Google 広告、2016冬のバーゲンシーズンはショッピング広告がテキスト広告を逆転。予算シフトはほぼ完了か

Google広告、2016冬のバーゲンシーズンはショッピング広告がテキスト広告を逆転。予算シフトはほぼ完了か

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PC経由の取扱い高でもショッピング広告が逆転

11月下旬から始まるEコマースのハイシーズンに向けて、Googleは毎年のように第三四半期(7−9月)にショッピング広告関連のアップデートを固めて出してきています。ただ、2016年に限っては前半までに大規模なリリースが相次いだせいか、例年に比べてリリースの数としては落ち着いていた印象です。

一方で、様々な方面から報告される数字を見てみると、これまで出してきた多くのアップデートが大きな果実となって実っていることが分かります。例えば、Kantar Media 傘下の Adgooroo は、2016年のバーゲンシーズンの序盤戦(ブラックフライデー〜サイバーマンデー)のフラッシュレポートで、以下のように発表しています。

リンク:From Black Friday to Cyber Week: Winter Holiday 2016 Ad Trends | Kantar Media

Examining top 2500 retail product keywords from Black Friday through Cyber Monday this year, search intelligence expert AdGooroo, a Kantar Media company, found a significant shift in spend from text ads to product listing ads compared to the same period in 2015.

Kantar Media 傘下の AdGooroo が2016年のブラックフライデー(11/25)〜サイバーマンデー(11/28)にあたる4日間の上位2,500の製品キーワードを調査したところ、前年の同時期と比較して、テキスト型検索連動型広告からショッピング広告へのかなり大幅な予算シフトがあったことが確認されました。

 

Advertisers sponsoring these keywords spent $8.9 million on U.S. Google desktop text ads over the Black Friday-Cyber Monday weekend in 2016 vs. $15.4 million on text ads over the same period in 2015, and $9.6 million on U.S. Google desktop product listing ads vs. just $2.9 million on product listing ads in 2015.

この4日間に上位2,500の製品キーワードでPC向けにテキスト検索連動型広告を出している広告主は、1年前の2015年には1540万ドル(約16億9000万円)の広告費を費やしていたのに対し、2016年では同期間で890万ドル(約9億8000万円)まで広告費が減少しています。PC向けのショッピング広告は、2015年の290万ドル(約3億2000万円)に対し、2016年には960万ドル(約10億5000万円)まで急上昇しています。

 

This shift may be due in part to changes this year in how Google displays ads, including dropping text ads on the right rail of search results pages while adding more product listing ad placements.

この急激な広告費シフトは、Googleの検索結果画面の右側のテキスト広告枠がなくなり、ショッピング広告枠(面積)が増加したことも要因の一つとなっていると考えられます。

毎年伸びていると言われる Google のショッピング広告(PLA)が、いよいよ通常のテキスト型の検索連動型を上回る状況になったことが分かりますね。

背景にあるパートナー配信の強化

アメリカのEコマース企業では、ノンブランド(社名やサービス名以外)の検索キーワードについては既に2014年頃からショッピング広告費がテキスト広告費を上回っているところが目立ってきていました。ですので、ショッピング広告の盛り上がりについては特に新しい話題ではないのですが、今回の AdGooroo のレポートが強烈なのは、ショッピング広告がテキスト広告を凌駕している状況が、これまで広告費の伸びを牽引してきたモバイルではなく、PC/デスクトップの配信でも同様になったことを明らかにしたことです。

背景には、記事にある右側広告枠の撤廃のほかに、Google検索結果以外の、パートナーサイト面での配信が強化されつつあることで、広告在庫が大きく伸びていることが挙げられます。

Merkleが四半期ごとに出しているデジタルマーケティングレポートによると、2016年第三四半期にはショッピング広告(PC)におけるパートナーサイトのクリックシェアは13%まで増加しています。

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Image: Merkle Digital Marketing Report 2016 Q3
2016年5月にはイメージ検索の結果にもショッピング広告が配信されるようになり、AdSense for Shopping の提携パートナーも増えていることから、広告枠(表示機会)自体は順調に増加しており、連動して予算シフトも起きていると言えます。

参考:グーグルのショッピング広告が正式に画像検索にも掲載開始。ローカル在庫広告の強化でオフラインとの接続も進むか。

オーガニック検索結果の変化によって、モバイルもシフトが進む

既にショッピング広告が成長を牽引しているモバイルデバイスでも変化が起きています。モバイルの検索結果では、ブランド名を含むコマーシャルクエリで画像つきのリンクとしてオーガニックが表示されるケースが増えており、既に製品検索ではオーガニックの結果の方が広告より情報量が多いという状態が普通になってきています。

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「サムソナイト リュック」でのモバイル検索結果

こうなると、通常のテキスト広告では予測CTRが上がらず、結果として広告ランクも上がりにくくなるため、相対的に高いCPCになるか、そもそもオークションとして広告ランクの閾値を満たさず、広告表示がされにくくなります。ショッピング広告であれば上部に配信される可能性が残りますが、そうでない限り、テキスト広告一本で勝負するのはモバイル検索ではかなり難しそうです。

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Image: Merkle Digital Marketing Report 2016 Q3

上記のグラフにもあるように、ショッピング広告の成長を牽引しているのは、明確にモバイルです。実際のトラフィックでも、既にモバイルがPCを大幅に上回っている企業がほとんどではないでしょうか。

そう考えると、製品購入におけるマイクロモーメントを捉える方法を考える際に、ショッピング広告を実施しない/できない場合、(少なくとも「広告」という手法では)打ち手が非常に限られてしまう状況にあることは間違いなく言えそうです。

結論としてはいつもどおりになってしまいますが、ショッピング広告は、Eコマースの集客において必須というよりむしろ最優先に近い手法になっています。商品データベースを管理できていて、有料の集客施策を行っている企業であれば、ぜひとも優先的に実施してほしい施策です!

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