ChatGPT(Generative AI)を広告クリエイティブ運用に活かしていますか

チャットGPT

運用型広告レポート作成支援システム glu グルー

※本記事は、株式会社Insight science 代表取締役 CEOの村上和也さんに寄稿していただきました

ChatGPTが登場して、大きな時代の変わり目のような衝撃が走っていますね。私自身もプログラミングという世界で、この衝撃の大きさを痛感しております。さて、本日は、ChatGPT(Generative AI)を広告クリエイティブに、どのように活かせるかを考えてみましょう。

ChatGPTを活かせる領域とは

結論から言いますと、活かせるところは、とてもたくさんあります。大きく分けると、以下のような用途が考えられます。

  1. (ユーザー心理などの)マーケティングリサーチの領域
  2. クリエイティブアイデア創出の支援
  3. 実施施策の相談

もう少し具体的にみていきましょう。

1.(ユーザー心理などの)マーケティングリサーチの領域

ChatGPTを活用するとバーチャルグループインタビュー実施やペルソナ分析などが可能です。やり方によっては、SWOT分析、3C分析、5フォース分析などにも活用できます。ぜひやってみましょう。以下は、私が外部のChatGPTのセミナーで最も感銘を受けた手法です。(かなり端折っていますが)

▼まず、魔法の呪文「ペルソナ分析を知っていますか?知っていたら「はい」と答えてください。」
これがなくても綺麗に出せるのですが、これにより、確実にアウトプットを誘導できます。

▼「◯◯の商品を購入する、△△という特徴を持つペルソナを立てて」と言ってみましょう。
具体的な使命や生活スタイルなど、いろいろ出てくるでしょう。

▼ペルソナを何人か立てて「それではXさん、Yさん、Zさんで、◯◯について会話してください。」とディスカッションをさせましょう。
このようにすると、その過程で出てくる情報に、必ずと言っていいと思いますが「あぁ、その観点が抜けていた」と思わせてくれるものが存在することでしょう。

※全部見たい方は、スタートアップ経営者塾(https://unicornfarm.jp/jukusalon/juku/)に入ると、動画で見られます。これは本当におすすめ。1カ月だけでも入会してみる価値はあります。

リアルのユーザーへのインタビューは、とても難しいものだと思います。対面でやると気を遣って答えを合わせてくれるかもしれませんし、誘導尋問になってしまい、本当の真意を聞けなかったり、グループインタビューにするとコストがかかりすぎたり、求めている答えを得るまでに時間がかかったりします。回答者が少し偏りのある思考であるという統計上の誤りが含まれることもあり、解釈が難しいところもあるでしょう。何より、実施するコストがとても高いことが一番のネックだと思います。これらの点においては、ChatGPTは全てを解決してくれます。低コストで、ある程度自分が指定したモデルで、客観的なインタビューをしてくれます。

もちろん、リアルのグループインタビューを実施して、より深いインサイトの導出などは意義があることだと思いますが、ChatGPTでのバーチャルグループインタビューをやらない理由はありません。Web広告だと、リサーチの予算や時間がほとんど取れないことが多いため、この手法は本当に重宝することでしょう。

2.クリエイティブアイデア創出の支援

コピーやビジュアル要素、記事コンテンツ、ランディングページの活用などにおいて、さまざまなアイデア創出の支援 アシスタントとして利用できます。私自身は、アイデアを出すことが得意な方だと思っていますが「簡単ではない」と感じます。良質なアイデアを出すためには、集中できる環境と体調、そして集中力を必要とするためです。

このような点に共感していただける方には、ChatGPTの活用はとてもオススメです。ChatGPTは、適切なインプットをしてあげることで、とても綺麗なコピーや言い回しを出してくれます。時には、声をあげたくなるくらい、驚きの表現が出てきたりします。

例えば、以下のようなコピーライティングで使うテクニックを教えてみましょう。

  • 数字を使ってコピーを書いて
  • 韻を踏むコピーを書いて
  • 対句を使ってコピーを書いて

もちろん、なかなか思うような答えが得られないこともありますが、これらのインプットは自身が使っているものを入れ込むと、より普段のアイデアに近いコピーが出てくることでしょう。

また、好きなコピーライターや、好きなコピーがある場合、次のような方法もあります。「コピライターの糸井重里さんを知っていますか?」と聞きます。「○○の商品について、糸井重里さんになりきってコピーを書いてください」という風に聞いてみましょう。もしかしたら、とても良いコピーに巡り合えるかもしれません。

私は、ChatGPTと出会い、このより良いアイデアの引き出し方が、これからホワイトカラーの永遠の学習テーマの一つになると感じています。

3.実施施策の相談

みなさんは「実施施策」に困ることはありませんか。ChatGPTには、例えば「滞在時間を上昇させたいとき、どのような施策を実施すると良いか」などの相談をすることが可能です。もちろん注意も必要です。ChatGPTは、先生ではなくアシスタントです。そのため、たまにトンチンカンな答えも混ざっています。でも、同時に多くのヒントを提供してくれるものとして扱いましょう。

こちらも具体的な情報を渡すことで、アウトプットの精度がとても高まります。例えば「○○のLPのCVRを上げる施策を答えてください」よりも「○○のLPでファーストビューのスクロール率を上昇するための施策はどのようなものが考えられますか?」の方が、より具体的なアドバイスを得られるでしょう。この点で、このインプットをいかに細かく与えられるか、というのは広告運用者に課せられた課題かもしれません。また、出てきたヒントをうまく活用するためには、普段から、これまで以上に勉強をしていなければならないかもしれません。

[余談だけど大事なこと]ChatGPTを使う前に、オプトアウトしましょう

「情報漏えい」という言葉は、誰も耳にしたくないですよね。これは、大手であろうが、競合であろうが、広告業界の人に、誰にも起こしてほしくありません。なので、ChatGPTのオプトアウトは絶対やっておきましょう。または、データを学習に使用しない、と明言されているAPIを活用しましょう。以下に記載されていますが、オプトアウトフォームがあります。


~上記より抜粋~
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こちらの「form」という部分がクリッカブルになっています。ここをクリックすると以下のフォームが開けます。

 

 

これをしておいても、機密事項を入れないことは徹底しなければなりませんが、普通に使うにしても、だいぶ安心して使うことができるでしょう。

Generative AIを使う理由

ChatGPTの登場以降、私は、いわゆるホワイトカラーと呼ばれる人たちの働き方が変わるだろうと感じています。今まで、テクノロジーがやるべきこと、人がやるべきところに分かれていた中で、人がやるべきことに属する仕事の多くを任せられるようになったということだと思います。なぜ、そこまで感じられるようになったのでしょうか。私は、ChatGPTのすごさを以下のように感じています。

  • 会話の流れをくみ取れる
  • すでに言語学習がされている
  • 日本語を含めて、多言語にも対応している
  • きれいな文章が書ける
  • プログラミングコードも書ける
  • 求めれば、発言の意図も答えることができる

多くの点で「きれいな文章が書ける」ということに注目されがちですが、私は最もすごいのは「会話の流れをくみ取れる」ということだと思います。これにより、細かい指示(プロンプト)を与えれば、与えるほど、より正確な答えが返せるようになっていることになります。

これまでのGoogle検索の時代は、次の4ステップだったと思います。

  1. 検索する(事例や辞書を引く)
  2. 知識に変換する
  3. それを自分の課題に置き換える
  4. 具体的な解決策を人が作り出す

しかし、ChatGPTの場合、次の4ステップで解決策が返ってきます。

  1. 自分の知りたい情報を具体的に与える(プロンプト)
  2. 具体的な解決策が返ってくる

この威力を感じたのはプログラミングの世界です。ここは具体的に書くと長くなるので割愛しますが、プログラミングの技術障壁は間違いなく下がります。これは、広告運用の世界において、これまでExcelの関数を書けなかった人が書けるようになる、Google Scriptなどを使えなかった人が使えるようになる、ということなのです。つまり、ChatGPTを使って、これまで、できなかったことを、できるようにならなければならない、ということとも捉えられます。

広告運用の現場で何が変わるか

では、広告運用の現場で何が変わるか、考えていきましょう。まず、雑多なアイデア創出(コピー案の作成、ターゲットユーザー情報の取得、施策案出し)などの多くがGenerative AIにとって変わられるでしょう。もちろん、人がやる方が精度が高いことはたくさんあります。しかし、圧倒的にかかる時間が異なるのです。トレーニングのためには、人が考えることも必要でしょうが、実務上はAIに任せてしまった方が早くなるからです。その上で、人は、そのアイデアをいかに早く出すか、どのAIを使うのか、どんな指示を出すのか、そして、出てきた結果に修正を加えたり、選定をしたりすることが求められてくると思います。

人間によるアイデアの創出は、どうしても時間がかかります。事前情報をインプットし、集中できる環境を用意し、思考を停止しないようブレインストーミング(ブレスト)のような形で一気に発散しなければなりません。広告文を考えるたびにブレストをやっていると、時間がいくらあっても足りませんよね。

私自身、このような文章を書きながら、この時代の変化に驚いています。正直なところ、AIに思考を任せられるのは10年以上先のことだと思っていました。「AIに何でもかんでも任せる」ということに、どちらかというと懐疑的でした。それが昨年末よりChatGPTが登場し、一気に精度が上がっただけでなく、文脈をくみ取れるようになったのです。「先ほどの件ですが」という会話が成立するのです。

このChatGPTを見た瞬間、これまでの思考を切り替えなければならない、と思いました。以前の学習したものの多くを、アンラーンして、新しい知識を築いていかなければならないと感じます。これまで常識だと思っていたことが常識でなくなる、そんなことが今、目の前で起きているのです。まず、目の前の業務を流れ作業でやるのではなく「これはAIに任せられないか?」を考えられるようにしましょう。

脳の筋力トレーニングも必要!?

一方で、この便利な状況は、ともすると人間の脳を退化させかねない、とも感じます。例えば、毎回アイデア出しをChatGPTに任せていると、ChatGPTが使えない状況でアイデア出しをするときに、どうすれば良いのか分からなくなるのでは、という感覚も同時に感じています。

そのため、宇宙飛行士が飛行中に筋力トレーニングをするように、われわれにも普段からのトレーニングが必要かもしれません。文章を自分で書くことをあえてやったり、コピーを考えてみることをあえて時間をかけてやることも必要かもしれません。

われわれは新しい世界の入り口にいます。何が正しいか、何が正しくないかを、われわれ自身が考え、作り直していかないといけないと思うべきではないでしょうか。パソコンがなかった時代の常識が非常識になっているのと同じく、Generative AIのなかった時代の常識は疑うべきものです。それと同時に、どんな副作用があるのかを考え、空いた時間をそこに充てていく。そんな発想が必要ではないかと思うのです。それは大変なことだと思いますが、この2023年という大変革ドラマの中に生きられていることを楽しみ、時には「なくなるもの」を目にして悲しむこともあるかもしれませんが、大いに味わいながら、次の時代につないでいく気持ちでいることがよいのではないでしょうか。

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われわれも、このような思考で、SaaSとしての在り方を考え直しています。人間にフィードバックをできるだけして、人が考えられる環境を用意して、人とともに成長していくことを善と考えていましたが、それに加えて使えるものを使わなければなりません。

そこでまず考えたのが、Generative AIをより簡単に使えて、でも、ちゃんと押さえるところは押さえてコピーを書けるようにできないか、というテーマでした。そして、開発したものが「UniCopi(ゆにこぴ)」というサービスです。UniCopiは、これまでの、われわれのAIへの疑い(ただ、語呂合わせをして、きれいなコピーを書けるようになるだけではないか)という点を、いかにしてクリアするかを考えた結果、生まれたものになります。

競合差別化を意識したコピーを生成してくれる「UniCopi」

例えば、UniCopiは、14個の訴求軸に分解して、ランダムで訴求軸を分け、何回転かさせるようなやり方をとっています。これにより、アイデアをある程度バラつかせて、良い気づきをいかに早く得られるかを意識しています。また、アイデアを出し続けるために、さまざまなラベリングをしています。加えて、インプットする時間を短縮できないか技術研究を進めています(この点は初期では実装が十分にできていませんが)。

550円で試せるので、ぜひ使ってみてほしいです。コピーのアイデア出しに、時間をたっぷりとって、電話がかかってこない集中できる静かな環境や思いにふけられる空間をわざわざ用意しなくても「必要な観点は見ればほとんど網羅できる、あとはさらに良くするだけ」という状況を作っていきたいと思っています。毎月50本のアイデアを出して、順次テストをしていく。これが、少額規模の案件であっても、リソースが足りなくても、十分に実現できるのです。

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