Google 広告(旧AdWords)動的検索広告をページフィードでコントロールする

Google広告(旧AdWords)動的検索広告をページフィードでコントロールする

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「ページフィード」の登場

 
2017年3月より、AdWords の動的検索広告で、データフィードで動的検索広告に使用するURLを指定する機能「ページフィード」が利用できるようになっています。
 
リンク(AdWords ヘルプ):


 
動的検索広告とは、キーワードではなく、インデックスされているウェブサイトの内容にもとづいて自動的に検索クエリとマッチングし、その検索クエリとURLに合わせて広告のヘッドラインが動的に生成される機能です。
 
2012年の一般公開以来、ページ量が多くすべてをキーワードで対応するのが難しい大規模サイトを中心に、動的検索広告は非常に重宝されてきました。ページの構成や記載が充実しているサイトや、ディレクトリ構造が整っているサイトでは比較的効果が出しやすかったですし、2016年には精度が大きく改善されたことや、広告グループレベルでも設定が可能になったことから、検索の重要な施策として利用されている広告主も多いのではないかと思います。
 
参考:


 
一方で、動的検索広告が、ターゲティングのみならず広告表現までも自動化するところに懸念を抱く広告主や広告代理店が多かったことや、成果を出すためにはウェブサイトの構造を把握して適切なルール設定が必要であったことから、その便利さとは裏腹に、これまでの普及のスピードは必ずしも早いとは言えませんでした。
 
 

ビジネスデータ経由で動的検索広告を管理

 
動的検索広告は、インデックスされているページのすべて、もしくは自動的にカテゴライズされたページ群や、広告の対象とするURLやページタイトルなどをルール化して「動的広告ターゲット」を設定する必要があります。そのため、厳密に管理したい広告主にとっては、ウェブサイトのディレクトリ構造やページタイトルの記述ルール等を整理する必要がありました。
 
2016年に行った下記の鼎談でも、アユダンテの寳さんと村山さんが
 

サイトを整えるという工程の後にPPCというマーケティング、実行していくプロセスがあるという位置付けで考えています。

 
とおっしゃっているのは、こういった事情が前提としてあるのではないかと思います。(言い換えれば、整理したあとであれば精度が格段に向上し、運用も半自動化されるため、メリットが大きいということになりますね)
 
参考:


 
そこで、管理機能を強化するために登場したのが、「ページフィード」です。
 
「ページフィード」を利用すると、フィードで指定した URL にもとづいて動的検索広告の生成ができるようになります。サイトの構造にかかわらず、URLのリストさえあれば、動的検索広告のターゲットを厳密に指定できる、ということですね。
 
「ページフィード」は、これまでの動的検索広告ターゲティング(ページタイトルや URL など)と併用が可能で、カスタムラベルを使って広告設定側で入札の変更なども可能になります。ですので、これから動的検索広告を開始するアカウントのみならず、既に利用しているアカウントでも活用ができるのではないかと思います。
 
 

ページフィードの設定方法

 
ページフィードの設定には、共有ライブラリの「ビジネスデータ」を使います。既に動的リマーケティングや広告カスタマイザを利用している方であれば、おなじみの場所ですね。
 

1)スプレッドシート(エクセル等)を作成


まずは、ビジネスデータにアップロードするファイルを作成します。必要な列は「Page URL」と「Custom label」の2つという非常にシンプルなフィードですが、スペルミス等で失敗しないように、テンプレートをダウンロードしてから作成するのが無難です。
 
※テンプレートは?こちら(クリックするとCSVファイルが指定されます)
  
「Page URL」とは、そのものズバリで動的検索ターゲットになるウェブページの URL です。各行に1つずつ設定する列です。トラッキング パラメータ等が追加された URL だとエラーになるようなのでお気をつけ下さい。(計測にはトラッキングテンプレートを使います)
 
「Custom label」は、広告側でターゲティングを指定するために必要なラベルです。各行に複数のラベルを入力することができるので、セミコロン(;)で区切って設定して下さい。
 

2)スプレッドシートをビジネスデータにアップロード


スプレッドシートが作成できたら、ビジネスデータにアップロードします。共有ライブラリ内の「ビジネスデータ」で、「+データ」 をクリックし、[ページフィード] を選択します。
 

 
その後、分かりやすいフィードの名前を設定し、作成したフィードファイルをアップロードします。
 

3)ページフィードを広告キャンペーンに追加


動的検索ターゲティングにページフィードを使う場合、キャンペーン単位での設定になります。
 
新規キャンペーンの場合は、動的検索広告キャンペーンをつくる際に、ターゲティングに使うソースを選択するように求められますので、ページフィードを指定して下さい。(ドメインを指定して、フィードとインデックスを併用することもできます)
 

 
既存のキャンペーンの場合は、キャンペーンの「設定」タブ内の中ほどに「動的検索広告」の項目があるので、ここで「編集」をクリックし、作成したページフィードを指定します。ここでも、上記の画像のように「自分のウェブサイトの Google インデックスと自分のページフィードの URL を両方使用する」を指定して、ページフィードとインデックスを併用することができます。
 

4)カスタムラベルを設定する


キャンペーンで動的広告ターゲットを設定したあと、最後にカスタムラベルを追加します。ページフィードを設定した動的検索広告キャンペーン内で、「自動ターゲット設定」タブ(ない場合はタブの右側から追加できます)をクリックし、「+動的広告ターゲット」からカスタムラベルを入力します。実績や目的に合わせて、ラベルごとの個別の入札単価を設定することが可能です。
 
 

ページフィードがもたらす変化

 
個人的には、ページフィード機能によって、SEOやウェブマスターの方が作成しているサイトマップが、広告側に適切にフィードバックできる機会がグッと増えたと思います。
 
現時点では、ページフィードは csv や xls などの区切りファイルをアップロードする仕様になっているため、更新頻度が高いサイトでは急な自動化はまだ難しいかもしれません。一方で、だからこそ、SEO と PPC のオフラインでのコミュニケーションが必要となり、これまで業務上は分断されがちだった両者の距離が縮まる可能性を秘めていると思います。
 
ページフィードをきっかけに、SEOとPPCがさらに寄り添っていく世界や、製作会社やクリエイター自身がマーケティングしやすくなる環境が整いつつあるのではないかと、淡い期待を抱いてしまいますね。スプレッドシートや xml などで指定できたり、サーチコンソールと連動できたりすると、ますます面白い展開になっていきそうです。今後の展開を見守っていきたいと思います!


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