アトリビューション分析でまず行うべきは、費用改善である

アトリビューション分析でまず行うべきは、費用改善である

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アトリビューション分析は、マーケティング施策の1つとして広く認知されている時代になったと感じています。

分析を実施する目的として、『今までラストクリックのみでの評価で各広告施策の予算を配分していたものを、アトリビューション分析によって各広告を正当に評価し、リアロケーション(予算再配分)を実行することで、同予算で広告効果を最大化すること』であることもまた、広く認知されているのではないかと思います。

以下は、Rocket Fuel が実施した調査を eMarketer.com がまとめたものですが、マーケティングの意思決定者にとっては、引き続きアトリビューション分析は重要であることが示されています。最近では、代理店のみならず事業主主導のアトリビューション事例も増えてきています。

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Source: Attribution Is Becoming More of a Priority for Marketers – eMarketer

効果的に分析するために

一方で、アトリビューション分析の現場では、様々な懸念も生まれているのは事実です。よく聞かれるのは、以下の2つです。

?「アトリビューションや分析って、どこから始めればいいのか分からない」
?「アトリビューション分析結果後、どうすれば効果的に分析できるのか分からない」

重要性は理解しているものの、アトリビューションのスタートラインで戸惑ってしまったり、コンバージョンパス(コンバージョンに至るまでの経路)をトラッキングできる環境まで行ったものの、その次の明確なアクションが導き出しにくいという声が多く聞かれます。

?のスタート方法については、非常によく聞かれる話題ですので、本メディアでもシリーズ形式で紹介している『Are you ready? attribution』を参考にしてもらえると嬉しいです。

?のデータトラッキング後のアクションについて懸念が出る理由として、分析から貢献度の高いメディアは導き出せたが、適切な予算投下量の試算が難しく、拡大できる見込みや実装に落とし込みにくい点が挙げられます。

当然、実装するためにシミュレーションしてある程度のインパクトは算出するのですが、その過程の中で現在配信している広告のポテンシャル(伸びしろ)とのバランスも加味しながら計算するので、実行までの判断に時間を要することも多いためです。また、評価が高いメディアは明確に分かっているものの、運用に落とし込む際に実際の実行プロセスを理解していないと、絵に描いた餅で頓挫してしまうこともあるでしょう。

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図1:アトリビューション分析の判断
 

はっきりしてるアクションはコストカット

さまざまな懸念はあれど、アトリビューションもPDCAサイクルが大事です。思い切ったリアロケーションをし、丁寧にPDCAサイクルを回すことでコンバージョン拡大への光がより見えやすくなることも多いため、筆者としてはアトリビューションが課題に挙がったらぜひとも実行まで辿り着いてほしいと思っています。

一方で、見えないポテンシャルに期待するのが難しいのもまた事実。そこで、筆者は拡大に向けてのアクションの前に効率的な改善アクションを優先順位を上げて実行することを推奨しています。

先ほどの図1はコンバージョン拡大をイメージしたチャートでしたが、以下の図2は、反対にラストコンバージョンも0で、貢献度も全くなかったチャネルをまとめた結果です。貢献度が低いにも関わらずコスト比率が高いようなチャネルは、分析していると必ず出てきます。

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図2:アトリビューション分析 -コストカット

コンバージョンは発生していないが他のコンバージョン経路にも登場している(≒貢献度のある)クリエイティブやキーワードというのは往々にして存在するため、アトリビューション分析の結果停止せずに継続判断することはあります。ただ、図2のように、アトリビューション分析の結果でも、他のコンバージョン経路への貢献が全くなかったことが判明するチャネルも同時に出てくることが多いです。この場合、対象の広告は仮になかったとしても全体のコンバージョンが大きく減少するリスクは殆どないため、大抵は停止することでCPAの改善・ROASの向上につながります。

そして、改善した結果できた余力を新しいところへ投資していきます。アトリビューション分析の結果から見えた拡大余地のあるメディアに投資するのでもいいですし、分析対象以外の新しいマーケティング施策への投資でもいいと思います。

いずれにせよ、まずは貢献度を分析して、コスト改善から始めると、おのずとアトリビューション分析から新しい投資機会が得られ、同予算内でのコンバージョン最大化に向けた前向きな活動につながっていくのではないかと思います。

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