2023年テレビCM崩壊:博報堂生活総合研究所の暗示

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2023年以降、テレビ中心の広告が変わる?

さて、ここまでの話を簡単にまとめておきたい。

「2023年でテレビCMが終わりってことじゃない?」という知らない男性の言葉に触発されて、その意味を自分なりに考えてみたのだが、大きく2つのことが言えると思う。

1:2023年以降、いまの30代以下の「テレビが周辺メディアになった世代」が人口の過半数を占めるようになる。これは、携帯電話やスマホに思春期あるいは青春期以前から触れている世代で、かつ、テレビが情報接触行動の中心ではない人たちだ。

2:いまの30代が2023年には40代になり、大企業の経営層に加わってくる。そうすると、広告やマーケティング手法に大きな変化がある。おそらく、テレビを中心とした大企業の広告費の使い方が変わる。

要するに、日本をリードする世代が変わり、広告やマーケティング手法にも大きな変化が起こり始めるということだ。
インターネットの登場ですでに、広告やマーケティング手法には変化が起こっていると思う。
しかし、2023年以降、もっと大きな変化があるということだろうか。

2023年以降、インターネットやデジタルメディアに慣れ親しんだ人々の方が過半数になり、かつ、徐々にその率は増えていく。
50才以上人口も過半数になる訳だが、2023年以降の50才以上の人々は若い頃からインターネットを使ってきた人々が徐々に多くなっていく。
これまでテレビCMに大量の広告費を投下してきた大企業の経営層は徐々に年をとってしまい、「テレビが周辺メディアになった世代」に取って代わられる。
つまり、テレビCMを広告活動の中心に据えなくなる可能性が高くなる。

このように考えると、「きょうの話って、2023年でテレビCMが終わりってことじゃない?」という意味が少しは理解できる。つまり、博報堂生活総合研究所は、2023年にテレビCMが崩壊に向かうと暗示しているのではないかと。

『テレビCM崩壊』は、そんなに簡単じゃない

はたして、このストーリーは説得力があるだろうか?

ちょっと無理があるのではないか、と感じる人も多いだろう。私もそう感じる。
なぜなら、仮にデジタルネイティブな世代が50代以上になったとしても、世の中の人々の情報接触時間の多くをテレビが占めている限りは、テレビの影響力は大きいはずだからだ。なので、この世代交代だけでは説得力を持ち得ないと思う。

そうすると、テレビCMが崩壊するようなことが起こるとすれば、それは、テレビ(正確にいうと、地上テジタルテレビ放送)への接触時間が短くなるという条件が必要なのだと思う。

ところで、『テレビCM崩壊』というのは、ちょっと言い過ぎだと思う。いまのテレビCMが崩壊して完全に無くなるようなことは到底イメージできない。

現実的なのは、ネット広告費がテレビ広告費を超えるかどうか、ということだと思う。
実際に、『ネット広告がテレビCMを超える日』という本があって、それは、2018年だとしている。

2018 年、あと3年でそんなことが起こるのか?

電通や博報堂などの総合代理店の人々と仕事をしていると、たまにそういう話になることがある。ただ、いまのところ、2018年というのは現実味を帯びている感じはしない。

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