データドリブンアトリビューションがもたらすGoogle AdWords(Google 広告)の効果改善

データドリブンアトリビューションがもたらすGoogle AdWords(Google広告)の効果改善

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複雑化するユーザーの行動

テクノロジーの進歩によりスマートフォンが普及してから、ユーザーのオンライン行動は劇的に変化しています。ウェブサイトで商品を購入する際などに、予約を完了したユーザーは、複数のデバイスやブラウザであらゆる広告に接触していると考えられます。ユーザーの購入経路が複雑化した結果、広告主は顧客の行動を断片的にしか把握することができなくなっています。

 

広告主はこのような変化に対応し、顧客と最適なコミュニケーションをとる必要があります。顧客の行動変化に寄り添い、一人ひとりにパーソナライズされたメッセージを届けて、顧客の期待値を上回る体験を提供する事が求められています。それはマーケティングだけではなく、Google AdWorsでも必要です。Googleは公式ブログで、複雑化するユーザーの行動を「線」で捉え、アトリビューション分析に基づいて最適化していく事が重要であると述べています。

 

Google AdWordsのアトリビューションモデル

現在多くの企業では、ラストクリックに貢献度を100%割り当てるモデルを使用していますが、コンバージョンの決め手になったのはラストクリックだけではなく、最初のクリックかもしれません。各タッチポイントでの貢献度を正確に図り、適切に貢献度を割り当てる必要があります。

 

それらを解決できるテクノロジーが「機械学習」であり、今回お話しする「データドリブンアトリビューション」です。Googleのデータドリブンアトリビューション(以下 DDA )では、ユーザーが商品を検索し、コンバージョンに至った過程に基づいて貢献度を割り当てます。

 

現在、Google AdWordsは6種類のアトリビューションモデルを備えています。

 

 

ラストクリック以外に、ファーストクリックや接点ベースなど1つのタッチポイントに貢献度を割り当てるモデルは以前から存在していました。しかしこれらのアトリビューションモデルは顧客の購入経路における複数の接触を考慮する事ができず、貢献度の配分には適切でないと言えます。DDAは、ユーザーが商品を検索し、コンバージョンに至った過程に基づいて貢献度を割り当てます。コンバージョンに対してどの広告、どのキーワード、どのキャンペーンが最も貢献したかを判断します。

 

仕組み

DDAは他のアトリビューションモデルとは異なり、参照可能なすべての経路データを使用し、アカウント全体のコンバージョン経路非コンバージョン経路を評価します。コンバージョンにつながりやすい経路を割り出し、マーケティング上の各タッチポイントがユーザーのコンバージョンの可能性にどう影響しているかを分析し、価値の高いクリックにより多くの貢献度を割り当て、広告の入札単価に適用する事もできます。掲載結果を分析する際には、コンバージョンに最も貢献した広告やキーワードも把握できるのではないでしょうか。DDAは以下を考慮します。

 

  • 各コンバージョン経路の接点の数
  • 接触の順序
  • 広告クリエイティブ
  • その他目標到達に効果的なキーワードやクリックなどの要素

 


※3/8 : リンク先に誤りがありましたので修正しました。

 

DDAのメリット

  • コンバージョン経路上のすべてのステップの価値を判断する
  • 自動単価設定で使用できる(他のアトリビューションモデルと同様)
  • 非常に短いコンバージョン経路でも使用できる
  • 導入が簡単

 

クロスデバイスでの計測も可能

DDAはクロスデバイスの計測も可能です。ラストクリックコンバージョンがデスクトップの場合でも、その前にモバイルがタッチポイントに介在していれば、モバイルのクリックにも貢献度が割り当てられます。モバイルの貢献度が可視化される事で、モバイルにどれだけ広告費を投下すればよいかが分かります。

 

 

DDAのデータ要件

各タッチポイントの貢献度を正確に割り出し、最適化するためには、一定量のデータが必要です。アカウントでDDAを利用するには、一般的な目安として、過去30日間に15,000回以上のクリックと、各コンバージョンアクションに600回以上のコンバージョンが必要となります。DDAを使用するのに十分なデータ(連続して30日分)が集まると、そのデータがGoogle AdWordsで表示されるようになります。対象となったアカウントはGoogle AdWordsの「アトリビューションモデリング」から確認する事ができます。

 

 

DDAを使い始めたとしても、アカウントの30日以内のクリックが10,000回未満、各コンバージョンアクションのコンバージョンが400回未満になると、このモデルは使用できなくなります。DDAを利用できない場合は、データ量の要件として、その他のアトリビューションモデルを利用できます。線形、減衰、接点ベースでのモデルでは、1回のコンバージョンをそこに至るまでの経路の各タッチポイントに分割するため、各キーワードの価値がより明確に理解できるようになります。

 

Google AdWordsにおけるアトリビューションの設定方法

実際にGoogle AdWordsにアトリビューションモデルを適用する方法は以下となります。

 

1.ビジネスに最適なモデルを適用する

 

[検索アトリビューション]から[経路]>[経路の数]を開きます。「コンバージョン当たりの広告クリック数(Path-length)」を確認し、この数値が1より大きい場合はラストクリックでの評価だけでは不十分と判断できます。そして、コンバージョン数のうち、Path-lengthが2以上のコンバージョンの比率は何%かも確認しましょう。

 

 

2.Google AdWordsのモデルを変更する

 

Google AdWordsの[コンバージョンアクション]から各コンバージョンアクションのアトリビューションモデルを変更します。

 

 

1. 重要な各コンバージョンアクションに対するアトリビューションモデルを選択する
2. [コンバージョン列に含める]にチェックをする(スマート自動入札に適用されます)
3. 適切なアトリビューションモデルを選択する(データドリブンを利用できない場合は他のモデルを選択)

 

ラストクリックモデルから別のアトリビューションモデルに変更した数日後や数週間後は、パフォーマンスが安定せず、コンバージョン数が一時的に減ってしまう事もあり得ます。理由として、ラストクリック以外のアトリビューションモデルは、コンバージョンに至るまでの所要時間が比較的長い傾向にあるためです。しかし、モデルを変更してパフォーマンスが低下してしまったからといって、やみくもに設定を変更すると、機械学習がうまく働かない場合があります。モデルの変更後、次第にデータは安定していくので、我慢も必要です。

 

まとめ|効果測定の単位が変化してきている

現在ではデバイスやユーザーの行動が多様化し、1人当たり7.0のCookieを持っていると言われており、本当の効果測定とは何かが見直されてきています。それらを解決するために、Facebook社は「人ベース」で計測・分析を可能にするアトリビューション分析ツールを推進したり、Googleアナリティクスも2018年に入って「ユーザー行動」に焦点を合わせた新機能を発表したりしています。

 

 

 

Googleの場合、複数のデバイスにまたがってログインしていなければ、同一ユーザーの行動を追跡するのは難しくなります。そのなかで、Google AdWordsは成果の貢献度を適切に配分するという観点から、複数のタッチポイントとデバイス間のコンバージョンをトラッキングできるDDAやその他アトリビューションモデルを推奨しています。

 

単一ユーザーの行動把握が難しくなってきたいま、ラストクリックモデルに依存している広告主や広告代理店の方々は、ユーザーの各タッチポイントの価値や貢献度を意識しながら広告を運用する事が求められています。

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