の少ない会社だと、今後受賞は増えていくかもしれません。

高瀬:確かにそうですね。本当にクリエイティブ制作については、金銭的なハードルは低くなりつつありますし、発信できるチャネルも増えていますしね。広告に限定しない形になっているのもいいですね。

肥田:こういう考えで世界中の著名な企業が動いていることを知るだけでも、発想が広がると思います。やはり、こういった場の事例を多く知っているかどうかでも、大きく打ち手は変わってきそうだなと思いました。

高瀬:関係ないと思っている人も多くいらっしゃると思いますが、他の広告運用者にもカンヌライオンズに行くことをお勧めしますか。

肥田:はい。日本だと、このカンヌも含めて賞を目指すということ自体がネガティブに受け止められがちな気がします。でも、世界ではそのような考えは一切ないと感じました。そういう意味でも、カンヌライオンズを知ることが多くの人にとって対象になりうるものだと思います。

高瀬:賞は結果ですからね。それ目的で作った作品もあるかもしれませんが。

肥田:一部はあると思いますが、多くはそうではありません。日々の学びになる部分が多いので、まったく興味のないものだと思っていたら大きな損をしている、いい機会を失っているような気がします。

高瀬:それこそ統合マーケティングや、より広い領域での支援をしていきたいという人は参加したほうがいいですね。

肥田:そうですね。運用型広告に従事している方の中にも、ファネル全体に対して手を打ちたい、戦略の提案をしたいという方は多くいらっしゃいます。ただ、そこに対するアプローチはまだふわっとしている部分だと思います。私もYouTubeを使えばいい、という形になりがちだと思います。それにモヤモヤを感じている人にとっては、視野の広がるいい場になると思います。

高瀬:今日はどうもありがとうございました。

※参考サイト:カンヌライオンズ作品の一覧はこちら
https://www.lovethework.com/en-GB/cannes-lions

※本連載第1回はこちら

※当記事の内容、所属、肩書きなどは、記事公開時点のものです。

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