Google アナリティクス 360 によるデータ統合と、AIがもたらすマーケティングの未来:イー・エージェンシーに聞く

Google アナリティクス 360 によるデータ統合と、AIがもたらすマーケティングの未来:イー・エージェンシーに聞く

アタラ BIツール導入コンサルティングサービス

AIのマーケティング活用はもう現実に

2017年は「深層学習」、「機械学習」という言葉を聞かない日はないほど、マーケティング・ICTの分野では人工知能(AI)が注目を浴びています。そして、Google や Facebook のような広告の巨人たちの機械学習への力の入れ具合からもわかるとおり、運用型広告の世界では、マーケターや広告運用者があたりまえのように AI を活用して日々の業務を行う世界がすぐそこまで来ているように思います。

一方で、機械学習の恩恵を最大限に受けるためには、統合された大量のデータが必要です。データが整っておらず、バラバラにある状態ではマーケティング利用どころか、現状把握も難しくなるでしょう。

そういった課題を解決するための代表的な手段として、Google アナリティクス があります。様々なデータを繋げ、分析とマーケティング活用を一気通貫に行うことが可能なこのアクセス解析ソリューションは、近い将来確実に訪れるであろう AI の活用が当たり前になる世界において、確実に屋台骨となりうるものではないかと思います。

 

今回の話し手:株式会社イー・エージェンシーの野口竜司さんと井上陽介さん

そこで、今回は Google アナリティクス 360 スイートの認定パートナー(GACP)であるイー・エージェンシーのキーマンである野口さん、井上さんのお二人に、Google アナリティクスを活用したマーケティングの未来についてお話を伺いました。

話し手:
株式会社イー・エージェンシー
取締役 野口竜司さん

アカウント戦略本部 アカウントプランニング2部
部長 井上陽介さん

聞き手:
アタラ合同会社 取締役CCO 岡田吉弘

※このインタビューは2017年10月に行われました。

 

すべてはデータの統合から

岡田:本日はお時間頂きありがとうございます。まずはお二人のご経歴と、現在のお仕事について教えて下さい。

野口:イー・エージェンシーの野口です。現在はデータ関連事業の統括として取締役をしています。加えて、ASEAN(インドネシア・タイ・マレーシア)に子会社と出資会社の案件も担当しており、日系企業のマレーシア支社でのデータ統合分析に携わったりしています。実は学生時代からイー・エージェンシーにおりまして、その頃からネットマーケティングに興味がありまして、ゲーム理論をシステムで再現するゼミに所属していたにも関わらず、自分だけマーケティングの実験を行っているような学生でした。例えば学園祭の時にイベント会場内に案内用の PC を複数台設置し、それぞれのモニターに種類の異なるバナーを表示させ、どのバナーが一番クリックされるかをテストしたりですとか。今で言う A/Bテストですね。当時面白がってやっていたことが、現在の仕事にも繋がっていると思います。

株式会社イー・エージェンシーの野口竜司さん

野口竜司さん

井上:イー・エージェンシーの井上です。私はアカウント戦略本部でセールスマネージメントを担当しています。当社にジョインして今年で10年目になりますが、振り返ると、当社に入社1年目で大手広告代理店の九州支社に出向した先で、(当時はまだ広告代理店にいらっしゃった)現売れるネット広告社の加藤公一レオさん(※1)と出会ったのが一つの転機だったかもしれません。当時は主に制作業務を担当していたのですが、彼に A/Bテスト から CRM の部分まで一気通貫してダイレクトマーケティングを叩き込んでいただき、いつの間にかメディアプランや広告効果測定なども行うようになっていました。4年弱在籍させていただいたこの経験を活かし、東京に戻ってきてからは主にデータ領域を担当しています。

株式会社イー・エージェンシーの井上陽介さん

井上陽介さん

※1:参考リンク

野口:我々の業務内容としては、Google アナリティクス 360 を中心としたデータ統合を行い、そこからデータ分析、ダッシュボード化して可視化、アトリビューション分析などを行っています。さらに機械学習システムにデータを供給したり、独自のAI予測モデル構築も行ったりしています。

イー・エージェンシーのGoogle アナリティクス 360

図:データ統合と機械学習活用

岡田:ありがとうございます。この図は、左から右へと仕事が上流へ移っていく様子を表現しているように見えますが、Google アナリティクス 360 を導入する企業が行う業務の段階を指しているという理解で合っていますか?

野口:いえ、必ずしもそうではなく、実際には機械学習を活用したい、アトリビューション分析をしっかりとやりたいといったニーズがあり、そのニーズを満たすためにはデータ統合が必要、といったようにこの図上をぐるぐると回るイメージで考えています。

岡田:なるほど、企業の目的に合わせてということですね。企業の目的がアトリビューション分析ならば、前提としてデータ統合がなされていないと分析ができない。データ統合ができていれば、さらに段階を上げてスマート自動入札やデータドリブンアトリビューション、他のものに繋げて機械学習も活用できると、そんなイメージでしょうか。

野口:はい、分断されているデータをどのようにしてひとつながりのものとして識別できるようにするか、がすべてのベースになるということです。データ統合ができれば、それはマーケターが分析するための基礎になり、Google のプロダクトにすでに内包されている機械学習においても有益なデータになりますし、独自のAI予測モデルを作るにしても必要なデータにもなります。データをつなぐことで、すべてに活用できるようになります。我々のスタンスとしては、お客様にはできるだけ長期にログを保持して頂くように推進しています。

アタラ合同会社の岡田吉弘

インタビュアー:岡田吉弘

 

「アトリビューション分析」の現在

岡田:とにかくまずはデータ統合ができていないと始まらないということですね。先ほどの図にあった 「アトリビューション分析」 という言葉は2010年頃からありますが、個人的な肌感覚として、今は当時よりもレベルが一段階も二段階も上がっているような気がしています。2017年の今に、“アトリビューション”というキーワードが改めて前景化してきているのは、やはり顧客企業からのニーズがあるからなのでしょうか。

野口:そうですね。アトリビューション分析をやりたいとおっしゃる広告主側の担当者さんが非常に増えてきていると感じています。それが
Google アナリティクス 360 を使いたい大きな理由の一つともなっているようです。私たちはアトリビューション分析という言葉を 「広告の評価、貢献度をできるだけ正しく評価する」 という意味で用いていますが、オフラインデータとオンラインデータを繋げて、オフラインにおけるオンラインの貢献度を見るといった貢献度分析の手法として捉えていますので、感触としては、レベルが上がったというよりも、以前よりも意味的に広がった状態でムーブメントが起こっているのではないかと考えています。

岡田:おっしゃるとおり、アトリビューション分析がトレンドとして登場してきた頃は、検索に押されまくっていた旧来のディスプレイ広告の復権が課題として立ち上がっていた時期と重なっていて、どこまでいっても広告の評価の域を出ませんでした。昨今は CRMデータ、オフラインデータなどのこれまで繋がっていなかったデータについても、ようやくアトリビューションの範囲として加えられるようになってきたのかなと思います。そういった雰囲気は、井上さんが営業されるなかでも感じられますか?

井上:はい、感じますね。加えて、Google アナリティクス 360 というエンタープライズツールを導入するお客様は、やはり自分たちで色々やりたいという方が多いです。広告領域のみならず、データを組織で活用していきたいという想いが非常に強くなってきているという印象を受けます。導入プロジェクトが一段落ついて実用段階に入った際に、キーワードとして浮かび上がってくるのは 「組織」 です。例えば組織内部用として、大きなモニターにリアルタイムレポートを反映させたダッシュボードを映し、その部門として数字に向き合えるようなシステムを作ったこともありますし、教育分野においてもツールの活用法やツール観点のトレーニングを全社的に活用するといった事例もあります。

岡田:企業側も 「なんとなくデータがあるからどうしよう」 から 「データを使ってこれがやりたい」 という具体的な目的へと変化してきているわけですね。こうしたニーズを満たすためにまずはデータ統合を進める上で、中心にあるのはやはり Google アナリティクス 360 ということですか?

井上:はい。ユーザーの行動データと紐づけるため、Google アナリティクス 360、具体的にはカスタムディメンションという箱にできるだけデータを入れることを推奨しています。その後データをBigQueryに渡し、そこで様々なデータと繋げます。ですので、Google アナリティクス 360 と BigQuery の両軸が中心にある感じでしょうか。

 

カスタムディメンションの重要性が高まる

岡田:カスタムディメンションの重要性について詳しく教えていただけますか?

野口:Google アナリティクス 360 の立ち位置は、データの集積場所、かつユーザーをセグメンテーションする場だと言えます。カスタムディメンションによって、ユーザーをセグメンテーションする際に様々な角度で切り口を作れるようになります。Google アナリティクス 360 ならば(無料版と違い)カスタムディメンションがたくさん使えるようになります。有料版と無料版の大きな差のひとつがカスタムディメンションということは、Google アナリティクス 360 ではカスタムディメンションを使いなさいというメッセージなのだと思います。

例えば、サードパーティデータをカスタムディメンションに入れることによって上場企業からの閲覧なのか、予測年収はどの程度の人なのかなどの情報をGoogle アナリティクス上で把握できるようになります。また、自社の会員システム等に存在するファーストパーティデータを使って、正確な情報をも入れることで、一人ひとりのユーザーさんの具体像を明確にしていくことができるようになり、顧客インサイト・理解を深める上で、必要不可欠な土台を作ることができるようになるのです。

井上:個人的には Google が自らは取得できないデータを入れることによって、どんどん有益なことができるようになると確信しています。そういった意味でも、カスタムディメンションは、今後どんどん重要性を増すと思います。

岡田:カスタムディメンションの切り方は入力するデータ、繋げるデータに依存すると思うのですが、それは最終的にはセグメンテーションに活用されることになるのでしょうか?

野口:はい。セグメントを作ることは大きな役割だと思います。単にターゲティングに足し算として使うだけでなく、 「このカテゴリは死に筋だよ」 といった引き算用のリスト作成にも使えます。

岡田:RFM分析的な使い方ですとか。

野口:広告のリアロケーションをする上で、このユーザーにはもうリターゲティングしない、といったことの判別にも使えると思いますし、コンバージョンが量的なものとしてだけでなく、質的にどうだったかを図る上でも有効だと思います。カスタムディメンションやカスタム指標を通じてそのユーザーさんの価値、質を加えるような構成が作れると、Googleプラットフォーム内だけでもある程度の質的判断が可能だと思います。

岡田:質的な判断は、例えば小売企業であれば eコマーストラッキング などをしていると ROAS で分析できる気がしますが、それができていない企業さんもたくさんいらっしゃいますよね。

野口:そうですね。企業様によってデータの活用度合いはまちまちだと思います。ライフタイムバリューを判断できるデータすべてを入れることはできないにしても、ある程度のランク付け、オフラインの行動データなど、その企業でしか持ちえないデータをしっかりと入れていく必要がありますね。統合データをどんどん入れていくことで、Google AdWords や DoubleClick 等では持ちえない評価軸で見ることができるようになります。

岡田:なるほど。そのように整理して頂くと、マーケティングにおける Google アナリティクスの役割が立体的に広がってくる感じがしますね。

野口:Google のマーケティング系のツールはどんどん広がっていて、現在の様々な役割においてゲームチェンジをされていると思います。その中でも Google アナリティクス は様々なところからデータを集積して、特にユーザー軸での必要な情報を渡していくハブのような役回りとしても、マーケティングの世界で名実ともに中心的存在にすでになっているのだと思います。

株式会社イー・エージェンシーの野口竜司さんと井上陽介さん、アタラ合同会社の岡田吉弘

 

分析の世界から、広告はどう見えているか

岡田:以前からお聞きしたいと思っていたことが、Google アナリティクスへ深く潜っているみなさんからは、広告の世界はどう見えているのか、ということです。御社では広告運用自体はされていないとお聞きしていますが、広告代理店や広告主企業と一緒に仕事をされることは多いですよね。

井上:我々の役割はいくつかありまして、その一つが広告の最適化と正しい評価をするための環境づくりです。もう一つは、Google の機械学習機能を使いこなす為のチャレンジというか、そういった見せ場にきているのではないかと考えています。分析の世界が広告の世界と近づいてきた感触があるのは、広告領域における各種データと機械学習のポジションが高まるにつれて、自然と私たちも引き寄せられていったという感じで捉えています。

岡田:数年前のアドテクノロジーブームが関連企業の買収や合従連衡というかたちで収束しつつある中で、その後の世界で Google やFacebook と伍する戦いをしようとすると、どうしても 「Duopoly 対 その他」 という対立構造で捉えがちです。でも、その環境の中でも生きる場所はたくさんあるわけですよね。マーケットの二極化は 「Walled Garden(壁に囲われた庭)」 などと揶揄される一方で、ユーザー企業からすればプラットフォームとしては開かれているわけですので、「開かれている便利なものはどんどん活用すればいい」 というのが個人的な考えなのですが、野口さんはどう思われますか?

野口:私も同じ意見で、例えば Google の機械学習における自動入札などもどんどん使えばいいと思っています。その使い切り方で成果も大きく変わってくるのが今の広告運用の世界だと思っていますし。

一方で、プリセットされた機械学習モデルだけですと、どの企業も最終的には横並びになっていくのではないかと想像しています。ファーストパーティデータを整備し、自社の事業構造に合った独自のAI予測モデルを作っていくというのも、広告の分野において必要になってくるのではないかと思います。それによる違いを出せれば、運用にスパイスを加えられるはずです。

統合データによる広告の最適化

図:統合データによる広告の最適化

岡田:おっしゃる通り、誰もが Google や Facebook のような大手プラットフォームの機械学習機能を使うのが当たり前になったあとの世界では、似たビジネスモデルのユーザー企業間は、どのようにそれぞれの違いを生み出していくかが課題となりそうですね。フル活用するという意味で違いを出すのか、各企業の独自性を Google の外側で見出していくのか。どのようになっていくんでしょうか?

野口: いわゆるフラグメンテーションの問題だけでなく、iOS の ITP(Intelligent Tracking Prevention ※2)の話も含めて、プラットフォームの更新や仕様変更によってデータの分断、ユーザーの分断はどうしても避けられそうにありませんので、とにかく企業側としては繋げることができるデータはできるだけ繋げる必要があると思います。その努力をもってしてもすべてのデータは繋がりませんので、ある程度は予測分析によって補完することになると考えます。

また、データの背骨をきちんと繋げておかないと予測分析をしようとしても的外れになる可能性が高いので、背骨となるデータをしっかり繋げた上で肉付けは機械学習により補完するという流れになる気がします。

※2:参考リンク

井上:このままですと、「これまでの広告はデバイスが限られていた中でシグナルデータやリターゲティングの恩恵を受けていたので、後から考えればとても良い時代だったね」 ということになりかねません。デジタル技術が一周回って逆流していくとすれば、やはりデータを繋げて予測モデルにきちんとした答えを出してもらえるようにすることが企業の進む道だと考えます。

 

AIからフィールドワークへ

岡田:技術的に逆流する、という表現は面白いですね。これまでのデジタル広告では 「枠から人へ」 という合言葉がありましたが、それがまた 「人から枠、つまり場所とタイミング」 へと揺り戻しがくる、ということでしょうか。それがいわゆる Micro-Moments なのかもしれませんが。ユーザーの特定が重要なことは理解しつつも、機械学習と予測モデルである程度補完され、今まで以上に 「瞬間」 の重要性と補足可能性が高まってくるということなのかなと思います。

例えば、「帰りに何か食べて帰ろう」 と考えた瞬間に近隣のグルメ情報に最短距離でたどり着く技術というのは、人だけをターゲットとしていては限界があるでしょうから、人と場と時間、様々なデータを混ぜていくことは必然ですよね。概念としては逆流でも、技術的には大幅に進化している、という感じなのかなと思いました。

野口:そう思います。そして、その結果として、シグナルデータから文脈を推定し、それぞれの文脈に則したクリエイティブを伝えられるかどうか、という勝負になるのではないかと思います。制限された技術ルールの中で、かつ機械学習が最適化してくれる中で、左脳的な作業は減っていき、大胆な仮説やクリエイティビティといった右脳的な部分が復刻してくるのではないかと思います。

井上:当社は 「おもてなしを科学する」 というキーワードをずっとサービスポリシーにしているのですが、科学分野はどんどん進化して一定量までは行くと思いますので、その後はソフトの部分、つまり科学とおもてなしの両方を通してサービスを血の通ったものにしていく活動を重視してきたいですね。

野口:そういう意味で、弊社が以前から取り組んでいるA/Bテストは、対象としてすぐれたテーマだと考えています。

身も蓋もないかもしれませんが、結局、AI というのはあくまで机上の空論であり、デスク上の予測でしかない、かつ充分なデータがないとワークしないのが私の持論です。それに対し、A/Bテストは人と触れあい、何が起こるか分からないけれどたくさんインプットし、どんな答えが返ってくるかという現場主義なものと捉えています。結局、AI の限界が来た次にはフィールドワーク、つまりA/Bテストを始めとしたマーケティング実験が盛り上がってくるのではないかと思っています。AIとフィールドワークとしてのマーケティング実験の両方を使いこなすことが横並びからの脱却法であり、大胆な仮説をイノベーションしていくことになるのではないかと思います。

株式会社イー・エージェンシーの野口竜司さんと井上陽介さん

 

人間は、ホームランを狙っていこう

岡田:ありがとうございます。最後に、今後は御社ではどのような仕事をしていきたいと考えていらっしゃいますか?

井上:Google アナリティクス 360 という製品、そしてお客様が我々を育ててくれているという思いを持ちながらも、デジタルマーケティング活動におけるモーメントをしっかりと捉え、そこに対して最適なおもてなしをしていきたいと思っています。そしてその結果が製品・レポートとして見えると思っています。それらを踏まえてどういった地図を描くかというのが、先ほど野口が申し上げた右脳の部分だと思います。物を売るのも使うのも人間なので、機械学習を補助的に使いつつもしっかりと人間が考えていかないと、と思っています。機械とは、対峙ではなく、共存を目指したいですね。

野口:世界共通のプラットフォーマーさんの進化が、私たちがお手伝いできることを増やしてくれているという感覚があります。それと同時に、プラットフォーマーさんが 「Amazing!」 と驚くような使い方を提案していくこともどんどんするべきだと考えています。

井上と同じく、補助的な部分は機械学習に委ね、人間はどんどんホームラン狙いで大振りをしていくべきだと思います。手段としてのAI やA/Bテストという意味で考えると、とんでもないデータを機械学習に食べさせてみて、学習させるというのも人間だからこそできる技です。A/Bテストに関しても、最近ではサーバーサイドA/Bテストもできるようになっており、大振りをしても大丈夫な保険装置の装着もできるようになってきたので、大胆な仮説を立証する環境は整いつつあります。100点満点中150点の成果を出すためには、1000点を目指す仕事も必要ですので。

もちろん、今ある機械学習の活用も 「もうやりきった!」 と言えるくらいまでやりきらないといけないと思っています。

岡田:Google 広告などにはベース技術として機械学習が使われているので、今後平均点はどんどん上がっていくと思います。学習の活用ができないとどんどん置いて行かれそうですね。そしてまずはデータの繋ぎこみができていないと、その土俵にすら立てなくなりそうだ、ということがお話をお伺いしてよく分かりました。

追加で質問ですが、会社として以外に、今後ご自身としては、どのように仕事をしていきたいと思っていらっしゃいますか?

野口:個人的には人のための可視化と機械のためのデータ構造化に注力したいです。人のための可視化とは、ダッシュボード化、つまり複雑な大きいデータを人間が理解できるようにすることで、そのためにはデータ統合やデータ整形、アレンジが必要です。同時に、そのデータは機械にとってもすごく食べやすい状態なので、そのまま機械学習に渡すことができます。この両方を見据えながらデータ統合と成型、データにおける仮説をどんどん立てていき、機械学習のモデルを量産したいですね。

井上:テクノロジーや製品そのもののレベルが上がり、機械学習をやった結果起こり得る事象、可視化して新たに浮き上がってきた課題、お客様が事業を推進するにあたり超えなければいけない壁を、営業という立場としてきちんと寄り添い、課題を解決していけるようになりたいです。お客様と我々、サービスの三角形が綺麗に形作れることが理想です。

岡田:ありがとうございました! 本日は貴重なお話がお伺いでき、とても楽しかったです。ぜひまた定期的にお話しさせて下さい!

株式会社イー・エージェンシー

株式会社イー・エージェンシーの野口竜司さんと井上陽介さん、アタラ合同会社の岡田吉弘

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