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スマートニュースに聞く:低CPC×高LTVを実現する「専念視聴」型広告の強みとは

スマートニュースに聞く:低CPC×高LTVを実現する「専念視聴」型広告の強みとは

日本でナンバー1のユーザー数を誇るニュースアプリ「SmartNews」(※)。SmartNews上の広告サービスSmartNews Adsは、ニュースアプリならではの特性を生かし、高品質なリーチと高LTVを同時に実現しています。本記事では、スマートニュース株式会社の佐藤長太郎さん、菅野岳史さんに、SmartNews Adsの強み、成功事例、媒体特性を生かすクリエイティブ戦略などについて詳しく伺いました。

※出典: SmartNews Ads サービスサイト

こんな人におすすめ

  • SNS広告だけでは届かない層にリーチしたい
  • 限られた予算で高LTVのユーザーを獲得したい
  • 媒体特性を生かしたクリエイティブ最適化に関心がある

話し手
スマートニュース株式会社
広告戦略企画部 パフォーマンス領域企画
佐藤長太郎さん

広告代理店 第二事業部 第一営業課
エージェンシーセールス
菅野岳史さん

聞き手
アタラ株式会社
シニアコンサルタント
星野理人

スペシャリスト
田中華絵

利用頻度で国内ナンバーワンのニュースアプリ「SmartNews」

田中:まずはお二人の自己紹介をお願いいたします。

菅野:スマートニュース株式会社広告事業部の菅野です。スマートニュース株式会社の新卒1期生です。最初は大手総合代理店や主要企業を担当、2年目以降は主に大手デジタルエージェンシーや専業代理店を担当し、主要エージェンシーの売上全体に責任を持っています。専門性を生かして、エンタープライズセールスにあたる大手パートナーとの継続的な取り組みを進めています。

左:スマートニュース株式会社 菅野岳史さん 右:スマートニュース株式会社 佐藤長太郎さん

左:スマートニュース株式会社 菅野岳史さん 右:スマートニュース株式会社 佐藤長太郎さん

佐藤:同じく広告事業部の営業部門に所属している佐藤です。主にヘルス&ビューティー領域、具体的には健康食品や通販コスメといった広告主を担当しています。また、社内ではプロダクトスペシャリストも兼任しています。営業としての個別提案に加え、営業全体の戦略立案や方針策定、さらには現場や広告代理店から寄せられるボイス・オブ・カスタマー、つまり懸念点や改善要望などを開発部門と連携し、プロダクトの改善につなげていく役割も担っています。

デジタル広告のキャリアとしては現在2社目で、前職は主にD2C案件を扱う中小の広告代理店に在籍していました。営業、運用、クリエイティブまで何でも担当する、なんでも屋的な立ち位置でした。キャリアのスタートはライターだったので、営業の際は、プロダクトのスペックや推奨仕様に沿った提案をベースに、クリエイティブ面の具体的な改善案をお出しすることもよくあります。

星野:ライターやクリエイティブのご出身であることが、提案の強みになっているのですね。では、会社のご紹介もお願いします。

菅野:スマートニュース株式会社は「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」をミッションに、日本と米国でニュースアプリ「SmartNews」を展開しています。ニュースアプリのユーザー数としては日本でナンバーワンであり、日本最大のニュースアプリとなっています。

SmartNews

主に、機械学習と編成チームの知見を融合させた独自のテクノロジーを用いて、ユーザー一人一人の関心に合わせて、信頼性の高い情報を日々お届けすることを目指しています。また、1日の中で何度も訪れる「毎日の習慣アプリ」としてご支持いただいています。

SmartNews

高エンゲージメントと信頼性の高い環境が強みの「SmartNews Ads」とは

田中:SmartNews Adsの概要について教えてください。

菅野:SmartNews AdsはSmartNewsに広告を配信できるサービスで、広告主の広告マーケティング領域の課題解決を支援しています。

私たちの強みは大きく二つあります。一つは、アプリ内での高いユーザーエンゲージメント。もう一つは、媒体社との独自提携による信頼性の高いコンテンツ環境です。これらを生かしながら、ブランド広告では質の高いリーチを、ダイレクトパフォーマンス領域では成果に直結するパフォーマンスを提供できる体制を整えています。

広告のフォーマットとしては、記事と記事の間に自然に表示されるネイティブ広告の他、動画広告や位置情報を活用した配信、さらにユーザーの興味・関心に基づいた高度なターゲティングなど、多様な手法をご用意しています。これらは、SmartNews独自の機械学習アルゴリズムと連携し、ユーザー体験を損なわずに広告効果を最大化する点が特徴です。

SmartNews広告メニュー

出典:SmartNews Ads MEDIA GUIDE(2025.1)

直近では、ユーザーのエンゲージメントを高める取り組みとしてサンプリング広告のクーポンなどの新しいプロダクトも開発しています。これにより、ユーザーの購買行動に直接つながるようなマーケティング支援が可能になってきています。

また、セールス・マーケティング面では、広告主や広告代理店向けに、オンライン・オフライン双方でのセミナーやカンファレンスの開催を積極的に展開しています。総じて、SmartNewsでは「生活に寄り添う情報プラットフォーム」としての信頼を土台に、広告主にとっての価値ある広告効果の提供を目指しています。

能動的に集中して読む「専念視聴」メディアの強みとは

田中:他社のメディアプラットフォームとの違いや強みはどのような点にありますか。

菅野:大きく三つあります。一つ目は、「専念視聴」メディアとしてのポジションです。専念視聴とは、私たちが独自に定義しているもので、いわゆる“ながら見”ではなく、ユーザーが一つの画面に集中している状態を指します。

二つ目は、ソーシャルメディアなどとは異なる質の高いリーチが実現できる点です。SNSではどうしてもユーザーの集中が分散しがちですが、SmartNewsでは信頼性のあるコンテンツとともに広告が表示されるため、ブランドイメージを損なうことなく、高品質なリーチを確保できます。

三つ目は、ユーザーの興味・関心を反映したニュースや記事コンテンツと同じ文脈で、広告を届けられることです。国内外の多様なニュースとともに、良質なブランド体験を提供できるのも、大きな強みだと考えています。

田中:「専念視聴」について、もう少し詳しく教えていただけますか。

菅野:例えばSmartNewsは、特に朝の通勤時間帯などにアクティブユーザーが多く、さらに、ユーザーはスマートフォンの画面をじっくりと見ている傾向があります。テレビを見ながら、あるいは食事をしながらスマホを操作する“ながら利用”とは異なり、SmartNewsはスマホ1台に集中して使われる場面が多いのです。

このようにユーザーが他のメディアと並行していないタイミングで広告を目にしているため、広告の視認性や理解度が高く、結果的に広告効果にも良い影響を与えると考えています。

SmartNewsモーメント占有率

また、朝の通勤時間帯など、スマホに集中してニュースを読んでいる時間帯に広告をクリックして記事に遷移した際、その先の記事もしっかりと読み込んでくださるケースが多いんです。つまり、何となく広告を見て、何となく購入して終わり、というよりも、しっかりと情報を理解した上でコンバージョンに至っているといえます。

例えばEC商材などの場合、初回購入だけで終わってしまい、その後F2転換(サービス・商品の初回購入者が2回目の購入に至ること)しないケースも他メディアでは見られますが、SmartNewsではユーザーが内容を誤解せずに意思決定をしているため、“誤解コンバージョン”が相対的に少なく、結果としてLTVが高まりやすいのです。こうした点も、私たちが今、特に推しているポイントの一つです。

田中:なぜ専念視聴や、それに伴う効果が生まれてきているのでしょうか。

菅野:私たちのアプリは「ニュースアプリ」であることが、根本的な特徴として大きいと思っています。というのも、SmartNewsのUI/UXはテキストベースの情報を能動的に読み取ることが前提になっている、つまりユーザーが「自分で情報を取りに行く」設計なのですね。

そのため、動画中心の受動的なメディアとは異なり、SmartNewsのユーザーは情報に対して意欲的で、集中力も高い。これが結果的に、広告への接触姿勢やその後のコンバージョンの質にも良い影響を与えているのではないかと考えています。

広告代理店 第二事業部 第一営業課 エージェンシーセールス 菅野岳史さん

星野:SNSでもニュースは流れてきますが、ユーザーの注意は常に分散していて、情報を「読む」というより「流れてきたものを見る」という印象が強い。一方でSmartNewsは、ユーザーが能動的に情報に向き合っている。これは大きな違いだと思います。さらに、SmartNewsに掲載されるニュースは、国内外の信頼性の高いソースから提供されたものであり、きちんと監査・精査されたコンテンツです。だからこそ、そこに出てくる広告も「信頼できるもの」として受け取られる。いわゆるブランドセーフティやビューアビリティへの対応という面でも、企業にとって安心して出稿できる環境が整っているのではないでしょうか。

菅野:まさにそのとおりだと考えています。

健康食品からアパレル、食品ギフトまで。相性の良い商材・業界は

田中:SmartNews Adsと相性の良い商材や業界について教えてください。個人的には、健康食品やアパレルが多い印象があります。

佐藤:配信規模や構成比の面で最も多いのは、健康食品や通販コスメの領域です。最近では、そこから派生した医薬品カテゴリーも増えており、弊社の売上構成の中でも大きなウェイトを占める、主要ジャンルの一つになっています。

また、広告主の業種やTAM(Total Available Marketの略。ある製品やサービスが理論上で獲得できる最大の市場規模)によっても左右されますが、リード単価の高い商材とも相性が良いです。例えば金融・ファイナンス、人材、不動産といったリード獲得型の業界からの評価が高く、中長期での継続出稿をいただくケースも多くあります。

ご指摘いただいたアパレルについても、まさに最近トレンドになってきており、先月あたりからは日々の配信規模でトップクラスのアカウントも出てきています。特に女性ユーザーに対してはアパレル広告が出やすい傾向にありますね。

広告パフォーマンスの観点で言うと、食品系の商材も非常に好調です。具体的には、小規模な酒造メーカーのお酒や、年末年始のギフトシーズンに展開される高級な肉やおせち料理など。単発のスポット案件が多いものの、成果面での評価が非常に高く、SmartNewsとの相性が良い領域だと考えています。

CPCが低く少額予算でも成果を狙うことができる

田中:広告配信の規模について伺いたいのですが、ミニマムの予算感はどの程度でしょうか。

佐藤:基本的に運用型広告については、最低出稿金額のような明確な下限は設けていません。一方、予約型広告にはメニューごとに最低金額が設定されています。

とはいえ、地場の小規模ブランドや、初めて広告出稿をされる広告主・広告代理店でも、比較的導入しやすい媒体です。実際に3万~10万円程度の少額予算で、自社サイトへの集客から始められるケースも多く、そこから好調な事例につながることもあります。導入ハードルの低さは、SmartNews Adsの大きな特長です。

特にインハウス運用の広告主が多いロングテール型の営業領域では、1社あたりの出稿額の中央値は10万円程度です。とても扱いやすい金額感かと思います。

また、CPC(クリック単価)のフロアプライスが非常に安いことも特長です。クリック数の最大化が目的であれば、高くても10円、平均すると3~6円程度で推移している案件も多数あります。在庫状況や時期によって変動はありますが、こうしたパフォーマンスに期待を寄せている広告主も多いです。

星野:フロアプライスはどうしてそんなに安いのでしょうか。

アタラ株式会社 星野

佐藤:要因は大きく二つあると考えています。一つは、短期的な背景として、2024年からNTTドコモと提携し、ドコモユーザー向けのニュースアプリ「SmartNews for docomo」を開始し、大規模なユーザー拡大施策を展開したことです。アクティブユーザー数が増加し、結果として広告在庫の総量が大幅に拡大しました。

例えば以前、通販コスメなどは1クリックあたり60円前後と、弊社の中では比較的高単価で推移していたのですが、現在は日によっては半額以下になることもあります。これは、在庫増加とSFD(SmartNews for docomo)による新規ユーザー流入の影響が大きいと見ています。

もう一つは、プロダクトの設計そのものです。SmartNews Adsの運用型では、自動入札かつCPC課金が基本となっており、理論上、最低入札価格は1円から設定可能です。ですので、配信がオークションで成立する限り、高い単価を支払わずとも広告が出せる仕様になっています。

広告クリエイティブの訴求力や遷移先の設計などを工夫していただければ、無理に高額な単価で配信することなく、十分に成果が出せる媒体です。ユーザー理解やクリエイティブの最適化によって、より効果的にご活用いただけると思います。

事例1 さくらフォレスト社:高LTVとともにクリエイティブ検証で高CTRを実現

田中:成功事例や活用のポイントがあれば教えてください。

佐藤:1社目はさくらフォレスト株式会社さまです。九州に本社を構える健康食品系のD2C企業で、医薬品や通販コスメなど幅広い商材を展開されています。直近数年でSmartNews Adsの中でも特に配信規模を拡大していただいている主要広告主の一社です。

その背景としては、何よりも獲得ユーザーの質が高いという点が大きかったようです。導入から1年ほど経ったタイミングで、他媒体とのLTVの比較をお願いしたところ、SmartNews経由のユーザーは、他の国内主要媒体と比べて約4000~5000円もLTVが高いという結果が出ました。この結果を受けて、継続的な出稿を決定されたという経緯があります。

また、さくらフォレストさまはコールセンターも内製されているのですが、そのご担当者から「SmartNews経由のお客さまは商材をよく理解されていて、具体的な質問をしてくる」とのお声をいただいています。クレームではなく、内容に基づいた確認が多く、商品理解の深さがうかがえると。しっかり商材の魅力が伝わっていると思いました。

田中:媒体としての相性に加えて、運用上の工夫もポイントなのでしょうか。

アタラ株式会社 田中

佐藤:はい。大きく2点あります。

一つ目は、クリエイティブやLPの設計において、SmartNews特有のフィード面の仕様を意識していただいたことです。他媒体で成果が出た画像やテキストをそのまま使うと、見え方の違いから効果が出にくくなるケースが少なくありません。実際、7割ほどの広告主が「他ではうまくいったけど、ここでは微妙だった」と感じられることもあります。

逆に言えば、SmartNewsのUIを理解し、ユーザーが能動的に情報を摂取する環境に合わせたクリエイティブを作るだけで、広告の成果が大きく変わります。さくらフォレストさまも、クリエイティブ検証を丁寧に重ねていただいており、CTRも非常に高い。SmartNews全体の健康食品ジャンルでは平均CTRが1.0~1.2%ほどですが、さくらフォレストさまの案件では平均して2%近い数値を維持されています。媒体特性を理解し、地道に向き合っていただければ、成果はしっかりついてくると思っています。

星野:以前は「CPAをいかに下げるか」という観点でビッディング・ターゲティング・クリエイティブといったコントールできる要素のうち、ビッディングやターゲティングによる最適化の余地も多分に残されていました。近年、自動化が進んだことによりこの2つの要素だけではCPAを半分や3分の1に下げるのは難しくなっています。クリエイティブの重要度がより一層高まったことに加え、今後はリード獲得単価を見つつも、リード獲得後、つまりお問い合わせ以降のフェーズも含め、LTVをいかに高めるかが重要視されるのではないでしょうか。その意味で「他媒体との比較で優位性がある」点は非常に魅力的だと思いました。

佐藤:ありがとうございます。確かに、多くのお客さまがまずCPAで成果を確認されますが、私どもの別事例では、他媒体と比べてKPI達成コストが25%以上安価に抑えられたケースもあります。つまり、LTVだけでなくCPAの観点でも悪い評価をいただくことはほとんどありません。

ただし、SmartNewsに特化したバナーの研究が必要になるため、初動の立ち上げ時には多少リソースを割いていただくことになります。その分、成果につながる確率も高まりますので、重要な投資だと考えています。

星野:つまり、運用の成否を分けるレバーは今やクリエイティブの最適化にあり、そこをどれだけ研究できるかが鍵になるということですね。

佐藤:そのとおりです。

スマートニュース株式会社 広告戦略企画部 パフォーマンス領域企画 佐藤長太郎さん

事例2 柏屋:SNS以外の経路でユーザーにアプローチ、CTR平均5%を実現

星野:他にも成功事例をご紹介いただけますか。

佐藤:こちらはパフォーマンス面でポジティブな成果をいただいた事例です。柏屋さまは福島を拠点とす老舗お菓子メーカーです。日本三大饅頭の一つ「薄皮饅頭」を江戸時代に考案し、地域では高い知名度があります。しかし「柏屋=薄皮饅頭」のイメージが強く、薄皮饅頭以外の商品の存在が十分に浸透していないという課題がありました。

そこで、SNS以外の経路でネットに触れるユーザー層にもアプローチしようと、今回SmartNews Adsをご活用いただきました。特にローカルエリアでは、若い方でもSNSだけを使っているとは限らないため、SmartNewsが有効と判断されたのです。

実際の運用では、柏屋さまご自身がSmartNews内でのバナー表示のされ方やフィードバックを研究してくださり、初動から平均CTRが5%近くという、弊社平均を大きく上回る非常に高い数値を記録しました。広告が「良質な情報」としてユーザーに受け入れられた好例だと思います。

株式会社柏屋 事例

今回のキャンペーンはサイト誘導が目的でしたが、CPCは平均で約6円。他媒体と比較して約25%低い水準で、かつ高いエンゲージメントを実現できました。柏屋さまからも、サイト誘導施策として非常に成功だったと評価していただいています。

SmartNewsならではのクリエイティブ戦略とは

田中:今回の事例を見て、改めてクリエイティブを研究して、媒体に最適化するだけで、これだけ結果が変わるのかと実感しました。

佐藤:おっしゃるとおりです。媒体ごとに特化することで、それぞれの利用者層に適した訴求が可能になります。SmartNewsでは、テキスト広告ならできるだけ情報量を多く、バナーなら画像が小さい分、よりアイキャッチ性を重視し、一瞬で魅力が伝わるようなクリエイティブが効果的です。初動からの反応が良くなり、結果的に商材理解の深いユーザーを獲得しやすくなります。

田中:私のアプリでは、画像にテキストを入れた広告をあまり見かけません。例えばテキストで「何%オフ」と大きく書くよりも、きれいに写っている商品写真だけのほうが成果は出やすいのでしょうか。

佐藤:静止画については、ほぼ「イエス」です。理由は二つあります。一つは単純に画像の表示サイズが小さく、テキストを入れても見えづらいこと。むしろ、中央に大きくワンポイントを配置するほうがアイキャッチ効果が高くなります。

もう一つは、やはりSmartNewsはニュースアプリなので、広告画像が上下のニュース記事サムネイルと並ぶと比較されやすいのですよね。政治にしろ生活やコラム系の記事にしろ、記事のサムネイルはタレントの顔や料理の写真などシンプルな構図が多く、それに近いほうがユーザー体験に自然になじみ、かえって反応率が高まる傾向があります。

星野:広告感をなくし、自然に溶け込ませるということですね。

佐藤:そのとおりです。

星野:媒体特性として、SmartNewsの利用者は首都圏のみならず日本全国で多いのでしょうか。

佐藤:年代や地域の分布は、人口動態とほぼ同じ比率です。SmartNewsは提携メディア数が国内で圧倒的に多く、ローカルメディアも含め3000以上と提携しています。そのため、旅行や出張先では、その地域に特化したニュースや観光情報が上位に表示されます。都市部のニュースだけでなく、地域特化の情報収集にも利用されており、各エリアのユーザーからの利用も非常に多いです。

星野:SmartNewsと他媒体のユーザーの重複率についてはいかがでしょうか。

佐藤:定量データでも、SmartNewsユーザーの約4割はSNSを高頻度では利用していないという調査結果が出ています。つまり、SNS広告だけではリーチできない層にアプローチできるということです。その意味でも、SNSと組み合わせたメディアプランに組み込む価値が十分にあります。

星野:CPCが安価で、地理的な偏りもなく、SNSと重複しないユーザーにも届くとなると、SmartNewsを活用する強い根拠になりそうですね。

顧客の声を起点としたアップデートを強化。中小規模の広告主にも魅力的な新機能も

田中:今後の取り組みや新たな機能拡張について教えてください。

佐藤:アップデートと全体方針を2点お伝えします。まずアップデートとしては「地点半径ターゲティング」があります。これは特定地点から最小500m、最大50kmまでの範囲を設定し、その地域に生活拠点を持つと推測されるユーザー、または訪問したユーザーに広告配信できる機能です。自社の商圏や特定地域で配信をされたい中小広告主にとってかなり魅力的なものになっています。来店促進からECまで幅広い目的に活用できます。

さらに、2025年7月にセルフサーブ型広告もローンチしました。従来はGoogle フォームでの申し込みや請求書払いが必要で、与信管理もあって利用のハードルが高かったのですが、これをオンライン完結・クレジットカード払いに対応させ、3営業日程度で配信開始できるようにします。地点半径ターゲティングなどの機能とも組み合わせられて、中小事業者さまでも利用しやすい環境を整えます。

菅野:大きく変わっているトレンドとして、中小規模の媒体が広告マーケットに入っていく際、どうしても大手の広告主や代理店向けのサービスレベルを極端に引き上げ、その形でパートナーシップを組むケースが多いと思います。われわれも例に漏れずそうだったのですが、今回SLAをしっかり定めた上で、よりローカルエリアの広告主さまに対してもサービスレベルを担保した展開ができるようになった、というのは大きな変化だと思います。

田中:他の媒体のようにセルフサーブ型広告だと審査も全て自動で行われているのでしょうか。

菅野:審査については自動の部分もありますが、人の目で見る工程も非常に重視しています。特に薬機法関連の広告では、前後の文脈を含めてユーザーさまに誤解を与えないかが重要です。ですので、効率化を図りながらもお客さまへのメリットとユーザー保護のバランスを見極めつつ、最適解を常に模索しています。

田中:本当に3営業日程度で審査も通過し、広告が配信できるとなると、とても魅力的だと思います。

佐藤:弊社では「ボイス・オブ・カスタマー」、つまり顧客の声を基点にした広告プロダクトのアップデートを、昨年末から大幅に促進しています。戦略的な話をすると、いわゆるビッグ5・6と呼ばれるような大手媒体と比べ、弊社は国内で完全に意思決定が完結する組織形態を持っている点が特徴です。もちろんエンジニアやバックエンドには海外メンバーも多く在籍していますが、企画決定は全て国内で行っています。

営業メンバーも多様で、大手の広告主・代理店から中小企業まで幅広く接点があり、国内市場に特化したプロダクト開発を推進できる体制があります。今後も現場のお客さまの声を反映した改善を続けていきますので、ぜひご期待ください。

星野:最後に、SmartNewsやSmartNews AdsにおけるAIの活用方針についても教えてください。

佐藤:当社はエンジニアリング主導の会社なので、生成AIを含むAI活用は非常にホットなトピックです。現時点ではアイデア段階のものも多いのですが、他社でも取り組まれているような広告作成を支援するAIや、事前に用意された広告のパフォーマンス予測といった機能については、社内で議論が進んでいます。今後もこうした分野で随時、新機能のリリースや企画が動いていくと思います。

星野:引き続き注目していきたいと思います。

田中:出稿金額が3万円~10万円程度でも成果を出している事例があると聞き、予算が限られたお客さまへの提案にも活用できると感じました。今後は既存案件だけでなく、新規提案にも積極的に組み込んでいきたいと思います。本日はありがとうございました。

 

 

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