Appleの最新TVCMから今後のプライバシー保護を考える

Apple データオークション TVCM

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コミカルだけどショッキングなTVCMの内容

Appleが、「iPhoneのプライバシー|個人情報オークション」という、プライバシー保護の新しいTVCMを公開しました。コミカルな内容ですが、とても重いメッセージが含まれています。

レコードショップで買い物をしていた主人公のエリーは、お店の片隅にあるドアから声が聞こえてきたため、気になってドアを開けてみました。すると、ドアに掲げてある額縁に、自分の写真とともに「エリーの個人情報オークション」と書かれていました。

ドアを開けて部屋に入ると、競売人が「次の出品はエリーの個人情報。魅力的なデータが揃っております」と話した後、「(エリーの)ドラッグストアでの購入履歴」、「最近の取引明細」と声高に読み上げ、オークション参加者によって次々と競り落とされていきます。

呆れた顔のエリーは、「Appにトラッキングしないよう要求」を選択します。すると、オークション参加者、競売人、商品などすべてが瞬時のうちに消えていきました。

最後に「プライバシー、それがiPhone」というキャッチフレーズで動画は終わります(カギがかかったAppleロゴが最後の最後に出るというオマケ付き)。

Appleらしい、一目瞭然のこのTVCM(もちろんiPhoneに対する安心感も醸成されるだろう)。消費者にとってはプライバシー保護の問題は、自分事だけど、わかりづらい。でも、何だか個人情報はチョイチョイ侵害されている気がする。だから、なるほど、そういうことか、ちょっとわかったという気になった人も多いのではないでしょうか。同時に、大手プラットフォーム企業や、トラッキングソリューションを提供している企業などに対しては、痛烈なボディブローを繰り出したようなもので、彼らは苦虫を潰したような顔をしているに違いありません。

 

「あなたのデータの一日」ホワイトペーパー

一方、Appleのホワイトペーパー「あなたのデータの一日」は、業界がいかに大量の個人情報を収集し、活用しているかを説明しています。

※参考リンク:Apple公開中の「あなたのデータの一日」(日本語版)PDF

「ウェブサイト、アプリ、ソーシャルメディア企業、データブローカー、アドテクノロジー企業の複雑なエコシステムは、オンラインでもオフラインでもユーザーを追跡し、個人情報を収集しています。これらの情報をつなぎ合わせ、共有し、集め、リアルタイムのオークションで利用することで、年間総価値2,270億ドルの業界が利益を得ています。皆さんが日々の生活を送っている間、多くの場合は知らないうちに、または許可もなく、このようなことが毎日行われているのです。」と前置きし、よくある家族の日常生活になぞらえつつ、何が行われているかを分かりやすく解説しています。

 

長年見過ごしてきたものに光を当てる目的

上記の広告は、マーケティング担当者が消費者について実際に持ちえていたデータと、消費者が自分の身を脅かすことさえできてしまうレベルの個人情報に何が起こっているのか全く検知してこなかったこと、そしてそれをコントロールできなかったことを表面化し、目を背けたくなるような業界の裏側を明らかにしているわけですが、プライバシー保護の真の問題に対する意識を高めることだけに焦点を当てたAppleのTVCMのクリエイティブのレベルの高さには相変わらず驚かされます。

Appleは時々、このような驚くべき広告を出すことで有名です。「1984」、「Think Different」、そして今回の「個人情報オークション」。 広告が持ち得るパワーを、今回も感じさせるものになりましたし、実際、この広告を見ることで、実際に人の行動に変化が出る可能性だってあります。

Appleは、広告における消費者データの追跡のほとんどに門戸を閉ざしました。もちろん、Appleはあなたのデータにアクセスすることができます。 他人と共有しないだけで、利用することはできるのです。データを共有することで起きえることの重大さを理解しているからかもしれません。故Steve JobsがCEOを務めていた頃からシリコンバレー各社のプライバシー倫理については警鐘を鳴らしていました。

マーケティング従事者の多くは、プライバシー保護の動きからのさまざまな変化に大きなストレスを抱えていますし、今後もそのストレスレベルは大きくなるでしょう。計測できていたものはできなくなりますし、ターゲティングできていたものもできなくなります。

消費者はプライバシー保護は大事といいつつ、自分の全生活をソーシャルメディアに投稿する人もいます。 しかし、今回のTVCMのような事実が一部では行われていることを知れば、消費者はもっと注意を払うようになるはずです。

結局、消費者もマーケターも、長年見過ごしてきたものに光を当て、不都合で不快な真実について、理解を深め、会話し、行動することが求められているのではないかと思うのです。

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