BIツールを使ったデータドリブンマーケティングに思うこと:Domopalooza 2017参加レポート

BIツールを使ったデータドリブンマーケティングに思うこと:Domopalooza 2017参加レポート

アタラ BIツール導入コンサルティングサービス
ビジネス最適化ソリューション「Domo」を提供する、Domo社が主催するカンファレンス「Domopalooza 2017」が現地時間の3月21日から24日の4日間にわたり、アメリカのユタ州、ソルトレイクシティで開催されました。

 

全体の雰囲気やキーノートの内容などは、MarkeZineさんがまとめておられるので、こちらを参照していただければと思います。

 

リンク:データで革命を起こすのは専門家でなく、1人ひとり 「Domopalooza 2017」開催

 

私はデジタルマーケティングを専門とする身として、Domoのようなソリューションが、マーケティング業界で、どのような人に使われ、どういった効果が出ているのかに興味があったため参加させていただきました。

 

これからのビジネスや企業のあり方などについて、いろいろ感じることの多かった充実した4日間でした。思うところを書き留めておきたいと思います。

 

データの断片化がさらに進み、企業は本当に困っている

ユーザー事例で登壇した小売大手のTargetやLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン傘下で、化粧品や香水を扱う専門店SephoraはDomoを活用し、データを一元化した上で、アクショナブル(アクションにつながる)なデータを経営からスタッフまでがほぼリアルタイムに手に入れることで、経営や現場の意思決定を劇的に変えた例でした。

 

ただ、これらの企業でも、ついこないだまでは多くの企業が直面するデータ環境に悩まされていたのです。CRM、売上、広告・マーケティング、人事、製造のデータなどなど、どれも部門ごとにデータを集め、Excel等で集計し、ミーティングなどディスカッションの場に持ち寄るまでに1週間など、時間をかけていました。さらには、持ち寄ったレポートは部門間でフォーマットなどが全て異なっていて、まずは前回のレポート時からどういった事象が起きたのかを特定するためのミーティングになってしまい、どういう施策を打つかというところまでいかないということが発生していたようです。

 

それがDomoのようなプラットフォームを導入した後は、場合によっては15分間隔で最新のデータが入ってくるので、Domoのスマホアプリでデータをドリルダウンして、外出先からすぐに指示を出すことができるようになったという事例も数多くありました。

 

ですが、多くの企業は、データをどうやったら効率的に集め、活用するかというところまでたどり着けておらず、ますます増えるデータソースにさらに頭を悩まされるという事態になっていると思います。悩むだけであればまだいいのですが、意思決定を迅速にできないがために、できる企業との差が拡大し、「ゆっくり死に向かっている」状態に陥るのかと思います。それほど実施企業が手に入れた「スピード感」は強烈な印象でした。

 

集約できたとしても不必要なデータに埋もれる危険をどう回避するか

Domoは一度データを取り込むことができると、さまざまなグラフなどのビジュアライズを「カード」という機能で作ることができます。データ活用のガバナンスがしっかりしていないと、あっという間にカードがたくさんできてしまいます。意味のあるものだけであればいいのですが、あまり意味のない(先ほどの「アクショナブル」ではない)データが増えてしまいます。

 

それを打開するために、導入企業が口を揃えて言っていたのは、カードはむしろ最小限に減らすこと、でした。部門をまたがった大事なミーティングには、それぞれ3つのカードまで持ち寄ってよい、というルールを施行している企業もいて興味深かったです。

 

そういったことを含め、データ環境を構築する上でのルール決め、責任者や担当者、委員会の制定、さらにはできあがったデータをどのように共有したり、ディスカッションに活用するかなどの文化を作ることが最も大事である点を、これも導入企業各社は述べていました。

 


写真)機械学習で自動的にさまざまな情報を通知や推奨をしてくれるアラートセンター

 

もう一つは機械学習が一旦を担うようになります。新たな機能として発表された「アラートセンター」(写真)は、Domoに蓄積されたデータ、Domo内のコミュニケーション等、見るべきレポート、フォローすべきカードやアラートなどを自動で推奨してくれます。毎時間、おびただしい量のデータがDomoのプラットフォーム上に蓄積されているわけなので、これを活かしてユーザーの意思決定を支援するというのは当然の流れだと思います。今後も機械学習には力を入れていく印象を持ちました。

 

とは言いつつも、最終的には人が判断を下すわけですが、導入がうまくいき、きちんと企業のビジネスプロセスが、こういったプラットフォームを中心に回り始めると、それを使う人やチームにさまざまな変化が起きるようで、データにそれまでになかった意識や文化のようなものが生まれるという点も興味深かったです。

 

広告主とエージェンシーの新しいコラボレーションの形

マーケティング関連の事例も多く、ソリューションもいくつか目にしました。広告・マーケティング関連のデータをすべてDomoに集約し、いわゆるコックピットのようにモニタリングし、分析もできる環境をもっているブランド企業はすでに存在していました。

 

情報コクピットの構想は、10年以上前に米国のHPの当時のマーケティング責任者の方が、講演で話されていたのが個人的には非常に印象深かったのですが、技術的な制約などもあったため、ようやく今、実現し始めているように思います。

 

このマーケティングダッシュボードは、ネット広告、マス施策、リサーチ、メール、CRM、などさまざまなデータを集約します。Domoが用意しているコネクターを使うケースもありますが、実際のところはあの手この手でデータを集めています。目標に対してどの程度進捗しているのか。キャンペーンの健康状態はいいのか、悪いのか。改善すべき点はどこにあるのか、をあらゆる角度のデータとビジュアリゼーションから突き止め、意思決定に役立てます。

 

 

Domo自身のマーケティングチームは完全にこの環境ができていて、それぞれの施策の最新データをいつでも手に入れることができます。それに加え、アトリビューション分析用のデータも取り込んで、Domo画面上で複数のモデルで分析できる環境も持っています。マーケティング責任者の方と話しましたが、施策の最新の状況をいつでも把握でき、次の打ち手を講じることができる環境だと思いました。また、CFOもよく見るマーケティング予算進捗のカードなどもあるようで(ソーシャルのいいね!のような機能があるので、誰がどのくらい見ているかわかる)、データに対する部門間の必要な壁がとっぱわれ、本来解決すべきビジネス課題に対し、すぐ、本質的な議論ができる、とのことでした。

 

同様の取り組みをしている導入企業(事業主、エージェンシー共に)は多く、数多くのパートナーがいるような大手企業の場合、Domoプラットフォームにエージェンシー各社をオンボードさせ、施策データを直接Domo経由で納品し、ダッシュボードも共有(公開範囲はそれぞれのパートナーに限定することができる)するという取り組みが行われていました。

 

今までになかった形でデータがビジネスに使われてはじめ、企業経営に大きな影響を与え始めている、と感じた4日間でした。ただ、データを活用してできることのまだ一部だと思います。データドリブンなマーケティングとは、どこまでのことを言うのか、プラットフォームはどの部分を担うのか、組織や人はどう対応していくべきなのか、来年のDomopaloozaで1年の変化をみつつ、見極めていければと思っています。

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