Amazon広告(旧 AMS)の始め方:シリーズ:AMS運用最前線 第1回

Amazon広告(旧 AMS)運用の流れ、管理画面機能:シリーズ:AMS運用最前線 第2回

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Amazon Marketing Service(AMS)とは

Amazon Marketing Service(Amazon マーケティングサービス、以下AMS)という広告商品をご存知でしょうか?
AMS は Amazon に出品している商品の売上を拡大するためのクリック課金広告で、セルフサービス形式(AMSアカウントを持っているユーザーが自由に広告を出稿・管理できる)の運用型広告です。

 

 

日本でのサービスを2016年3月に開始されて以降、2017年頃から特に注目が高まっており、今最も注目すべき広告サービスと言っても過言ではありません。

 

Unyoo.jp では、AMSになぜ期待が集まっているのか、どのような広告サービスでありどう運用すべきなのかといった点をシリーズ形式で紐解いていければと考えております。今回はAMSを知らない方や運用したことがない方へ向けて概要と始め方を、次回以降は管理画面の見方や具体的な運用方法(入札、ターゲティングなど)、注意点についてなどを取り上げます。

 

AMS が注目されている理由

 

AMSがなぜ今こんなにも注目されているのか。それは Amazon の広告収入がここ1年ほどで大きく成長していることと費用対効果の高さによります。

 

近年では Google と Facebook が広告市場規模の大半を占める中、米 Amazon の広告収入が米Twitterを抜くなど成長著しく、2社のDuopoly(複占)に対する脅威と言われています。

 

参考:

 

もちろん比較的新しい広告サービスであるがゆえに現在は成長率が高いものの、まだまだ Google や Facebook の規模には及ばないとも見ることができます。

 

しかしながら、消費行動のまさにその瞬間を狙えるというタイミングの優位性、正確な住所や購入履歴といった情報の連続性と正確性、Prime Video や Amazon Music といった周辺サービスの利用状況など、他の企業では手に入れることが難しいデータを膨大に蓄積している点で将来性の高さが突出していると言えるでしょう。

 

費用対効果については他社の検索連動型広告、ディスプレイ広告と比較しても CVR や ROAS が平均して数倍~数十倍高い事例もあり、また広告経由で売上やレビュー数が増加することでオーガニックの検索結果でも有利になるなど全体効果の面でも無視できるものではありません。

 

Amazon には以前からディスプレイ広告を中心とする広告サービスがありましたが、AMS は AdWords や Facebook 広告と同様のセルフサービス型であるため利用障壁が低く、またキーワードや興味・関心によるターゲティング、入札単価の調整が可能と“運用”できる範囲が広いため状況に合わせて出稿計画を随時変更できる点が一線を画しています。

 

残念ながら管理画面はまだまだ痒いところに手が届く…とはいかないのですが、それもこの半年ほどで大幅に改善が進んでおり、将来的には既存の大手広告プラットフォームと遜色ない操作性になるのではないでしょうか(と、筆者も強く期待しております)。

 

AMSの種類

AMSには2018年2月現在、3つの広告商品があります。

 

検索結果の下などに表示され、広告をクリックすると商品詳細ページに遷移する「スポンサープロダクト広告」。

 

 

検索結果の上部、ヘッドラインに表示され広告をクリックすると専用のランディングページに遷移する「ヘッドライン検索広告」。

 

 

商品詳細ページなどに表示され、広告をクリックすると出稿商品の詳細ページに遷移する「商品ディスプレイ広告」。

 

 

それぞれに強みや特徴があるため、どれか一つを利用するのではなく組み合わせて出稿できると効果的です。

 


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スポンサープロダクト広告

キーワードターゲティングかつターゲティング方法を「自動(オート)」と「手動(マニュアル)」を選択することができます。

 

「自動」を選択した場合は個別のキーワード登録が不要で、商品詳細ページに記載した情報を元にキーワードが自動選定されます。Google AdWords の DSA(動的検索広告)をイメージいただければ分かりやすいでしょう。
このためまずは自動設定で開始し、キーワードレポートを参考にして手動設定のキャンペーンを作成、という流れをおすすめしています。

 

またクリエイティブは商品詳細ページの見出しや画像をそのまま使用するため、別途作成したり審査の必要がなく、非常にスピーディーに出稿することが可能です。

 

※このように商品詳細ページに記載した情報が非常に重要となるため、見出しは商品の特徴を簡潔に説明できているか? 画像は魅力的か? 情報は明確で不足がないか? といった点をよく注意する必要があります。

 

加えて検索結果に自然に表示される(ネイティブアドである)点や検索キーワードとの関連性の高さからROAS(広告費用対効果)が非常に高く、注力すべき広告商品です。AMSを初めて利用される方はスポンサープロダクト広告から開始することをおすすめします。

 

ヘッドライン検索広告

キーワードターゲティングで検索結果に表示される点ではスポンサープロダクト広告と同じですが、表示形態が異なり、複数商品が掲載されたバナーのような表示となります。
広告をクリックすると専用のランディングページかブランドストアに遷移するため、シリーズ商品やセット商品に適しています。

 

商品ディスプレイ広告

商品ディスプレイ広告は唯一キーワードターゲティングではなく、特定の商品、あるいは興味・関心によってターゲティングします。
特定の商品の関連商品(クロスセルやアップセル)、あるいは競合他社の商品を狙った出稿に適しています。
しかし直接的な購入には結びつきにくく、認知拡大を目的として利用することが推奨されるため売れ筋の商品、あるいは注力して知名度を上げたい商品に絞ることをおすすめします。

 

AMSの始め方

AMSは「Amazonに出品している商品」の売上を拡大するサービスであるため、前提として広告主(ブランド/メーカー/出版社)が Amazon に商品を出品している必要があります。

 

正確にはベンダーセントラル・e託販売サービス・ベンダーエクスプレスといった管理システムのアカウントを持っているか、取引会社コード(ベンダーコード)やメーカーコード、ブランドコードといった情報がある上で、広告用にAMSアカウントを作成します。広告代理店が代理アカウントを開設する際にも同様ですので、広告主の状況をよく確認しておくことをおすすめします。

 

またAMSアカウントの開設には状況によって複数ルートがあり、それぞれ手順が異なります。

 

自分は広告主(ブランド/メーカー/出版社)であり、ベンダーセントラル・e託販売サービス・ベンダーエクスプレスといった管理システムのアカウントを持っている

 

→該当管理システムのメニューより「Amazonに広告掲載」を選択することでAMSアカウントを作成する。(AMSアカウント開設にあたり審査はなし)

 

自分は広告主(ブランド/メーカー/出版社)だがベンダーセントラル・e託販売サービス・ベンダーエクスプレスといった管理システムのアカウントを持っていない

 

https://ams.amazon.co.jp/ のサイトから「利用開始」し、アクセス権をリクエスト。審査後、アカウントが開設される。

 


1.「利用開始」をクリック 

 

2.「その他」を選択し、「次のステップ」をクリック

 


3.Amazonアカウントにサインイン(アカウントを持っていない場合は「Amazonアカウントを作成」より新規作成)

 


4.各情報を入力、規約に同意し、「アクセス権をリクエスト」

 

自分は広告代理店や卸業者などAMSを代理運用する立場である

 

https://ams.amazon.co.jp/ のサイトから「利用開始」を選択し、代理申請している取引会社の情報(ベンダーコードやメーカーコード、ブランドコードを含む)を入力、アクセス権をリクエスト。(上記キャプチャ1~4と同ステップ)
通知メールに沿って確認・取引会社から承認された後、アカウント審査が行われ、完了後にアカウントが開設される。

 

なお、既にAMSアカウントを所有していて途中から広告代理店などに運用を委託する場合、既存のアカウントにユーザーを「招待」することも可能です。
どう運用していきたいのか、状況に応じてご判断ください。

 

今回はAMSの概要、始め方についてお話ししました。次回は管理画面の見方や具体的な運用方法(入札、ターゲティングなど)、そして注意点についてを取り上げますので、引き続きお付き合いいただけますと幸いです。

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