目次
BIツール Looker StudioでAlphabet(Google)の2024年第2四半期決算を読み解く
Alphabet(Google)の2024年第2四半期(2024年4月~6月)の決算発表および最近の傾向をBIツール Looker Studioを使いながら読み解いてみたいと思います。
※参考リンク(Googleの2024年第2四半期決算資料):
決算発表の動画もご覧になれます。AlphabetおよびGoogleのCEOであるスンダー・ピチャイ氏、AlphabetおよびGoogleのCFOであるルース・ポラット氏、GoogleのCBOであるフィリップ・シンドラー氏が登壇し、その後、アナリストへの電話会議でQ&A対応をしています。動画では、字幕を表示し、設定を自動翻訳にすることで、完璧ではないものの、流れを追うことはできると思いますので、ぜひトライしてみてください。やはりライブの情報から読み取れるものは多いです(特にアナリストとの電話会議でのQ&A対応)。
Googleの2024年第2四半期の売上は前年同期比14%増の847億4200万ドルを記録しました。純利益は前年同期比29%増の236億1900万ドル(1株当たり純利益は1ドル89セント)となりました。4四半期連続の2桁台の売上高増加となりました。
アナリスト予測に関しては、売上高(841億9000万ドル)、1株当たり純利益(1ドル85セント)を共に上回りました。
グラフ上にカーソルを合わせていただくと、それぞれのセグメントの割合がハイライトされますのでやってみてください。右下の四角のアイコンをクリックするとグラフを全画面表示に切り替えることができます。
広告事業全体はまずまず。YouTubeが予想を下回る
主力の広告事業全体の売上高は11%増の646億1600万ドルと、伸び率は前四半期より鈍化したものの好調を維持しました。
- Google Search & other: 485億0900万ドル +14% YoY
- YouTube ads: 86億6300万ドル +13% YoY
- Google Network: 74億4400万ドル -5% YoY
検索広告収入(Google Search & other)は485億ドルとアナリスト予想の平均(476億ドル)を上回りました。これは、リテール部門の成長に牽引されたもので、次いで金融サービス部門が伸びたとしています。
一方、YouTube adsの売上高は86億6300万ドルで、ブランドとダイレクト・レスポンスの成長が牽引したとしていますが、アナリスト予想平均の89億5000万ドルに届きませんでした。
Google Networkは引き続き続落しており、74億4400万ドルとなり、とうとう2021年時点の売上高の水準に落ちました。
TACは133億8700万ドルで、アナリスト予想の135億4000万ドルを下回りました。
Google Cloudの売上高は28.8%増の103億5000万ドルとなり、市場予想(101億6000万ドル)を上回りました。
Google One、YouTubeプレミアム、 Google Play Passなどのサブスクサービス、AndroidやChromeなどのOSやプラットフォーム、Google Play Store、Google Workspace、Pixelスマートフォン、Nest、Chromebooksなどのデバイスを含むGoogle subscriptions, platforms, and devices事業の売上高は14%増の93億1200万ドルでした。YouTubeプレミアムが牽引したと説明しています。
Waymo、VerilyなどのAlphabetのムーンショット新規事業Other Betsの売上高は28%増の3億6500万ドルでした。ただし、営業損失は11億3400万ドルで、前年同期より1億以上増加しています)。
AI Overviewでの広告テストを近々開始予定
決算発表後の記者との電話会議で、CBOであるフィリップ・シンドラー氏はAI Overviewでの広告テストを近々開始することを明かしました。
私たちはGoogle Marketing Live 2024で発表しましたが、近々、米国のユーザーを対象に、AI Overviewで検索広告とショッピング広告のテストを開始します。AI Overviewでは、クエリとAI Overviewの情報の両方に関連性がある場合、スポンサー広告とラベル付けされたセクションに表示されます。
正直パッとしない四半期でしたが、AI Overviewの広告テストはいよいよという感じで楽しみです。