インハウス化は変化に適応し続けられる体制を作ること

インハウス化は変化に適応し続けられる体制を作ること

アタラ 伴走型インハウス化支援サービス

インハウス化の節目

マーケティングのインハウス化は一つの節目を迎えつつあると思う、という話をしたい。

インハウス化の概念は歴史的には長いが、日本での浸透は進んでこなかったと言ってもいいと思う。私がネット広告に携わり始めたのは1990年後半。検索連動型広告が台頭して、業界が大きく変わり始めた頃から、内製志向でやってきた会社は日本でも数社だけだった。
海外の企業の多くが、インハウスチームでさまざまな戦略を立て、施策を自らスピーディに実行しているのを羨望の眼差しで見つつ、変わらない日本の現状に、半ば諦めつつもあった。
業界が抱えている構造的課題に関わる部分が多いこともあったのと、そしてとにかく日本の企業は変化を受容するのに時間がかかる文化体制がある。

それもあってか、漠然とした使命感を持って、今の会社を創業してからずっとインハウス化支援にはこだわってきた。案件数こそは少ないが、先行事例を作ることが重要と思い進めていった結果、少しずつだが事例も増えていった。

それから10数年、確実にインハウス化に取り組もうとする企業は増えた。インハウスというと「完全内製 vs 完全外部委託」という二者択一の選択をしないといけないと考える人も多いかもしれないが、そうではなく、企業個々のニーズに合ったそれぞれの取り組みがあると思うし、本質的には変化に適応し続ける体制をいかに作るかが重要なのである。

インハウス化の理由によく挙げられるのは、
①外部パートナーへのコストを下げたい、
②効果やフィーに対する透明性を確保したい、
③内部でノウハウを蓄積したい、

あたりだが、これらは昔から言われていたことで、それでも企業は動かなかった。今になって、何が突き動かしているのか、をあくまでも自説であるが考えてみた。

動き始めたインハウス化

①パンデミックがデジタル化を大きく推進し、マーケティングの立ち位置が変化し始めた

新型コロナウイルス感染症の拡大で、リアルな世界でビジネスをしてきた企業が、突然売上が何分の一に減るような緊急事態に陥り、変革を迫られた。

それがDXの背景で、ビジネスをトランスフォームし、これまでと違う収益源を確保することが求められたのだが、それを下支えするのがデジタルということ。言っておくがデジタル化=することがDXではないのだが、DXの前哨戦としての企業のデジタル化は大きく進んだ。DXは基本的には全社で取り組むものだが、マーケティングはその中核に据えられる。これまで残念ながら日本のマーケティングは経営課題の一つとして捉えられてこなかった。しかし、DXによってようやく重要な経営課題となる足がかりを得たのだ。ただ、社内でこの戦略を立案し実行していくチームの中で、マーケティングに従事している人が早急に必要になったというのは想像に難くない。

②人材不足などの課題を抱え、広告代理店のサービスレベルが企業のニーズにマッチしていない

企業が広告代理店に持つ不満でよく聞くのは「今のパートナーから積極的な提案がない」というものである。そもそもデジタル領域は活況で人材不足の中である。多くの会社が人手不足の中、起業する人も増え、フリーランス化にも拍車がかかっている。広告代理店も、いい人材を採用し維持するのは年々難しくなっている。

また、取れる施策は星の数ほどあり、一つ一つが複雑化している。これまでのよろず屋的なビジネスと旧来からのコミッション型の費用体系のバランスに限界がきている。広告代理店が企業に提供できるサービスレベルは当然落ちるので、インハウスに踏み切る企業が増えるきっかけの一つになっていると考える。

また、DXが進む世界の中で、広告代理店はより上流の経営戦略、事業戦略、DX戦略に踏み込む必要がある。一部の広告代理店はすでに取り組みを開始しているが、正直道半ばである。コンサルティングファームとも協業しつつ競合もしている。上流を担わないと今後の顧客のグリップ力に影響は出てくる。

人材不足問題、ビジネスモデル問題、ポジショニング問題、と広告代理店が抱える課題は大きい。

③データ環境の変化は企業経営の根幹を揺るがす

昨今のクッキー規制や個人情報保護法改正など、企業のプライバシーガバナンスに対する影響は、どういうデータをどのように持ち、それをどう使うかというレベルではなく、顧客理解、顧客接点の在り方を根本的に考え直す必要がある点にある。データ環境による影響で経営・事業戦略の振り幅が大きくなっていく中で、上流の戦略のみならず、それをノウハウとスピード感をもって支える実行力がますます内部に必要になる。

とはいいつつも、企業がすぐに変革を遂げられるわけではないし、前述の通り、オール・オア・ナッシングではないので、外部パートナーである広告代理店も企業がインハウスを推進する中で発揮できるバリューは大いにあるはずなのである。

結局、インハウス化の本質と考える「変化し続ける市場環境や顧客ニーズに応えていくための組織能力を持つこと」は企業のみならず、広告代理店も同様に取り組んでいくべき大きなテーマなのであり、インハウス化ニーズの高まりは、業界全体としての変革期が迫ってきていることを暗示していると思うのである。


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