目次
- 1 Google Marketing Live 2025が開催!
- 2 主要テーマは引き続きAI、だが検索とYouTubeの強さも健在
- 3 Googleの広告プロダクトの方向性
- 4 検索の未来が広告にもたらすもの
- 5 「パワーペア」から「パワーパック」へ
- 6 P-MAX関連
- 7 AI Max for Search キャンペーン関連
- 8 デマンド ジェネレーション キャンペーンのGoogle マップ対応
- 9 検索広告の未来
- 10 動画とアプリの未来
- 10.1 クリエイター パートナーシップ ハブ
- 10.2 インサイトファインダー
- 10.3 YouTubeのマストヘッドがショッピング可能に
- 10.4 コネクテッドTVでのインタラクティブなショッピング体験
- 10.5 Peak Pointsフォーマット
- 10.6 デマンド・ジェネレーションの高速購入手続き機能
- 10.7 検索、画像検索、Google ショッピングの動画広告
- 10.8 動画の再フォーマットと拡張を簡単に
- 10.9 Webキャンペーンからアプリのインストールとコンバージョンを測定
- 10.10 Google 広告のWebとアプリの統合
- 10.11 iOSアプリキャンペーン向けtROAS入札
- 10.12 イベントデータを利用したデバイス上でのコンバージョン測定
- 11 クリエイティブの未来
- 12 効果測定とデータの未来
- 13 エージェント機能
- 14 今回の発表のコメント
Google Marketing Live 2025が開催!
2025年5月21日(米国時間)、Googleは同社の広告ならびにコマース関連プロダクト群に関する最新アップデートや、開発の方向性を発表するGoogle Marketing Live 2025(以下、GML2025)を開催しました。
※2024年のGoogle Marketing Live:
本記事では、日本時間5月22日午前1時よりライブストリーミング配信されたGML2025のメインセッションであるキーノートスピーチの発表内容に加え、その後、ブログやヘルプで発表された内容を統合した上でまとめています。ぜひご一読ください。
※参考リンク:
主要テーマは引き続きAI、だが検索とYouTubeの強さも健在
GoogleのSenior Vice President, Chief Business OfficerであるPhilipp Schindler氏によってキックオフされた本イベントは、今年もベイビューキャンパスでの開催・中継で、12回目の開催となるそうです。
冒頭からGemini 2.5、Imagen 4、Veo 3などのAIモデルの性能、NotebookLMやWaymo(自動運転自動車)などのアプリケーション、Google Deepmindが手がけるAlphaFoldによる医療領域への応用など、GoogleのAI分野における開発力をアピールしました。量子コンピューティングなどAIを支えるインフラ技術についての言及もあり、今後の計算能力の飛躍的な向上と、それに伴うAI応用の可能性が広がることが示唆されました。
ユーザーはオンライン上で、検索をしたり、ストリーミング動画を見たり、Webサイトやアプリをスクロールしたり、ショッピングをしたりと、絶えず行動を繰り返しています。そのような中で、従来のマーケティングファネルの概念はほぼ消滅し、ユーザーの行動を予測することがますます困難になっています。
この複雑な状況において、リアルタイムでユーザーにタッチし、最大限のリターンを実現する手助けをすること――それこそが、AIの真のパワーだと言います。
もちろん、このあと、キーノートセッション全編に渡ってAIで強化された広告プロダクトや機能についての発表が行われたわけですが、特にSchindler氏のパートでは、Googleの全事業の中核である検索とYouTubeがいかにマーケターにとって魅力的なプラットフォームであるかを改めて力説していた点が印象的でした。これは、昨今のAI検索エンジンとの激化する競争や、Googleが直面している反トラスト法訴訟に対する不安を払拭し、Googleの自社サービス群の強みをあらためて訴求することが目的だったのではないでしょうか。リサーチにもとづく興味深い数字も多く示されていたので主だったものを紹介します。
- 83%の人が毎日GoogleまたはYouTubeを活用。これは他のプラットフォームと比べても際立って高い数値
- 検索は年間5兆回行われており、今も成長を続けている
- Gen Z(うち18〜24歳)のログインユーザーは、他の年代よりも検索回数が多い
- Google レンズの検索数は前年から65%増。今年だけで1,000億回以上の検索が行われている
- Google レンズ検索の20%は購買意図あり
- 「かこって検索」は世界で2.5億台のAndroidデバイスに搭載され、若年層検索の10%を占める
- 現在、200以上の国と地域で月間15億人以上が利用
- 米国とインドではAI Overviewsの利用が時間とともに10%ずつ成長
- AI Overviews経由のクリックは、Webサイトでの滞在時間が長く、ユーザーの質が高い
- YouTubeは米国で最も視聴時間が長いストリーミングサービス
- テレビでのYouTube視聴は1日10億時間
- YouTube Shortsは月間20億人以上が利用しており、成長中
- YouTubeショートは直近四半期でエンゲージドビュー(積極的な視聴)が20%以上増加。
- Shortsユーザーの45%はTikTokに存在せず、65%はInstagramリールにも存在しない
- 米国のYouTubeユーザーの82%は信頼できるクリエーターがYouTubeにいると回答
- YouTubeでは毎日9,000万時間のショッピング関連動画が視聴されている
- Google上では毎日10億回以上のショッピング行動が行われている
- 86%の消費者のオンライン購買ジャーニーに、GoogleまたはYouTubeが介在
- 新しいブランド・商品との出会いの3回中2回はGoogleまたはYouTubeが関与
- ソーシャルメディアと併用される場合でも、65%のユーザーがGoogleまたはYouTubeを最初に利用
- 70%のユーザーが、ソーシャルメディアで見つけた商品の評価にGoogleを利用
Googleの広告プロダクトの方向性
昨年、Google広告部門のトップ(Vice President / General Manager, Ads)に就任したVidhya Srinivasan氏は、自身のセッションで「広告の未来はすでに始まっている」と述べ、現在Googleが提供する広告プロダクトがどのような価値を実現しているかを説明しました。
- ユーザーの体験を邪魔しない広告
- ユーザーとブランドを自然につなげる広告
- ユーザーにとって適切なタイミングで届けられる広告
- ユーザーに最適化されたクリエイティブによる広告
- 成果が測定可能な、パフォーマンスドリブンな広告
- ユーザーにインスピレーションを与える広告
その上で、Googleの方向性として、①シームレス、②インテリジェント、③ヒューマンタッチ、④プライバシーセーフ、⑤パフォーマンスを実現する広告プロダクトを開発・提供していると述べました。
検索の未来が広告にもたらすもの
Srinivasan氏はさらに、広告の未来が広告主にもたらす価値について言及し、現在Googleが開発を従来の2倍のスピードで強化している三つの重点領域を挙げました。
- AIによって強化されたユーザー発見:検索意図がはっきりしない場合でも、AIが文脈を理解し、適切な広告を通じてユーザーとブランドをつなげます。
- マルチモーダル理解の進化:テキストだけでなく、画像・動画・音声など様々な形式の情報をAIが横断的に理解。ユーザーが「何を知りたいか」だけでなく、「なぜそれを知りたいのか」といった深層の意図まで読み取る、次世代の検索体験を実現します。
- エージェントを活用したインテリジェントなアクション:AIエージェントがユーザーの検索行動に基づいて、たとえば商品購入のチェックアウトを支援するなど、検索からアクションまでをシームレスかつ賢く導きます。
また、Srinivasan氏はAI Overviews上に表示される広告の拡大と、AIモードにおける広告テストの開始を発表しました。Googleは、AIが広告パフォーマンスの向上、特に高いROI(投資対効果)を実現する鍵であることを強調しています。
具体的には、以下の三つの要素を組み合わせたAI主導の広告ソリューションが、業界でも最高水準のROIをもたらしていると述べました:
- 業界最高レベルのAI技術
- P-MAXに代表される自動最適化型広告ソリューション
- 検索・動画視聴・スクロール・ショッピングといった行動から抽出されるユーザー意図
さらに、Googleが実施したリサーチデータとして、以下のような成果も紹介されました:
- Google検索に1ドル投資すると、平均で6ドルのリターンが得られる
- YouTubeはテレビやソーシャル広告と比べて、長期的に高いROAS(広告費用対効果)を実現
- Google検索とYouTubeを組み合わせることで、他メディアと比べて21%高いROASを記録
以下、今回のイベントやヘルプ、ブログ上で発表されたプロダクトや機能について紹介します。なお、今回のイベントの前にすでに発表されているものや、前日のGoogle I/Oで発表された内容も含みます。
「パワーペア」から「パワーパック」へ
昨年、AIを活用した検索キャンペーンとP-MAXを組み合わせることで、Googleのチャネル全体で最強のコンバージョンとROIパフォーマンスを実現する施策の考え方として「パワーペア」が紹介されました。今年は、P-MAX キャンペーン、AI Max for Searchキャンペーン、デマンド ジェネレーション キャンペーンを組み合わせた「パワーパック」が、検索とYouTube全体で次のレベルのパフォーマンスを推進するエンジンであると紹介されました。
より多くの選択肢、コントロール、透明性を提供する新機能がいくつか紹介されました。
P-MAX関連
P-MAX関連では以下の発表がありました。
P-MAXチャネルパフォーマンスレポート
P-MAXキャンペーンがGoogleのあらゆるチャネルとインベントリでどのように成果を出しているかを把握するのに役立つレポートです。現在、グローバルでベータ展開中。
P-MAXの検索キーワードを見る
P-MAXキャンペーンで、検索キャンペーンやショッピング キャンペーンと同じレベルの検索レポートの粒度を得ることができるようになりました。グローバルで近日公開予定です。
P-MAXの新しいキャンペーンコントロール
ワンクリックで、自社ブランドを検索している人、自社YouTubeコンテンツをクリックした人、自社Webサイトを訪問した人、自社アプリを使用した人を簡単に除外できます。ベータ版は今年後半にリリース予定です。
AI Max for Search キャンペーン関連
AI Max for Search キャンペーンは、部分一致(インテントマッチ)やキーワードレステクノロジーにより、キーワードを拡張し、未開拓のパフォーマンスの高いクエリを見つけることができます。また、キャンペーンを最適化するための新しい実用的な洞察を得ることができます。ベータ版は近日公開予定です。
Smart Bidding Exploration
Smart Bidding Explorationをオンにすることで、広告グループ粒度でスマート自動入札を利用し、既存のリーチ内でさらにコンバージョンを獲得する実験的を後押しします。現在、グローバルでベータ版が使えます。
デマンド ジェネレーション キャンペーンのGoogle マップ対応
デマンド ジェネレーション キャンペーンで、Google マップのプロモート ピン機能を通じて、さまざまな企業や場所を閲覧しているユーザーにリーチすることが間もなく可能になります。
検索広告の未来
AI Overviews上の広告
AI Overviewsの広告が拡張され、AIを活用した結果に直接広告を表示できるようになります。一部の国では、デスクトップとモバイルで英語版を近日公開予定です。
AIモード上の広告
AIモードの結果の下に統合された新しい広告フォーマットをテストしています。複雑なトピックであっても、消費者に論理的で自然な次のアクションとして広告を提示することができます。米国では英語で利用可能です。
SEOガイドライン
Googleは、AIの時代になっても、SEOの核となる指針は変わらないとしており、AIを活用した検索体験を成功させるために、SEOガイドラインを提示しました。コンテンツ、Webサイト、構造を高品質で、アクセスしやすく、コンプライアンスに準拠したものにすることを推奨しています。
動画とアプリの未来
クリエイター パートナーシップ ハブ
Google 広告でクリエイターと連携するための新しいハブ、クリエイター パートナーシップから、YouTube クリエイターとのパートナーシップを直接管理できます。現在、20以上の地域で利用可能です。
インサイトファインダー
インサイトファインダーは特定のトピック、カテゴリ、または視聴者のトップやトレンドのクリエイターを発見し、YouTube のクリエイター コミュニティをより効果的に活性化するためのエンゲージメント指標やコンテンツの詳細情報を提供します。オーディエンスの興味関心を探り、検索傾向を明らかにしたり、YouTubeで何が人気で、何が特定のターゲット視聴者に最も共感されているかを読み解きます。またコネクテッドTVを含むデバイス別の視聴行動に関する重要な洞察を得ることができます。現在、20以上の地域で利用可能です。
YouTubeのマストヘッドがショッピング可能に
YouTubeのプレミアムマストヘッドで商品を紹介し、発見、Webサイトへのトラフィック、コンバージョンを促進します。この機能は現在、グローバルで利用可能です。
コネクテッドTVでのインタラクティブなショッピング体験
ショッパブルCTVは、コネクテッドTVのデマンド・ジェネレーション キャンペーンおよびP-MAX キャンペーンで利用可能です。QRコードを通じて視聴者の関心を引き、行動を起こさせます。これらはグローバルで利用可能で、数カ月以内に展開される予定です。
Peak Pointsフォーマット
Geminiが提供するこの新しい広告フォーマットでは、YouTubeの膨大な動画ライブラリに広告をシームレスに統合し、正確なタイミングで広告を掲載することができます。このフォーマットは現在、米国、英国、カナダ、オーストラリアで英語で利用可能です。
デマンド・ジェネレーションの高速購入手続き機能
YouTube インストリーム インベントリで配信されるデマンド ジェネレーション キャンペーンで顧客が販売者のWebサイトから直接、購入手続きを開始できます。YouTubeの買い物客を広告から直接チェックアウトまたはカートにリダイレクトし、買い物体験を迅速かつ簡単にします。この機能は、米国では英語で利用できます。
検索、画像検索、Google ショッピングの動画広告
P-MAX キャンペーンに高品質の動画アセットを追加することで、検索、画像検索、Google ショッピングなどで新しい動画広告による発見を促進します。この機能は、米国とカナダでまもなく展開されます。
動画の再フォーマットと拡張を簡単に
生成AIを活用し、動画をあらゆるアスペクト比に拡張することで、パフォーマンスを向上させます。生成AIが既存のシーンに基づいて動画を拡張し、不足しているアスペクト比に自動的にリサイズします。この機能はグローバルで利用可能です。
Webキャンペーンからアプリのインストールとコンバージョンを測定
Webキャンペーンからのアプリのインストールとコンバージョンをレポート、測定することができます。この機能はまもなくマーケターにも提供される予定です。
Google 広告のWebとアプリの統合
Google 広告の主要なワークフローでWebとアプリのコンバージョントラッキングと入札を統合し、Webとアプリのシームレスなカスタマージャーニーをさらに簡単に作成できるようになります。この機能は現在利用可能です。
iOSアプリキャンペーン向けtROAS入札
AIを活用したキャンペーンモデルの最新の改良により、iOSでtROAS入札がグローバルに利用できるようになりました。選択したアプリ内アクションを完了する可能性の高いユーザーをより収益性の高い方法で獲得し、広告費用に対する目標リターンを達成することができます。
イベントデータを利用したデバイス上でのコンバージョン測定
iOSアプリのキャンペーン最適化とレポーティングを改善するために、アプリのイベントデータを使用できるようになります。このソリューションは、ユーザーを特定する情報がユーザーのデバイスから公開されることなく、またGoogleを含む外部関係者に開示されることなく機能します。この機能は今後数週間でベータ版として展開される予定です。
クリエイティブの未来
アセットスタジオ
アセットスタジオを使用すれば、Google AI を使用して高品質のアセットとバリエーションをGoogle 広告の一つの配信先で作成できます。アセットを作成、生成、インポート、プレビューすることで、クリエイティブの作業全体を効率化できます。また、商品をフィーチャーした画像を生成できるようになるため、商品に動きをつけたり、リッチなライフスタイル画像を作成したりできます。この機能は、すでに広告とMerchant Centerで展開されており、アセットスタジオでもグローバルで利用可能になる予定です。
AIモードでのショッピング
新しいAIモードでのショッピング体験は、Geminiの機能とショッピンググラフを組み合わせることで、インスピレーションを得るためのブラウズ、商品探索・検討を支援します。AIモードは米国で近日公開予定です。
バーチャル試着
写真をアップロードするだけで、何十億ものアパレル商品をバーチャルで試着できるようになりました。米国のサーチラボで展開中です。
ブランドプロフィール
Google検索上のブランドプロフィールは、Merchant Centerでも管理できるようになりました。独自のストーリー、ビジュアル、商品をアピールして、買い物客とつながりましょう。ブランドプロフィールはグローバルで近日公開予定です。
コンテンツハブ
Merchant Centerの新しいコンテンツハブは、企業サイトやソーシャルチャネルから動画を合成し、キャンペーンを構築するためにAIを活用したおすすめの動画を提供します。これは、米国、カナダ、オーストラリア、英国でまもなく利用可能になります。
実用的な予測インサイトの提示
Merchant Centerにおいて成長機会を特定し、コンテンツの提案、割引の提案、A/Bテストを提示します。この機能は間もなく米国でも利用可能になります。
Product Studioの新しいAIツール
Generated for youはクリエイティブ生成機能で、コンテンツの機会を見つけ、ブランドイメージや動画を作成し、ワンクリックでGoogle全体にアセットを保存または公開することができます。現在、米国、英国、カナダ、インド、日本の対象ユーザーが利用できます。
効果測定とデータの未来
新規顧客獲得目標
デマンド・ジェネレーション キャンペーンにおいて、既存顧客ベースへのリーチとエンゲージメントを継続しつつ、新規顧客を獲得する新しい目標を追加します。グローバルで近日リリース予定です。
より簡単で迅速なインクリメンタル(増分効果)テスト
すべてのキャンペーンでGoogle メディアの増分効果を測定できるようになりました。
広告によってブランドへの関心や検討がどのように高まったかを把握
アトリビューテッドブランデッド検索(広告に触れた後に、ユーザーがそのブランドの特定キーワードで検索すること)に対応。動画広告を見た後に自社ブランドを検索したユーザーの数を定量化し、オーガニック検索やYouTubeでの活動に対する自社の広告の影響を測定します。この機能はまもなくグローバルで利用可能になります。
コマースメディア・スイート
Google のコマースメディア・ソリューションは、小売業者のファーストパーティデータと Google AI を活用し、売上増加と新規顧客獲得につなげます。このソリューションは、Google 広告、ディスプレイ&ビデオ 360、検索広告 360で利用できます。現在、限定ベータ版で利用可能です。
メリディアン・シナリオプランナー
次世代MMMであるメリディアンの新しいインタラクティブなメリディアン・シナリオプランナーを使用して、将来の投資をモデル化し、より効果的な費用配分を行うことで、メリディアンのインサイトを行動に移すことができます。
MMM Data Platform API
新しいMMM Data Platform APIを使うことで、Googleクエリボリューム(GQV)、YouTubeのリーチとフリークエンシーなどの様々なデータにアクセスすることができます。
Google アナリティクスにおけるマルチタッチアトリビューションの強化
インプレッションを含むマルチタッチアトリビューションが強化され、Googleやその他のプラットフォームにおけるマーケティング効果の全体像を把握できるようになり、ビュースルーコンバージョン(VTC)などの新しい指標が可能になります。グローバルで近日公開予定です。
Google アナリティクスでクロスチャネルのキャンペーン予算を管理
Google Analytics でクロスチャネルのキャンペーン予算を簡単に計画し、直接最適化できます。パフォーマンスを分析し、費用を調整し、メディア費用を追加投資することで、「目標収益の達成に向けて順調に進んでいるか」などの質問に、測定している場所で答えることができます。この機能は間もなくグローバルで利用可能になります。
データ・マネージャーの機能拡張
データ・マネージャーは、今年中に検索広告 360とキャンペーンマネージャー 360でも利用できるようになります。さらに、データパートナー、広告代理店、広告主向けのData Manager APIでは、Google広告製品全体でファーストパーティデータを接続できるようになりました。このAPIは間もなくグローバルで利用可能になります。
Google タグ ゲートウェイ
広告主向けの新しいGoogle タグ ゲートウェイを使用して、より正確な測定と深い顧客インサイトを得ることができ、ROI の向上につなげることができます。広告主様向けの Google タグ ゲートウェイを設定した広告主は、シグナルが11%増加しました。この機能は現在グローバルで利用可能です。
エージェント機能
Google 広告のエキスパート
Google 広告エキスパートは、エージェントによるガイダンスでキャンペーンデータやビジネスデータに基づいた最適化案を提示し、キャンペーン作成とパフォーマンス改善を実現します。また、包括的なパフォーマンス レポートを作成し、パフォーマンスに関する独自の知見を引き出し、広告に影響が及ぶ前に積極的に問題を特定して修正します。この機能はベータ版で利用できます。
Google アナリティクスのエキスパート
Google アナリティクスのエキスパートは、エージェントが複雑な質問に対する専門的な分析と戦略的な提案や、ビジュアライズされたデータを提供します。この機能はベータ版で利用できます。
マーケティングアドバイザー
マーケティングアドバイザーは、Chromeに組み込まれたエージェントで、ブラウザのコンテキストを理解し、シームレスな音声対話によって、Webサイトを横断して問題を解決し、ビジネス目標を達成するために必要な情報をステップバイステップで提供します。この機能は近日公開予定です。
今回の発表のコメント
今年も数多くの新機能が発表されました。AIの存在感は昨年から際立っていましたが、今年はさらに一歩進み、さまざまな場面で実際に活用されるようになっています。
特に、生成AIを用いた素材制作においては、クオリティが飛躍的に向上しており、その進化を強く感じさせました。実際、イベント内で披露されたVeo 3のみで制作された映像は、まるで映画を観ているかのようなリアリティを備えており、大きなインパクトを与えていました。
また、キャンペーン運用における壁打ち相手から、効果最大化のための改善提案、さらには実行までをAIエージェントが担う世界が、もはや「未来の構想」ではなく「すでに実現されている現実」であることを、Googleは明確に示しました。
こうしたメッセージを通じて、Google広告の進化と、その市場における揺るぎないポジションが、より強固なものとなった印象を受けました。
AI OverviewやAIモードにおける広告表示は、Googleの真骨頂である「ユーザー体験を最優先し、その後に広告を配置する」という原則を守りつつも、同時にこれまでの広告モデルを自ら揺るがしかねないリスクも孕んでいます。
果たして、屋台骨である検索ビジネスをGoogleは守り抜くことができるのか。その行方は、今後も注視する価値があると言えるでしょう。