Criteoの強さと今後のチャレンジ:Unyoo.jp特別対談 Criteoの鈴木大海さんに聞く

Criteoの強さと今後のチャレンジ:Unyoo.jp特別対談 Criteoの鈴木大海さんに聞く

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オーバーチュア時代の同僚

杉原:CRITEO株式会社の日本担当マネージングディレクターである鈴木大海さんは、私がオーバーチュアにいた頃の同僚で、CRITEO株式会社 代表取締役 兼 アジア太平洋地域統括である上野正博さんは、当時のオーバーチュアの社長でした。

 

鈴木:そうですね。

 

杉原:そして今、鈴木さんは、CRITEO株式会社で日本事業を統括されていらっしゃる。

 

鈴木:日本事業の責任者です。東京本社が、アジア太平洋地域(APAC)事業全体の本社を兼ねており、上野がAPACの事業を統括しています。
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杉原:広いですね。

 

鈴木:はい。APACと一言で言っても、日本からインドまで14の国の地域を含みます。2015年はインドにも注力していくことになると思います。

 

杉原:鈴木さんは、オーバーチュアのサービスインより前に入社でしたっけ?僕はサービスインより前でした。

 

鈴木:後です。ヤフー・インク買収の発表の前日に入社しています。翌日に買われてビックリしました。

 

杉原:当時、僕が広告主営業をしていましたね。で、?木さんは……。

 

鈴木:媒体営業をしていました。杉原さんはセールスプランニングをされていて、私は媒体社とコミュニケーションをとっていました。

 

杉原:あのとき僕は、広告プラットフォームが初めてだったのですがプロダクト力に加え、需給バランスというか、掲載パートナー側と広告主の成長がすごくライトバランスだったのですが、あの時、広告事業ってそうでないと、なかなかうまくいかないな、これはって思っていました。

 

鈴木:車の両輪のようなもので、片側だけが大きくても、まっすぐ走ることができないですね。

 

杉原:それってまさに、Criteoさんの日本での躍進と同じですよね。もちろんプロダクト力があるからですが、両輪のバランスが上手くいっているんだろうなと。

 

鈴木:もちろん、他の国での立ち上げのノウハウもありましたが、私や上野は媒体社と広告主の両側にネットワークを持っているので、どう上手く立ち上げていくかは、ある程度、経験というか、予測を持っていけたのではないかなと思っています。

 

杉原:どっち側だけが強くても上手くいかないんですよね。

 

鈴木:うまくいきません。

 

杉原:難しいからこそ、Criteoさんは上手くやっていらっしゃるなって思います。そしていま、こうしてインタビューをさせていただいているわけですが。

 

 

Criteoの概況について

杉原:さっそくですが、まずは、ワールドワイド、APACなど概況について伺えますでしょうか。

 

鈴木:弊社の事業年度は1月から12月で、12月に2014年度がしまったところです。ワールドワイドには、2014年の売り上げが7億4,500万ユーロ、対前年比68パーセントの成長です。日本円に換算すると約1,000億円の規模に到達しました。そのなかで、EMEA(欧州・中東)、南北アメリカ、アジア太平洋地域の3つに分けています。アジア太平洋地域が全体の20パーセント程度を占めています。2014年後半からアメリカが再度、成長を加速させて伸びました。

 

杉原:アメリカが再成長した理由は何ですか。

 

鈴木:リターゲティングという事業モデルは、大きなお客さまに使っていただけるかどうかが売上げの拡大ポイントです。2014年は大きなお客さまが広告主として加わり、多くの広告予算を預けていただけたことが、後半に伸びた要因のひとつです。プロダクトのポートフォリオ、モバイル対応などが展開できたことも成長できた理由に挙げられます。

 

杉原:全体が伸びた地域別の要因はやはり、アジアですか。

 

鈴木:アジアも大きく伸びています。2014年第4四半期の前年比でアジアの成長は80パーセントです。全体的に伸びているのですが、EMEAが先行して立ち上がっていることもあり、成長率は若干低いですが54パーセントです。

 

杉原:それでも50パーセントを超えているとは恐るべし。

 

 

日本の状況、広告主や媒体社の伸び

杉原:日本の状況、広告主や媒体社の伸びはいかがですか。

 

?木:日本単体の広告主数や媒体社数は公表していませんが、世界と同じように、順調に伸びています。

 

杉原:広告主の業種は、どのあたりですか。

 

鈴木:EC、旅行、クラシファイドが主要な3つの業種です。ユーザーがどの商品とどの商品であれば、より積極的にコンバージョンしそうか、バナーを見たときに、より購買意欲を掻き立てられるかなどを活かすためには、商品件数が多い方がレコメンデーションロジックを効かせやすいので。その観点でもリテールモデルは相性が良いです。

 

杉原:御社で言うクラシファイドとは何ですか。

 

鈴木:クラシファイドとは、カタログデータをアグリゲートしてコンシューマーに提供している事業モデルです。不動産情報、求人サイトなど、情報を集めてカタログのようにユーザーに提供していらっしゃいます。そうした事業者を総称してクラシファイドと呼んでいます。

# 次のページ[2]:<ヤフーとのパートナーシップの現状>に続く

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