Microsoft 広告アカウントマネージャーに聞く PMAXのオークションにおける優先順位の変更など（2025年6月アップデート）

Microsoft 広告について掘り下げる連載「Microsoft 広告アカウントマネージャーに聞く」。第28回では2025年5月6日発表のアップデート内容をお伝えしました。第29回では2025年6月10日発表のアップデート内容をお伝えします。

※参考リンク：

about.ads.microsoft.com

New custom report builder and other product updates for June

https://about.ads.microsoft.com/en/blog/post/june-2025/new-custom-report-builder-and-other-product-updates-for-june

Monthly product roundup blog June

1 レポート機能が刷新され新しいカスタムレポート作成ツールが登場
2 Performance Max：オークションの優先順位ルールが変更に
3 インポート機能の改善：カルーセル広告の取り込みと修正提案
4 Shopify連携が強化：より多くの国で展開可能に
5 今回の発表についてのコメント（中里）

レポート機能が刷新され新しいカスタムレポート作成ツールが登場

まず今月の目玉アップデートとして、レポートの管理画面がリニューアルされたことが発表されました。

レポートのページがリニューアルされ、よく使うレポートやテンプレートに素早くアクセスできるようになりました。また、新しい「カスタムレポート作成ツール（Custom Report Builder）」では、自由に指標を選び、デバイス・オーディエンスなどで内訳を追加でき、保存・スケジューリングも可能になります。

このアップデートにより、より柔軟かつスピーディーにパフォーマンスを可視化し、分析に役立てることができるようになります。

パフォーマンス指標を把握するためのテンプレート一覧画面

引用元：New custom report builder and other product updates for June

都市ごとのキャンペーン成果（コンバージョン）を見る画面

引用元：New custom report builder and other product updates for June

Performance Max：オークションの優先順位ルールが変更に

Performance Max（PMAX）キャンペーンに関しても、アップデートがありました。

これまで、同一アカウント内で同じ商品を対象にした場合、PMAXがショッピングキャンペーンよりも自動的に優先表示されていましたが、5月から広告ランクが高い方が表示される仕組みになりました。

この変更によって、テストや最適化の柔軟性が高まり、より明確な運用設計が可能になります。

さらに、PMAXにおいては以下の機能追加も発表されました。

スクリプトや自動ルールへの対応
アセットグループのコピー＆ペースト
新規顧客獲得を目的とした目標設定（6月よりパイロット開始）
管理画面におけるコンバージョン診断タイルの追加

Microsoftの調査データによると、PMAXはショッピングキャンペーンのみの利用に比べてコンバージョン率が39%向上しているとのことです。

コンバージョントラッキングの問題がアラート表示された画面（注：タグの設定ミスにより、過去7日間の成果が計測できていない）

引用元：New custom report builder and other product updates for June

コンバージョン目標の状況を表示する設定画面。最近成果が出ていないことを知らせる通知と、原因解決のためのガイダンスが表示される

引用元：New custom report builder and other product updates for June

インポート機能の改善：カルーセル広告の取り込みと修正提案

Google 広告およびMeta広告のインポート機能も改良されています。

Google 広告やMeta広告のカルーセル広告の1枚目の画像を、Microsoft 広告のオーディエンス広告のネイティブ広告として取り込めるようになりました。さらに、6月以降、インポート時の問題に対して即時修正提案が表示される機能も提供開始予定です。

これらのアップデートより、Microsoft 広告での新規キャンペーン立ち上げがより簡単になり、プラットフォーム間の一貫性も確保しやすくなります。

Shopify連携が強化：より多くの国で展開可能に

ShopifyとMicrosoft 広告の連携も拡大され、既に提供されている米国・カナダに加えて以下の国々でMicrosoft Channelアプリを通じた出稿が可能となりました。

日本、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ、オーストラリア、イギリス

Shopify上にて数ステップでMicrosoft 広告アカウントと連携し、商品カタログを同期するだけで、MSNやBingのショッピングタブに掲載が可能になります。さらに、Shopify内から直接PMAXキャンペーンを作成できるようになり、広告配信から分析までの導線が強化されています。

今回の発表についてのコメント（中里）

全体として、今回のアップデートは「運用者目線に寄り添った改善」が随所に見られる内容だったと思います。

レポートの使いやすさ
PMAXの挙動制御
インポートの柔軟性
EC・中小企業への対応強化

このように、Microsoft 広告は単にGoogleの代替にとどまらず、独自の運用体験を提供するための基盤づくりを着実に進めています。今後も機能の深堀りと使いやすさの両立がどう進化していくのか、引き続き注目していきたいと思います。

次回のアップデートは2025年7月9日に発表予定とのことです。
Unyoo.jpでは、引き続きMicrosoft 広告のアップデートに注目してまいります。

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