BIツールでGoogleの2022年第3四半期決算発表を読み解く

Google編:2022年第3四半期決算発表をBIツールで読み解く

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BIツールでGoogleの2022年第3四半期決算を読み解く

Google(Alphabet)の2022年第3四半期(2022年7月~9月)の決算発表および最近の傾向をBIツールを使いながら読み解いてみたいと思います。

※参考リンク(Googleの2022年第3四半期決算資料):

決算発表の動画もご覧になれます。AlphabetおよびGoogleのCEOであるスンダー・ピチャイ氏、AlphabetおよびGoogleのCFOであるルース・ポラット氏、GoogleのCBOであるフィリップ・シンドラー氏が登壇し、その後、アナリストへの電話会議でQ&A対応をしています。動画では、字幕を表示し、設定を自動翻訳にすることで、完璧ではないものの、流れを追うことはできると思いますので、ぜひトライしてみてください。やはりライブの情報から読み取れるものは多いです(特にアナリストとの電話会議でのQ&A対応)。

Googleの2022年第3四半期の売上は前年同期比6%増、前四半期比0.9%減の690億9200万ドルを記録しました。純利益は27%減の139億1000万ドル(1株当たり純利益は1ドル6セント)と、大幅な減益となりました。

アナリスト予測に関しては、売上高(705億8000万ドル)、1株当たり純利益(1ドル25セント)ともに届かず、2021年第2四半期をピークに、Alphabetの業績がアナリスト予測を下回り続けるのは、これで3期連続となり、事業の舵取りの難しさを物語っています。

グラフからも広告事業の停滞感がよく理解できます。グラフ上にカーソルを合わせていただくと、それぞれのセグメントの割合がハイライトされますのでやってみてください。

 

YouTube広告の不調

不調の広告事業ですが、もちろんGoogleだけでなく大手広告プラットフォームの今期の決算は軒並み不調です。ただ、Googleの中ではYouTubeの不調が2四半期前から言われており、今回もセグメントの中では悪く、とうとう初の前年同期比2%減を記録してしまいました。グラフ上のYouTube adsにカーソルを合わせていただくと、いかに続落しているかがよくわかります。

※参考リンク(Googleの2022年第1四半期決算資料):

上記の記事でも触れたように、経済減速、インフレによる購買意欲の低下やウクライナ紛争など、主な原因はいくつか考えられますが、ここまでYouTubeが影響を受けていることや、Facebookなども同様に大きな受けている状況を鑑みると、Appleのプライバシーポリシー「App Tracking Transparency (ATT)」による逆風がもっとも大きいことが自明となった感があります。

 

AIはコスト高?

コストも上昇傾向にあります。AlphabetおよびGoogleのCFOであるルース・ポラット氏が決算発表の中で次のように述べています。「当社の売上原価の合計は312億ドルで、13%増加しました。主に、その他の売上原価は193億ドルで、20%増加しました。ここでの最大の要因は、データセンターなどの運営に関連する費用であり、次いでハードウェア費用でした。営業費用は、主に従業員数の増加にともなう研究開発費および一般管理費の増加、ならびに主に広告・宣伝費の増加と従業員数の増加による販売費・マーケティング費の伸びを反映し、26%増の208億ドルとなりました。」

AlphabetおよびGoogleのCEOであるスンダー・ピチャイ氏は7月、新規雇用を抑制する方針を明らかにしていましたが、Googleの従業員数は6~9月の間に1万2765人増加して、17万4014人から18万6779人になった。2022年9月にサイバーセキュリティ企業であるMandiantを買収したことが要因の一つとなっています。ただ、Googleのコストは業界の中でも高めの水準であるものの、人件費は事業に対してある程度スケールするようになっているため、そこではないところに注目した米国の有力メディアであるStratecheryが興味深い考察を寄せていました。

ここで言うその他の売上原価はTAC(トラフィック獲得コスト)以外の原価になり、上記にある通りデータセンターなどのコストが含まれます。同社のGoogleへの過去のインタビューで、AIや機械学習がGoogleの他のデータセンターのコストよりも実質的に高くつくという言及があり、特にGPUの高騰と必要な膨大な電力コストを考えると、それは理にかなっていると言えるでしょう。新型コロナウィルス感染症を発端に、Googleにおいてもユーザーによる利用がどんどん増え、機械学習の恩恵に預かったが、パンデミック前の通常モードに戻ってきて、かつ、売上も鈍化している中、売上に対するコスト割合が高くなってしまっているという仮説です。

ただ、AI/機械学習についてGoogleのサービスにおいては今や不可欠なものになっていますし、取り組みを抑制することはないでしょう。今はやや踊り場ですが、精度を高めたりユーザーによる活用を促すことによってさらに効果を高め、売上効率を高めていくのではないかと思われます。

※参考リンク(有料会員のみの記事ですのでご注意ください):


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