Criteo、AIへの取り組みと国内リサーチを発表:約6割強がサードパーティークッキーの廃止後の対応に困惑、そのうち9割が廃止後のAI活用が重要と解答

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CriteoがAIに関する取り組みとリサーチ結果を説明

Criteoは、2023年11月29日、Criteo AIラボの取り組みおよびAIに関する意識調査結果発表に関する説明会を行いました。

 

AIの取り組み

Criteo AI ラボ 所長/バイスプレジデント エンジニアリング担当のロマン・ルラル氏から、設立5周年記念を迎えたCriteo AI ラボについての説明がありました。Criteo AIラボは、AI 研究とエンジニアリングのために2018年に設立されたCriteoの研究所で、150名のエンジニアおよびリサーチャーをかかえる組織です。AIに関する論文数ではGoogle、Microsoft、Facebook、Amazonに続き、世界でも10位以内に入っているとしています。研究の軸はディープラーニング、大規模言語モデル(LLMs)、ゲーム理論、因果関係、メカニズム設計、画像&生成AI、プライバシー保護ML、バンディットと多岐に渡ります。

CriteoのAIの活用の歴史はそもそも長く、いつ、どこに広告を表示すべきか、どのような製品を選んで提示すべきか、また表示するバナーの見た目など、特定のROIに対するコンバージョンを最適化するためにAIは広告プラットフォームで活用されてきました。何十億もの製品カタログから瞬時に最適な製品を選び出して抽出するには、データの充実はもとより、それらを活かすAIが必要不可欠だったと言っても過言ではありません。

Criteoのレコメンデーション・エンジン

世界のAIエコシステムへの各種貢献も活発に行なっており、Googleが主導するプライバシー・サンドボックスにも最大の貢献者として取り組んでいます。また、Criteo Research DatasetsというオープンデータセットやGitHubのCriteoページでオープンソースを必要な団体に公開し、社会への貢献の一端を担っていると説明しています。

Criteo AI設立の背景としては、世間的に語られるAI(図の中央の黒い部分)は全体の一部のみで、実際は、団体競技のように運用され、ML(マシンラーニング)を実稼働するための巨大かつ複雑なエコシステムが必要となるからだとしています。

AIの要素

今後、Criteo AI ラボは、テキスト理解による商品カタログデータの正規化、画像処理による背景生成、生成AIによるカスタマーサポート・アシスタントなどを含む、近未来のCriteo製品を支えるAIを構築していくと説明しています。

 

日本のマーケターのAI活用とその影響に関する意識調査の結果

デジタル広告業界における日本のマーケターのAI活用とその影響に関する意識調査について、Criteo 最高テクノロジー責任者(CTO)ディアミド・ギル氏(写真中央)およびCriteo パートナーシップ戦略責任者 池田 智幸氏(写真左)から説明がありました(写真右はCriteo AI ラボ 所長/バイスプレジデント エンジニアリング担当のロマン・ルラル氏)。

Criteo 最高テクノロジー責任者(CTO)ディアミド・ギル(Diarmuid Gill)氏およびCriteo パートナーシップ戦略責任者 池田 智幸氏

※参考リンク:(Criteoのプレスリリース)

■調査概要:『デジタル広告業界における日本のマーケターのAI活用とその影響に関する意識調査』
調査期間:2023年10月2日~3日
調査対象: 20~69歳の男女で、従業員数500名以上の企業でインターネット広告業務に関与する方のうち、1年以内に出稿経験があり、運用方法が広告プラットフォームを活用した自社管理か広告代理店に委託している方
有効回答者数:515人
調査方法:インターネット
調査実施機関:株式会社マクロミル

主な結果は以下の通りです:

信頼できるテックパートナーとの協業の重要性

✓ マーケターにとって、テックパートナー/プラットフォームへの期待は高く、特に「費用対効果」は 65%が「とても期待する」と回答

✓ 活用しているテックパートナー/プラットフォームのいずれの要素*も評価は高いが、「扱うデータのプライバシー保護への対応」以外は、「とても評価が高い」と回答した割合は約3割以下にとどまり、さらなる改善を望んでいる
*=費用対効果、自社(ファーストパーティ)データとの相乗効果、技術開発への積極的な投資姿勢、自社データを補完する膨大なデータセット、扱うデータのプライバシー保護への対応

✓ 広告配信パートナーが高度な AI を活用する場合、「分析・レポート」「最適なオーディエンスへのリーチ」に 9 割強が期待

生成 AI の導入状況と期待する AI の役割

✓ 生成 AI の活用意向・導入状況は、「進めているが、さらなる議論が必要」が 51.5%で最も高く、「目標達成に向けて順調に進めている」(17.1%)とあわせて、全体の 7 割近くが進行中

✓ 生成 AI 導入の意向があるマーケターにおいては、「テキスト生成」「画像生成」業務における活用を 7割が期待

✓ 生成 AI の活用に期待することは、「作業時間の短縮」「業務の効率化」「人材・コストの削減」が 9割を超える

生成AIに関する意識状況

2024 年のサードパーティークッキー廃止に対する認識

✓回答者の 6 割強がサードパーティークッキー廃止後の対応に困惑、2024 年のサードパーティークッキー廃止後は、9 割が AI 活用を重要と回答

Chromeにおけるサードパーティクッキー廃止後を見据えて

ディアミド・ギル氏は次のように述べています。

AIは私たちのDNAの一部であり、当社の全従業員の約三割近くの人員を占めるR&Dチームならびに今年設立5周年を迎えたAIラボを中核に、創立から今日に至るまでずっと、AIを活用したソリューションを強化し続けながらクライアントの広告キャンペーンを有意義なものにすべく尽力しています。 Criteoは今後も技術開発への投資を惜しまず、この分野でのイノベーションに、継続的に取り組んで参ります。

Criteoは今後も汎用性と透明性を確保したユーザ中心型の機械学習モデルの構築に向けた研究に取り組み、「公正でオープンなインターネットを支持し、すべての人により良い体験を提供する」というCriteoのビジョンの推進に向けて努力を続けてまいります。

 

今回の発表についてのコメント

Criteoの強みは豊富なショッパーデータとAIです。両方が優れているから、これまでのリターゲティング広告も良いパフォーマンスでしたし、現在注力中のリテールメディアでも同様です。この2つの要素を数々の会社を買収しながら磨いてきたわけで、そう簡単にキャッチアップできるものではありません。従来のAIに加え、生成AIのパワーが備わることで、Criteoのエンジンもさらにパワーアップしていくものと思われますし、来年以降、クッキーレスになった際、AIでの推定は大きな役割を担うことになるので、この時期に、今回のような発信を行うのも頷けます。

ディアミド・ギルCTOに2つの質問を投げかけました。まず、サードパーティCookieのサポート廃止による影響に対して広告主は今何をするべきだと思いますか?という問いに対しては、正しいパートナーを協働することだと話していました。

また、先日のCriteoが日本でLINEと連携した取り組みのような、Criteoが持ち合わせている要素技術(elemental technologies)の部分提供はAIではありえるのか?という質問に対しても「これまでも行なってきたように、ユーザーのためになる最高のテクノロジーの提供は行なっていく」とし、その可能性もあるとしていました。来年のサードパーティCookieサポート廃止後のCriteoの動向は非常に気になるところですので、今後ともフォローしていこうと思います。

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