デジタルマーケティングにおいて、生成AIの活用が急速に広がっています。しかし「どこで生成AIを使うべきか」「どこに人が介入すべきか」を見極めなければ、オペレーションの効率化や成果創出にはつながりません。
本セミナーでは、シニアコンサルタントの星野と髙木が、デジタルマーケティングにおける生成AIの活用について、具体的な導入方法と実践的な活用事例を紹介。特に、企業がAIをどのように業務に組み込むべきかという点に焦点を当て、明日から実務に生かせるプロンプトなどをお伝えしました。
目次
デジタルマーケティングのインハウス化における業務フロー(星野)
星野からは、デジタルマーケティングの全体像を体系的に解説、生成AIの戦略的活用について包括的なインサイトを提供しました。
デジタルマーケティングの全体像
マーケティング活動の検討領域として、まず環境分析から始め、外部・内部環境の理解の重要性を強調。具体的には、STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)の明確化を通じて、どのようなターゲットにどのような価値を届けるべきかを詳細に説明しました。
特にデジタルマーケティングのプロセスについては、五つのステップに分けて解説。第一ステップの環境分析では、Web解析ツールの導入、競合市場調査、顧客インサイト分析を通じて、企業の現状を徹底的に理解することの重要性を説明しました。特にGoogle アナリティクス 4の適切な設定が、正確な数字把握につながると指摘しました。

生成AIの活用の現状、人間との役割分担は?
生成AIの活用については、総務省の調査データを引用し、日本企業における現状を分析。業務効率化への期待が高い一方で、ビジネス拡大への活用は限定的であることを明らかにしました。

参照元:情報通信白書令和7年版「生成AIの活用による効果・影響(国別)」
AIと人間の役割分担においては、明確な指針を示しました。AIが得意とする領域として、データ分析、パターン化、大量データ処理、レポーティング、チャネル横断的分析などを挙げました。一方、人間が担うべき領域として、ビジネス要件に基づく設計、KPI妥当性の判断、表現の一貫性確保、最終的な意思決定などを強調しました。

特に重要視したのがデータ基盤の整備です。「データがそろっていない状態ではAIも分析できない」と明言し、広告レポート、検索データ、アクセス解析データ、売上データなどの統合の必要性を説明。UTMパラメーター、URL結合、顧客IDでの結合など、具体的な統合手法も詳細に解説しました。

インハウス化の観点からは、急激な変更ではなく段階的なアプローチを推奨。ヘビーインハウス(自社完結型)、ミドルインハウス(パートナー併用型)、ライトインハウス(パートナー協業型)の三つのカテゴリーを示し、企業の状況に応じた柔軟な対応の重要性を強調しました。昨今、生成AIを活用することでデジタルマーケティング業務を効率化することも可能になりましたが、業務設計を行うのは人間であるように、人間が介在する重要性についても指摘しました。

インハウス運用におけるAI活用例(髙木)
髙木は、生成AIの具体的な活用シーンに焦点を当て、実践的な導入方法を詳細に解説しました。戦略・分析、クリエイティブ制作、運用最適化の三つの領域における具体的なAI活用方法を示しました。

戦略・分析におけるAI活用例
戦略・分析においては、市場調査、競合調査、セグメント候補作成、訴求アイデア出しにおけるAIの活用可能性を探りました。特に、既存顧客データを活用した未開拓リーチ層の特定方法を詳説。デモグラフィック、サイコグラフィック、購買行動などの多角的な分析を通じて、潜在的な顧客セグメントを見出す手法と、実際のプロンプトサンプルも紹介しました。

クリエイティブにおけるAI活用例
クリエイティブ制作では、キャッチコピーや画像生成におけるAIの具体的な活用方法を解説。プロンプトの重要性を強調し、効果的な入力方法や注意点を詳細に説明しました。画像生成においては、日本人モデル、具体的な利用シーン、商品やサービスに関連するアイテムなどの詳細な指示が重要であることを指摘しました。

広告運用・最適化におけるAI活用例〜P-MAXの場合~
広告運用の最適化では、Google 広告のP-MAXキャンペーンやAI最大化設定に深く踏み込みました。これらの機能が広告配信の効率化と最適化に貢献する可能性を示す一方で、盲目的な信頼は避けるべきだと警鐘を鳴らしました。

配信先の確認、クリエイティブの自動生成、最適化ポイント、コンバージョン設定などの観点から、AIによる広告運用の利点と潜在的なリスクを詳細に分析。直近の最適化のアルゴリズムの変化ではYouTubeへのインプレッション増加やエンゲージメントビューの増加など、意図しない結果をもたらす可能性があることを指摘しました。
今回のセミナーは、AIをマーケティングに活用する上での包括的かつ実践的な指針を提供し、テクノロジーの可能性と限界を明確に示す内容となりました。
今後もアタラでは、デジタルマーケティングにおけるAI活用といった最前線の情報を、具体的な事例と洞察を交えて解説するセミナーを随時開催予定です。セミナーなどのお知らせを掲載したメールレターを発行していますので、ぜひご登録ください。
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※本記事の内容、登壇者肩書きなどはセミナー実施時のものです