リスティング広告で勘に頼らない広告運用の方法

リスティング広告で勘に頼らない広告運用の方法

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ヘルプをしっかりと確認する

広告運用経験が長くなればなるほど、なんとなくで運用してしまいます。その結果、意外な落とし穴でつまずいてしまうことはよくあります。しかし、検索連動型広告にはルールがあり、そのルールに従うことで安定的な運用が可能になります。

ルールはヘルプに書かれているのですが、読まれていないことも多くしっかりと活用されていないと思います。

ルールと書くと、難しく思えるかもしれませんが、違います。例えば、下記のも検索連動型を掲載するためのルールです。

テキスト広告の構成要素と文字数
→これは、タイトルの文字数、説明文1行目の文字数などを規定している項目です。

ルール=Yahoo!広告、Google 広告に掲載している全てのアカウントに適応される決まりと考えて下さい。

今回は、よく知られているルールのひとつを使って、広告運用に役立つ活用方法をお伝えします。

 

ルールとは何なのか?(理論編)

実際の活用事例をお伝えする前に、一般的なルールについて説明しておきます。
実は、ルールは大きく2つの系統に分類されます。

下の図を見てください。

記憶系ルールと運用系ルール

運用型広告に置き換えると、下記のようになります。

・記憶系ルール:覚えるだけ。
例)広告文の文字数、タイトルに「!」は使用不可能。
→覚えているか、覚えていないか。

・運用系ルール:覚えて運用するもの。
例)広告ランク、課金クリック単価の算出式。
→数学の公式のようなもので、覚えていても活用しなければ意味がないもの。

そして、それぞれ「原則」と「例外」で構成されています。

記憶系ルールは、入稿できないなど困ることが多いので多くの人が覚えます。
確認する項目は、お気に入りに入れておき、探す手間を省きます。

一方、運用系ルールは、活用できていないことが多いです。
運用系ルールを活用した運用をすることで、なんとなく運用から脱却した安定的な運用が可能になります。

ヘルプを読む時に、記憶系ルールと運用系ルールを読むと、ヘルプの読み方が変わってきます。
是非、意識して読んでみてください。

では、よく知られている運用系ルールのひとつを使って、運用に役立つ具体例に入ります。

 

競合の広告ランクを知る(具体例編)

今回は、運用系ルールの代表的な「広告ランク」と「課金クリック単価」を使います。

下は架空のキーワードレポートのある一行の一部分を抜粋しています。
広告ランクと課金クリック単価
・広告ランク
=上限クリック単価 × 品質スコア

・平均クリック単価の計算式
=平均クリック単価=一つ下の順位の広告ランク÷自分の品質スコア+1円

どちらも有名なルールですので、知っている方も多いと思います。

では、この2つのルールを使って、他社の入札動向を知る手順をお伝えします。

まず、自分のキーワードの広告ランクを計算します。
上限クリック単価が100円、品質スコアが7なので、計算式は100×7=700。
広告ランクは700になります。
一旦、これはここで置いておきます。この計算結果は後で使います。

次に、平均クリック単価に注目します。

平均クリック単価は51円。この51円を平均クリック単価の計算式に入れます。
そこから一つしたの順位の広告ランクを算出します。

課金クリック単価=一つ下の順位の広告ランク÷自分の品質スコア+1円を変形し
一つ下の順位の広告ランク=(平均クリック単価 − 1円)× 品質スコアにします。

51円-1円=50円と平均クリック単価から1円を引きます。
その50円に対して、品質スコア7を掛け算します。50×7=350。
つまり、一つ下の順位の広告ランクは350と分かりました。

ここで、自分の広告ランクと一つ下の広告ランクを算出しました。

自分の広告ランク:700
一つ下の広告ランク:350

注目して頂きたい点は、自分の広告ランクと一つ下の広告ランクに350の差があることです。
理論上、自分の広告ランクは351でも掲載順位は変化しないことになりますので、大きな差があります。

このことは、気にしなくてもよいことだと思われるかもしれませんが、よくない状況です。

 

平均クリック単価が上昇する可能性

この広告ランクの差で、平均クリック単価が上がる可能性を示しています。
それは、一つ下の広告ランクが上がった場合です。

広告ランクは、上限クリック単価×品質スコアで構成されています。
上限クリック単価を強化するか、品質スコアが上昇しなければ変化しません。

例えば、ひとつしたの競合が、上限クリック単価を上げて、広告ランクを600になったとします。
その時の平均クリック単価を計算すると87円になります。
600 ÷ 7 + 1 = 87

つまり、51円だった平均クリック単価が、87円まで上昇してしまいます。
広告ランクに大きな乖離がある場合は、上限クリック単価を見直し広告ランクに大きな差がないように調整します。
広告ランクを確認することで、他社の入札影響を最小限にすることが可能です。

 

他社の上限クリック単価を探る

また、上限入札単価を下げていくことで競合の上限入札単価の目安もわかります。
品質スコアが同じだと考え、上限クリック単価を下げていきます。
Avg.Position(掲載順位)が変化した時点の上限クリック単価が競合が入札している入札価格だと仮定できます。
常に見かけている競合他社なら、品質スコアも変わらないと考え、Avg.Position(掲載順位)の上限クリック単価が判断できます。
何となく入札するのではなく、明確な意図をもった入札が可能となります。

 

まとめ

今回は、有名な2つの運用系ルールからキーワードレポートを読み解いてみました。
記憶系ルールは、入稿できないなど出稿に大きく関わる部分が多く、記憶している場合が多いですが
運用系ルールは、意外と活用していないことが多いのですが、明確な意図をもって運用を進めるためには重要です。
勘や何となくの運用から脱却するために、運用系ルールをしっかりと理解して、活用した運用で成果を出すことをお勧めします。

注:具体例は、理論上のお話なので実際には違う場合もあります。

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