運用型広告のレポートの効果的な書き方とは?パターンや要素で考える

運用型広告のレポートの効果的な書き方とは?パターンや要素で考える

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運用型広告のレポートを構成するパターン

検索連動型広告、DSP、あるいは、DMPなどの運用系の広告やプロジェクトで、私が作成するレポートには、ある特定の構造があります。パターンと言ってもいいと思います。

このパターンを最初に業務で使ったのはLookSmartという会社で働いているときで、1999年だったと記憶しています。なので、すでに15年ほど使っているものになります。最初はLookSmartの社内プロジェクトのレポートで使ったのですが、その後は、いわゆる、広告主との定例会で主に使っていて、私自身のコンサルティング業務の核をなすものだと思っています。

このパターンは、私がアメリカの大学院にいたときに、たしか、USTR(アメリカ合衆国通商代表部)の元高官だった教授の国際政策の授業で習ったものでした。政府やNGO/NPO、一般企業などで、なんらかの調査資料やプロジェクトのレポートなどを提出する際に、本編のページ数がどんなに多くても、必ずA4一枚にその要旨をまとめるように指導されました。その要旨のまとめ方の一例として教わったのがこのパターンでした。

きょうは、そのパターンを紹介したいと思います。

 

運用型広告のレポートに必要な4つの要素

このパターンは、IssueBackgroundYour ResponseProposalの4つの要素で構成されています。

Issue(課題は何か?)

課題は何か?

どんな調査資料でもプロジェクトでも、必ず、課題があります。その課題を明確に簡潔に書きます。

運用型広告の定例会においても、必ず、課題があります。週報であれば、その週に生じている課題について書きます。想定以上にCPAが高騰している、CTRが低くなっているなどがそれに当たります。

 

Background(背景は何か?)

その課題の背景。

なぜそのような課題が発生しているのかについて、その背景や理由を書きます。

アカウント全体のCPAが高騰しているのであれば、その高騰を引き起こしている理由について書きます。

検索連動型広告であれば、おそらく、アカウントの中には複数のキャンペーンがあるでしょう。そのキャンペーンの中には、CPAが低下しているものもあれば、CPAが高騰しているものもあるかもしれません。すると、アカウント全体のCPAを高騰させているのは、特定のキャンペーンが問題なのかもしれません。同様に、特定のキャンペーンの中のどの広告グループが問題なのか。さらに、その広告グループの中のどのキーワードが問題なのかについて分析していきます。

問題になるキーワードは1個とは限りません。通常は、複数あるでしょう。そして、そのそれぞれのキーワードについて、なぜCPAを高騰させているのか。CPCが上昇しているのか。CVRが下落しているのか、などを記載します。

仮に、CPCが上昇しているとすれば、掲載順位は下がっているのか上がっているのか。競合他者の入札金額が上昇している可能性があるのかなどをキーワードごとに個別に分析していきます。

同様に、CVRが下落しているとすれば、それはなぜなのか。掲載順位の変動はあるのか。ランディングページのコンテンツに変更はないのか。季節要因は考えられるのか。などなどを個別のキーワードごとに分析していきます。

 

Your Response(対応策は何か?)

その課題に対するあなた自身の反応・対応を記載します。要するに、課題に対して実施した対応策です。

週報であれば、その週に実施した対応策について記載します。

「Issue」で課題を特定し、「Background」でその理由について分析していますので、それに応じてどのような施策を実施したかについて記載します。

できる限り、キーワードごと、あるいは、タイトル・説明文ごとに記載します。数が多い場合は、すべてを記載することはできないケースも多いので、その場合は、なんらかの視点でまとめて書いたりもしますが、それでも、重要なものについては、個別に対応策を記載します。

簡単な例でいえば、特定のキーワードの入札金額を下げたとか、タイトル・説明文を変更したなどです。

ここで重要なのは、その対応策を実施した日付や時間を記録しておくことです。何月何日に対応策を実施して、その後、どのような変化があったかについても、可能な限り記載したいからです。

 

Proposal(提案は何か?)

そして、最後に、提案です。「Issue」で特定した課題を解決するために、来週以降、このような施策をおこなっていきます、ということを書きます。

通常、クライアントの了承を取る必要がある施策について記載します。たとえば、予算の増額を提案することもあるでしょうし、追加キーワードの提案をすることもあるでしょう。それらについて提案して、クライアントの了承を得ておくのです。

以上ですが、この「Issue – Background – Your Response – Proposal」という構造でレポートを書くと、意外とうまくレポートできるというのが私の実感です。

定例会の際には、このレポート以外にも、パワーポイントの資料やエクセルの表などを持っていくのが通常ですが、それらの要点をまめる資料として、このレポートを作成しています。

この資料は、カバーレターとかエグゼクティブサマリーと呼んでいるケースもあります。このようなサマリーの資料を用意しておくと、定例会に参加していないクライアントの上司に対してもA4一枚で状況が伝わるため、重宝されるケースも多いようです。

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