Google 広告、UACとAdMobに関する4つのアップデートを発表

Google広告、UACとAdMobに関する4つのアップデートを発表

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ゲームアプリ事業を加速させる4つのアップデート

2018年3月15日(日本時間で3月16日)Googleはゲームアプリ事業者向けの以下4つのアップデートを発表しました。

1. ユニバーサルアプリキャンペーン(以下UAC)でGoogle Playに動画広告を配信
2. UAC向けの類似ユーザー機能
3. 動画リワードに新しい2つのフォーマットを追加
4. Open Bidding(アプリ内ヘッダー入札)のベータ版提供

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それぞれのアップデートについて、以下で詳細をみていきたいと思います。

1. UACでGoogle Playに動画広告を配信

UACは、Googleの機械学習テクノロジーを用いてターゲティングや入札単価を自動的に調整して広告配信できるアプリ向けの広告プロダクトで、Google検索やGoogle Playはもちろんのこと、検索パートナーサイト、YouTube、Googleディスプレイネットワーク、AdMobなど広告掲載面も多岐にわたります。

これまで動画広告はYouTubeやGoogleディスプレイネットワークでのみ配信可能でしたが、Google Play上で新しいゲームアプリを探しているユーザーに動画広告(click-to-play video ads)を配信できるようになります。具体的には、Google Play上のゲームタブに新たに追加されるGame Trailersの中にカルーセル形式で表示され、ユーザーがカードをタップすると動画広告が再生されるかたちとなっています。

Image Source: Inside AdWords

eMarketerによれば、ゲームアプリ事業者が最も重要視するマーケティング施策はアプリストア内でのプロモーション(App store promotion)で、動画広告(Video advertising)も比較的優先度の高い施策となっています。この2つの施策を同時に実現するclick-to-play video adsは、ゲームアプリ事業者にとって非常に魅力的なプロダクトと言えるでしょう。

Image Source: eMarketer

本機能のベータ版は今後数か月間かけてロールアウトされる予定とのことです。

2. UAC向けの類似ユーザー機能

前述の通り、UACではターゲティングや入札単価は自動的に調整されます。キャンペーンの最適化対象をインストール数に設定する場合は、ターゲットに「アプリ内での行動が見込めるユーザー」を指定することで、指定したアクションをインストール後に取ってくれるであろうユーザーにアプリインストール広告を配信することも可能です。

一方で、ゲームアプリ事業者が新しいタイトルをリリースし、UACでロイヤリティの高いユーザーをターゲットにアプリインストール広告を配信するには、まずはインストール数を増やしてアプリ内でのアクションデータを溜めなければならず、既存タイトルのデータを活用することはできませんでした。

今回のアップデートで、ゲームアプリ事業者は既存のタイトルの顧客データをGoogleに共有することでその類似ユーザーを作成することが可能となり、最初から高いエンゲージメントを見込めるユーザーにアプリインストール広告を配信することが可能となります。これについて、Googleは以下のように説明しています。

Imagine you’re a developer with a popular mobile game and you’re launching a new title. With similar audiences, you can share your business data with Google to find more players like those playing your current game. By connecting you with more qualified customers, similar audiences can help unlock new opportunities to grow your business.

あなたが人気のあるモバイルゲームアプリ事業者で、新しいタイトルをリリースするとします。類似ユーザー機能は、ゲームアプリ事業者がGoogleとビジネスデータを共有することで既存タイトルのプレイヤーと似たより多くのユーザーを見つけることができます。より適切なユーザーにリーチするという点で、類似ユーザー機能はビジネスを成長させる新たな機会となるでしょう。

UAC向けの類似ユーザー機能(ベータ版)は2018年5月より一部の広告主で適用開始となります。

3. 動画リワードに新しい2つのフォーマットを追加

自社アプリ内での広告表示はアプリ内課金と同様にマネタイズのための大きな手段となります。AdColonyの調査によれば、ゲームアプリ事業者の広告収益は全体の53%を占め、その中でも動画リワードは収益の効率性やユーザー体験の観点で、他の広告フォーマットと比較して優れているとのことです。

参考:

モバイルアプリ向けアドネットワークのAdMobは、アプリ事業者の広告での収益化を援助するプラットフォームでもあり、グローバルで100万以上のアプリで利用されています。広告フォーマットはバナー、インターステイシャル、動画リワード、ネイティブの4つから選択できますが、今後数か月間をかけて動画リワードに新しく以下2つのフォーマットを追加するとのことです。

multiple-option video ads(左)とplayable ads(右)
Image Source: Inside AdWords

Googleによれば、AdMobにおけるアプリ内動画広告のインプレッション数は2016年1月から2017年12月の期間で1.8倍にも成長しており、アプリ事業者の広告収益を支える”revenue-driving machine”としての存在感を大きくしているようです。

その中でも、プレイヤーにインセンティブを与えることができる動画リワードはユーザー体験を損なわずに表示できるフォーマットとして好評で、AdMobの上位1000ゲームアプリパートナーの45%以上がマネタイズのために使用しています。

これまで動画リワードのフォーマットは動画視聴後にエンドカードが表示されるclick-to-download動画広告のみでしたが、よりインタラクティブな上記2つのフォーマットが追加になることで、動画リワードでのマネタイズをさらに柔軟なものにするでしょう。

4. Open Bidding(アプリ内ヘッダー入札)の提供開始

AdMobは、AdMobネットワーク、サードパーティの広告ネットワーク、自社広告キャンペーンなど、複数の配信元の広告をアプリに配信できるメディエーション機能を持っています。表示回数目標を指定した自社広告(デマンドサイド視点でいうインプレッション保証型広告)キャンペーン以外では、eCPMに基づいて広告配信に利用する広告ネットワークの優先順位が決まります。

具体的には、各ネットワークが設定したeCPM値のリクエストに対応できない場合は、次にeCPM値の高いネットワークにリクエストが送られ、リクエストに対応できるネットワークが見つかるまでeCPMのリストに基づいてこの手順が繰り返されるいわゆるウォーターフォール形式でした。

AdMobのメディエーション設定画面(Image Source: AdMobヘルプページ)

今回発表されたOpen Bidding(ベータ版)は複数の広告ネットワークが同時にオークションに参加し、落札価格がそのまま約定単価となるファーストプライスオークションの形式をとる事ができます。すでにSmaatoやIndex Exchange、OpenXなどのSSP/アドエクスチェンジにこの形式でのオークションは開放されており、今後数か月間かけて対象の広告ネットワークを拡大していく予定とのことです。

モバイルゲームアプリ市場での存在感を強化か

eMarketerによれば、カテゴリー別のアプリインストール数においてゲームは圧倒的に多く、Android・iOSともに2位のカテゴリーを大きく引き離しています。他カテゴリーと比較してインストール数が多いことはあらかた予想がつきますが、例えばAndroidであれば2位との差は50億以上と、モバイルアプリ市場でのゲームカテゴリーの存在感の大きさを認めざるを得ないデータが出ています。

Image Source: eMarketer

一方で、これはゲーム以外のカテゴリーでも同様ですが、アプリインストール広告におけるFacebookの存在は引き続き強力で、AppsFlyerが2018年2月に公表したパフォーマンスインデックス(同社が独自の指標でメディアをランキングしたもの)で1位を獲得しており、これに2位のGoogleが続くかたちとなります。

参考:

こういった背景を踏まえると、今回のアップデートがゲームアプリに比重を置いたもので、かつ広告の配信機能だけでなくインベントリを強化する内容になっていることも頷けるのではないでしょうか。モバイルゲームアプリ市場でのGoogleの動向に今後も目が離せません!

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