「リスティング広告の定義や特徴を知りたい」
「他の広告手法と比較してどのような利点があるのか知りたい」
リスティング広告の運用を検討している方の中には、以上のような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事ではリスティング広告の概要を踏まえた上で、リスティング広告のメリット・デメリット、リスティング広告と他のWeb広告との違いなどを解説します。
目次
リスティング広告とは
リスティング広告とは、Googleなどの検索エンジンで検索した際に、検索結果画面に掲載される広告のことです。広告をクリックしたユーザーを、自社サイトに誘導できます。
リスティング広告の特徴とは
リスティング広告の特徴を以下の四つの観点から解説します。
- 掲載媒体の種類
- 掲載エリア
- 掲載フォーマット
- 課金形態
それぞれを詳しく見ていきましょう。
掲載媒体の種類
国内でリスティング広告を出稿できる媒体は、主に「Google 広告」「Yahoo!広告」「Microsoft 広告」の三つです。国内の検索エンジンシェア（2025年4月時点）は、Googleが約80%、Yahoo!が約9%、Bing（Microsoftの検索エンジン）が約8%を占めています。（*）
これらのリスティング広告の掲載媒体にはそれぞれ特徴があり、ターゲット層や商材に応じて使い分けると効果的です。
*出典：Statcounter Global Stats｜Search Engine Market Share Japan
掲載エリア
リスティング広告は、主に検索結果画面の上部や下部に掲載されます。広告だと分かるように「広告」「スポンサー」などと表記されています。
また、検索画面の上部や下部の他に、以下の場所に広告が掲載されます。
- 検索結果ページの右側カラム
- モバイル検索結果
選択した広告プラットフォームや広告の種類、設定によって、どの場所に広告が掲載されるかは異なります。
掲載フォーマット
リスティング広告の掲載フォーマットは、テキストを主体に「広告見出し / タイトル」「説明文」「表示URL」の三つで構成されます。広告見出し（Yahoo!広告では「タイトル」）と説明文は、文字数や使用できる文字・記号に制限があります。
また、使用できない表現（例：No1！、最安値など）もあるため、フォーマットの規定は各媒体の公式サイトで確認しましょう。
課金形態
リスティング広告の主な課金形態は、ユーザーが広告をクリックしたときに広告費が発生するクリック課金制です。具体的な特徴は以下のとおりです。
| 仕組み | ・広告が表示されただけでは費用が発生しない ・ユーザーが広告をクリックした時のみ広告費が発生する |
| メリット | ・興味のあるユーザーにのみ広告費を使える ・無駄な広告費を抑えられる ・費用対効果が分析しやすい |
| 広告費の決まり方 | 広告費 = 平均クリック単価 × クリック回数 |
Google 広告の仕組みとは
Google 広告は、入札制オークションによって広告の掲載順位とクリック単価が決定され、実際にクリックされたときに費用が発生する仕組みです。
以下が、オークションに関する各用語の概要です。
| クリック課金制 | ・広告が表示されただけでは費用が発生しない ・ユーザーがクリックしたときのみ課金される |
| リアルタイムオークション | ユーザーが検索キーワードを入力した瞬間に、リアルタイムでオークションが行われる |
| キーワードターゲティング | 広告主が設定したキーワードに関連する検索をしたユーザーに広告が表示される |
リスティング広告の三つのメリットとは
リスティング広告を運用する主なメリットは、次の三つです。
- 購買意欲の高いユーザーに配信できる
- 少額から配信できる
- 成果を確認し迅速に改善できる
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
購買意欲の高いユーザーに配信できる
リスティング広告は、特定の商品やサービスを能動的に検索しているユーザーに広告を表示できます。そのため、購買意欲が高い顕在層にピンポイントでアプローチが可能です。
購買意欲の高いユーザーに配信できるメリットは以下のとおりです。
- 無駄なクリックを減らし、高い費用対効果が期待できる
- クリック後のコンバージョン率が高くなる
- 短期間で成果につながりやすい
これらの理由から、リスティング広告は購買意欲の高いユーザーに効率的にアプローチできる手法といえます。
少額から配信できる
リスティング広告は、1円単位で予算設定が可能なため、自社の予算に合わせた広告運用が可能です。少額から広告配信できるメリットは以下のとおりです。
- 大きな予算をかけずに広告効果を検証できる
- 成果が出なかった場合でも損失を最小限に抑えられる
これらのメリットを踏まえて、自社の状況や目的に合った適切な予算設定を行いましょう。
成果を確認し迅速に改善できる
リスティング広告は、リアルタイムで広告配信の成果を確認できるため、効果が出ていない広告やキーワードをすぐに特定できます。そのため、迅速な広告運用の改善が可能な点がメリットです。具体的には以下のポイントを意識して、広告運用を改善しましょう。
- パフォーマンスデータを参考に、効果の高いキーワードを見つけ強化する
- 効果の低いキーワードの除外や、入札単価を下げる
- 地域、時間帯、デバイスなどの配信設定を細かく調整し、最適な条件を見つける
ユーザーのニーズや市場環境は常に変化するため、定期的に広告運用の戦略を見直しましょう。
リスティング広告の三つのデメリットとは
リスティング広告には主に三つのデメリットがあります。
- 検索しないユーザーにはアプローチできない
- 運用コストがかかる
- 広告運用の知識が必要
それぞれのデメリットを詳しく見ていきましょう。
検索しないユーザーにはアプローチできない
リスティング広告は、検索エンジンを利用しないユーザーにはアプローチできません。さらに、専門性の高い商品や季節変動のあるニーズなど、検索されにくい商材では効果が限定的です。また、検索ボリュームが少ないキーワードでは表示される回数が限られる点もデメリットです。
これらのデメリットを理解した上で、リスティング広告と他の広告手法を組み合わせた広告運用も検討しましょう。
運用にはコストがかかる
リスティング広告は、純広告のように広告出稿をして終わりではなく、継続的に広告配信を行うための広告費や人件費がかかります。そのため、ある程度の予算や人的リソースの確保が必要になります。
広告運用の知識が必要
リスティング広告の運用には専門知識が必要なため、小規模事業者や広告運用経験の少ない企業にとっては大きな障壁となる可能性があります。以下のような知識が、リスティング広告の運用には不可欠です。
- 専門用語の理解
- 広告管理画面の操作スキル
- データ分析能力
- マーケティング戦略の理解
- 最新トレンドへの対応
- 法律や規制の理解
これらの知識やスキルを習得するには、学習や実務を通じた経験の蓄積が必要です。そのため、相当の時間とリソースの投資が求められます。
リスティング広告と他のWeb広告の違い
リスティング広告と他のWeb広告（SNS広告、アフィリエイト広告）の違いを解説します。それぞれの広告の特徴を比較しながら、詳しく見ていきましょう。
SNS広告との違い
SNS広告は、XやInstagramなどのタイムラインに配信する広告です。リスティング広告との主な違いは以下のとおりです。
アフィリエイト広告との違い
一般的なアフィリエイト広告は、ユーザーが購入などのアクションを起こしたときに、初めて広告費が発生する成果報酬型の広告です。リスティング広告との主な違いは以下のとおりです。
| リスティング広告 | リスティング広告 | アフィリエイト広告 |
| 掲載エリア | 検索結果画面 | アフィリエイトサイト（SEO、SNSなど） |
| 掲載フォーマット | 主にテキスト | テキスト、画像、動画など |
| ターゲット層 | 顕在層 | 顕在層から潜在層など、アフィリエイトサイトのプラットフォームによってさまざまある |
| 課金形態 | クリック課金 | 成果報酬型（商品購入や資料請求などの成果が発生したときに課金） |
リスティング広告とSEOの違いとは
SEO（Search Engine Optimization） は、検索エンジン最適化と呼ばれる手法で、Webサイトを検索エンジンの検索結果で上位に表示させるための施策です。リスティング広告とSEOの主な違いは以下のとおりです。
| SEO | リスティング広告 | |
| 掲載エリア | 検索結果画面 | 検索結果画面 |
| 掲載フォーマット | 主にテキスト | 主にテキスト |
| ターゲット層 | 顕在層 | 顕在層 |
| 課金形態 | クリック課金 | 直接的な掲載費用はかからないが、対策のための費用は必要 |
これらの違いから、短期的な成果を求める場合はリスティング広告、長期的な視点で継続的な集客を目指す場合はSEOが適しているといえます。
リスティング広告の費用感
リスティング広告の費用相場は、事業規模や商品・サービスによって異なります。初めて広告を配信する場合は、月額5万円から数十万円程度で開始し、成果が見えてきたら予算を増やすといった運用をするとよいでしょう。
【7STEP】リスティング広告の始め方・やり方とは
リスティング広告の出稿手順を七つのSTEPで解説します。
- アカウントを開設する
- アカウントの構成を考える
- アカウントに入稿する
- 審査に通ったかを確認する
- 計測設定を行う
- 広告費を入金する
- 配信の設定をする
それぞれの手順を詳しく解説します。
【STEP1】アカウントを開設する
まず、アカウントを開設します。具体的な手順は以下のとおりです。
- 広告プラットフォームの選択
Google 広告やYahoo!広告など、利用したいプラットフォームを決定 - アカウント作成ページにアクセス
選択したプラットフォームの公式サイトから、アカウント作成ページに進む - アカウント開設に必要な情報を準備
ビジネス名、住所、電話番号、WebサイトURL、支払い用のクレジットカード情報 - アカウント情報の入力
画面の指示に従い、必要事項を入力 - 支払い情報の登録
クレジットカード情報を入力し、支払い方法を設定 - 利用規約の確認と同意
プラットフォームの利用規約を確認し、同意 - アカウントの有効化
入力情報の確認後、アカウントが有効化
【STEP2】アカウントの構成を考える
続いて、リスティング広告のアカウントの構成（アカウントを効果的に組み立てる方法）を決めます。アカウント構成は以下の要素で構成されます。
- アカウント：一企業につき通常一つ作成
- キャンペーン：予算や地域設定などを管理
- 広告グループ：関連するキーワードと広告をまとめる
- 広告：実際に表示される広告文
- キーワード：広告表示のトリガーとなる検索語句
アカウント構成の決め方は、以下の記事を参考にするといいでしょう。
【STEP3】アカウントに入稿する
続いて、アカウントに入稿します。具体的な手順は以下のとおりです。
- キャンペーンの作成
「新規キャンペーン」または「キャンペーンを作成」をクリック - キャンペーンの目的（Webサイトへのアクセス増加、商品の販売など）を選択
- キャンペーン名を入力
- キャンペーン内に広告グループを作成
- 広告を表示させたいキーワードを入力
- マッチタイプ（完全一致、フレーズ一致など）を設定
- 見出しを入力
- 説明文を入力
- 表示URLとリンク先URLを設定
- キーワードごとの入札単価を設定
- 全ての設定内容を確認
- 「保存して提出」または類似のボタンをクリックし、審査に提出
【STEP4】審査に通ったかを確認する
続いて、審査に通ったかを確認します。具体的な手順は以下のとおりです。
- 広告の管理画面にログイン
- 「ステータス」列で各キャンペーン、キーワード、広告などの審査状況を確認
【STEP5】計測設定を行う
続いて、計測設定を行います。具体的な手順は以下のとおりです。
- 広告プラットフォームの管理画面にログイン
- コンバージョン設定画面に移動
- 新規コンバージョンアクションを作成
- コンバージョンの種類を選択
- コンバージョンの詳細を設定
コンバージョン名、カウント方法、コンバージョン値などを入力 - コンバージョンタグを取得
- タグをWebサイトに設置
- 生成されたタグをコンバージョンページ（thanksページなど）に設置
- タグの動作確認を行う
- テスト送信などでタグが正常に動作するか確認
- 計測開始
- タグの動作確認ができたら、実際の計測を開始
【STEP6】広告費を入金する
続いて、広告費を入金します。具体的な手順は以下のとおりです。
- 広告のアカウントにログイン
- 「請求と支払い」を選択
- 「支払い設定」を選択
- 「支払い方法を追加」または「残高を追加」をクリック
- 支払い方法を選択
- 入金額を入力し、支払い手続きが完了
【STEP7】配信開始をする
最後に配信設定をオンにします。広告の配信前に再度正しく設定されているか確認しましょう。
配信設定をオンにすれば、広告配信が開始されます。これらの手順を踏むことで、リスティング広告の配信設定が完了します。
リスティング広告の二つの運用方法とは
リスティング広告には以下の二つの運用方法があります。
- 自社で運用する（インハウス運用）
- 広告代理店に依頼する
それぞれの運用方法を詳しく見ていきましょう。
自社で運用する（インハウス運用）
リスティング広告を自社で運用するメリットは、広告代理店に委託するよりも広告運用にかかる費用を削減できる点です。
また、社内スタッフが対応するため、市場の変化や競合の動きに素早く対応できます。自社でリスティング広告を運用すれば、社内に運用ノウハウが蓄積される点もメリットです。運用ノウハウを生かした長期的な広告戦略の立案も可能になります。
自社での広告運用を成功させるには、担当者の教育や適切なツールの活用が重要です。
広告代理店に依頼する
リスティング広告の運用を広告代理店に依頼するメリットは、専門知識を持ったプロフェッショナルによる運用が可能な点です。戦略設計、広告配信の準備、広告運用などを一括で委託できます。
また、リスティング広告について詳しい社内スタッフがいない場合、運用者を採用・育成するよりも、コストが抑えられる可能性があります。社内の工数を削減できる点もメリットです。
広告代理店にリスティング広告の運用を依頼すれば、専門的なサポートを受けながら効果的な広告運用が可能になります。
リスティング広告を成功させるための三つのコツとは
リスティング広告を成功させるためのコツは主に三つあります。
- 誰に広告を見てほしいか考える
- 商品やサービスの強みを整理する
- 分析と改善を繰り返す
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
1.誰に広告を見てほしいか考える
リスティング広告は、どの検索キーワードに対して広告を配信するかを設定できます。ターゲットを明確にすれば、効果的なキーワード選定や広告文の作成が可能になります。
具体的には、以下のポイントを意識しターゲティングを行うとよいでしょう。
- 年齢、性別、地域などの基本的な属性に基づいてターゲットを絞り込む
- ユーザーの興味関心や過去の行動履歴に基づいてターゲットを絞り込む
- ターゲットユーザーの具体的な人物像（ペルソナ）を設定する
適切なターゲティングを行えば、広告の効果が高まり、無駄な広告費用を抑えられます。ターゲットユーザーを明確に定義し、その特性に合わせた広告戦略を立てましょう。
2.商品やサービスの強みを整理する
商品やサービスの強みを適切に整理し、効果的に広告に反映させることで、クリック率の向上やコンバージョンの増加につながります。以下のポイントに従って強みを整理すれば、ユーザーの興味喚起や競合他社との差別化を図ることができます。
- 社内でのヒアリングや社外のアンケートを活用
- フレームワーク（4C分析、4P分析、SWOT分析など）を活用
- ユーザー目線で考える
- 単なる特徴ではなくユーザーにとってのメリットやベネフィットを考える
- 数値や具体的な事実を含める
リスティング広告で成果を上げるためには、ユーザーのニーズと自社の強みをうまくマッチングさせることが重要です。
3.分析と改善を繰り返す
リスティング広告の分析と改善を繰り返すことで、広告効果を最大化し、継続的な効果が期待できます。分析と改善では以下のポイントを意識しましょう。
- 広告市場や競合状況の変化に対応する
- 主要な分析指標を活用する
- クリック率（CTR）、コンバージョン率（CVR）、費用対効果（ROAS）、平均クリック単価（CPC）、インプレッション数（imp）、品質スコア
- 分析ツールを活用する
- Google Analytics、Google 広告やYahoo!広告の管理画面、サードパーティの分析ツール
リスティング広告の分析と改善で得られた知見は、他のマーケティング活動にも活用できます。
リスティング広告を運用する上での二つの注意点とは
リスティング広告を運用する上での二つの注意点を解説します。
- 審査基準を理解する
- 運用を広告代理店に任せすぎない
それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。
1.審査基準を理解する
審査基準の理解は、スムーズな広告配信につながります。審査基準を厳守すれば、広告の承認プロセスがスムーズになり、迅速に広告を配信できます。代表的な審査基準は以下のとおりです。
- 法律に違反する内容や違法行為を助長するような表現を記載しない
- 不快感を与える表現や誤解を招く表現を避ける
- 虚偽表示や不当表示をしない
- 「最高」「絶対」などの表現を使用する場合は、客観的な根拠が必要
各プラットフォームの審査基準は更新されるため、定期的に最新の情報をチェックしましょう。
2.広告運用を広告代理店に任せすぎない
リスティング広告の運用を広告代理店に任せすぎると、自社の広告運用状況が把握しにくくなります。また、社内の広告運用に関するノウハウが不足し、広告代理店の提案や報告を適切に評価できなくなる可能性があります。
広告運用を広告代理店に依頼する場合は、以下のポイントを意識しましょう。
- 自社の事業目標や戦略を明確に伝える
- 定期的に運用状況をチェックし必要に応じて方向性を修正する
- パフォーマンスデータを自社でも分析し、改善点を提案する
広告運用を広告代理店に任せる場合でも、適切に関与し続けることが重要です。
リスティング広告の運用支援ならアタラがおすすめ
本記事ではリスティング広告の基本的な概要を踏まえた上で、リスティング広告のメリット・デメリット、リスティング広告と他のWeb広告の違いなどを解説しました。
リスティング広告とは、Googleなどの検索エンジンで検索した際に、検索結果画面に掲載される広告のことです。リスティング広告は、特定の商品やサービスを能動的に検索しているユーザーに広告を表示できます。また、リスティング広告は、1円単位で予算設定が可能なため、自社の予算に合った広告運用が可能です。本記事で紹介した手順を参考に、リスティング広告の運用を始めましょう。
アタラでは、専門知識が豊富なスタッフによる広告運用最適化サービスやコンサルティングを提供しています。現状のパフォーマンスにご不満な方や、リスティング広告を始めてみたいと思われましたら、ぜひご相談ください。
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※この記事の内容は、公開・更新時点の情報をもとに作成しています。
公開：2023年7月
更新：2025年5月23日
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