アタラ株式会社

データマネジメント

学生18万人データを事業成長へ――自走型データ基盤でマッチング精度と意思決定を加速する

株式会社トモノカイ

株式会社トモノカイ
経営資源管理ディビジョン t-newsセクション マネージャー 内山和博様
インターン 荒川武蔵様

株式会社トモノカイは、家庭教師派遣、塾講師求人、放課後学習支援など、多角的な教育事業を展開し、難関大生を中心とした18万人規模の学生会員が登録するメディア「t-news」を運営しています。同社では、膨大なデータを事業成長に活かすため、スプレッドシート中心の管理体制から脱却し、GA4・BigQuery・Looker Studioを活用した「データ活用の自走化」に取り組んでいます。アタラの支援導入の背景、構築された可視化環境の内容、現場で生まれた変化、そしてAI活用を見据えた今後の展望について伺いました。

アタラの評価ポイント

  • スプレッドシート依存から脱却し、GA4・BigQuery・Looker Studioを中心としたデータ基盤を構築
  • 設計思想をレクチャーし、自走できるダッシュボード運用体制を実現
  • 分析速度と精度が向上し、属性分析・マッチング改善など事業活用が加速

ビジョンへの共感と「自走」を見据えた伴走型支援が決め手に

ー御社の企業概要と担当業務について教えてください。

内山:トモノカイは東大生の有志による教育サークルとして1992年に発足、2000年に法人化した会社です。家庭教師事業部や学校への放課後支援の事業部など、教育事業部を中心に関東と関西で展開しています。

大きく3種類のサービスがあり、一つは家庭教師派遣業で、こちらは東大家庭教師友の会が中心となっています。二つ目は塾講師の求人広告業や塾講師ステーション、三つ目は放課後学習支援の展開です。

現在130名の社員の他に学生インターン、それに加えて18万人の「t-news」会員登録者がいます。t-newsとは弊社が運営する教育系アルバイト情報メディアで、教育分野の求人を掲載しています。この会員登録者からメンターや家庭教師、塾講師が多く輩出されます。

私はt-newsの運営責任者として事業を推進しています。各種データの設計、事業戦略、メンバーのマネジメントなど全般をやらせていただいています。

経営資源管理ディビジョン t-newsセクション マネージャー 内山 和博様
経営資源管理ディビジョン t-newsセクション マネージャー 内山 和博様

荒川:私は現在大学4年生でインターンの荒川と申します。大学では機械学習やAI、統計学など学んでいます。トモノカイでは、DXチームで集客データの管理をしています。例えば会員登録数や、どの事業部に送客したか、どんな属性の顧客が送客しやすいか、サイト内回遊履歴から見える送客の変化といったデータを解析し、見やすい形に可視化する業務を担当しています。

インターン 荒川 武蔵様
インターン 荒川 武蔵様

ーアタラを知ったきっかけや、お問い合わせの経緯を教えてください。

内山:問い合わせの経緯はGoogle検索でした。2023年ごろ、UAからGA4への切替にあたって検索をしていたところ、御社の問い合わせホームページに行き着いたのが直接のきっかけです。しかし、アタラさん自体を知ったのは御社で執筆された書籍『運用型広告 プロの思考回路』(KADOKAWA/アスキー・メディアワークス、2016年)を読んだことでした。それ以来ずっとファンだったこと、他社と比べて自分たちのビジョンに寄り添った提案をしてくださったところから、ご依頼をしました。

荒川のような学生インターンが弊社の主力であることも理解した上で提案をしてくださって「学生への教育もやりますよ」と言っていただいたのが安心につながりました。

荒川:実際に、ダッシュボードの構築の際は、お任せしてつくってもらうというよりも、こういう方法でつくっていくといいよ、というかたちで進めてもらいました。アタラさんの伴走がなくなった後でも、エラーが出たときに解消できる体制をつくることができたと思います。

内山:われわれが自走できることを念頭に設計してくださって感謝しています。

スプレッドシート運用の限界とデータ活用基盤構築への挑戦

ー次に、アタラにお任せいただいた経緯について教えてください。

内山:弊社では、学生の学歴情報や留学経験、Webサイト内の回遊データなどをデータベース化して管理しています。また、求人サイトとしてt-newsに応募した後の行動、採用データまで含めた「行動データ」も管理しています。

その行動データを管理する上で、知識不足と人手不足という二つの課題がありました。今後はデータを活用しなければ事業運営が難しくなるという見通しがあり、データ活用の仕組みをゼロからつくらなければならない状況でした。具体的には、BigQueryを使ったデータ管理の方法や、GA4とどのように連携させれば必要なデータを可視化できるのかが分からない一方で、最終的にはGA4だけでなく、ダッシュボードを整備して、現場のメンバーが自分たちでPDCAを回せるようにしたいと考えていました。

そのために必要な知識と、それを担う人材の両方が不足していたのです。そこで「どのツールをどう組み合わせればよいのか」「どんなスキルが必要なのか」という相談からさせていただきました。

恩田:もともとはスプレッドシートで管理されていましたよね。

内山:そうです。データが無数にあって、スプレッドシートだとそもそも処理が重過ぎて追い付かない状況になっていました。メンテナンスするにしても、どこからやればいいか分からなくなっていて。

データ共有の点でも問題がありました。データが重すぎて1カ月分のデータが表示されなかったり、更新しても反映に非常に時間がかかったりしていました。例えば、セグメントを別の大学区分に切り替えるだけでも更新に1時間ほどかかり、業務に大きな支障が出ていました。

恩田:普段のミーティングでも、スプレッドシートのKPI管理表を見ながら議論されていましたよね。Looker Studioに移行したことで、運用面や会話の仕方などに何か変化はありましたか。

内山:瞬時にセグメントを切り替えて分析できるようになったことは非常に大きいですね。見たい情報をすぐ確認できるようになりました。私たちは学生チームと連携しながら集客活動をしていますが、これまで「集客したユーザーが実際のビジネスにどう影響するのか」という自己指標の分析は、早くても1〜2カ月遅れでしか把握できませんでした。それが、Looker Studioを導入したことで分析のスピードが倍以上に向上した感覚があります。必要なときにチーム全員ですぐに同じデータを確認でき、ダッシュボード構築後は仮説検証もより迅速に行えるようになりました。

荒川:あと、見るべきデータそのものが大きく変わってきたと感じています。これまでは「どれだけ学生を集客できたか」という量的な指標ばかりに目が向きがちでした。しかし今では、集客した学生の属性や経験、それがどれだけ利益に貢献するのかといった質的な指標まで踏み込んで見るようになりました。本来であれば送客だけでなく、その先の成果まで追うべきだったところに、ようやく意識が向き、具体的に動き始められていると感じています。

株式会社トモノカイ

ニッチなマッチングの精度を上げるために欠かせない環境を構築

内山:家庭教師などの教育バイトでは、大学や学生の属性・経験によって「ご家庭とマッチングしやすいかどうか」が大きく変わります。特に中学受験を希望されるご家庭では「志望校に近い学歴をお持ちの教師を希望したい」といった要望が強く、条件が厳しくなりがちです。そのため、学生の属性を把握することがマッチング成功につながります。

また、最近は帰国子女受験や海外の学習サポートなど、海外経験のある学生へのニーズも増えており、こちらも重要な属性になっています。海外に駐在されているご家庭のお子さん向けに、帰国子女受験の準備や海外校の授業フォローをオンラインで支援するというものです。非常にニッチですが、だからこそ属性の精度が大切になります。

星野:他の業界ではあまり見られない特徴ですよね。

内山:そうですね。学生の属性が多岐にわたるため、その分、ニッチなセグメントも多い。その結果「その属性に合わせたニッチなコミュニケーション設計」も必要になります。コミュニケーションの優先順位や取り組み方を定めるためにも、データ分析が欠かせません。

星野:だからこそ、まずは分析の基盤を整えることが重要だと感じます。少し余談になりますが、最近は他業界のお客さまでも、GA4と広告データ、さらに広告以外の流入元や顧客IDをつなぎ合わせて分析したい、というニーズが非常に高まっています。

今は広告を出してもCPAが高止まりしたり、競合が増えてLP改善だけでは限界があったりと、課題が共通化してきています。そのため、より事業の数字に近い指標を見ながらPDCAを回す必要性が高まっている一方で、それを実現するのは簡単ではありません。

その点、御社はすでに基盤づくりを完了し、あとは分析を施策に落とし込む段階まで進んでいる。競合が明確ではないとはいえ、データ活用の面では業界内でもかなり先行している会社だと感じています。

BigQuery・Looker Studio移行を支えた、設計から学ぶ伴走支援

ーアタラはどのような部分をご支援したのでしょうか。

荒川:これまでスプレッドシートで管理していたデータを、最終的にBigQueryとLooker Studioへ移行することが大きな目標でした。ただ、私も前任者も両ツールに触れた経験がなかったため「どう設計し、どう管理すれば可視化や運用がうまくいくのか」を全般的に教えていただきました。

例えば、一つのシートを設計する際でも「最終的にLooker Studioでこう見せたいから、こういう構造にする」という考え方をもとに、設計の方向性を支援していただきました。実際の作業自体は私が担当しましたが、設計の根本を学べたことで、最終的には自分自身で設計し、構築できるようになりました。自走できる体制をつくれたのは大きかったです。

内山:支援内容もフェーズごとに分けていただきました。最初は「どこを目指し、データをどのように活用したいのか」をヒアリングしていただき、その上で4段階ほどに整理して進めていただきました。知識面のレクチャーやディレクションを中心に、教育的な部分も多くサポートしていただきました。

特に、荒川が何か疑問にぶつかったときに、すぐ質問できる環境をつくっていただけたのも非常に助かりました。私自身はその領域に答えられない部分が多く、もし支援がなければ荒川が完全に一人で悩む状況になっていたと思います。

また、依頼内容にとどまらず、データを活用した新規サービスのアップデート案など、プラスアルファの提案まで踏み込んでいただけた点も非常にありがたかったです。結果として、お願いした以上の支援を受けられたと感じており、大満足しています。

AIを「使える力」に変える、次の伴走への期待

ー今後アタラに期待することがあればお聞かせください。

内山:AI活用については、今とても関心があります。データとAIをどう組み合わせ、プロダクトに組み込んでいけばよいのか、まだ明確な道筋が見えていません。いくつかヒントはいただいていますが、日本国内でも事例が多いわけではないので、ロールモデルとなるケースを一緒に探していければと思っています。実装に向けた具体的な支援も、今後ぜひお願いしたいです。

荒川:私もAIは今後の大きなテーマだと思っています。AIに頼りすぎるケースもあれば、まったく使いこなせていないケースもあるので「ここは人間が判断すべき」「ここはAIを活用すべき」という線引きを、誰もが理解して使える状態にしたいです。特定の個人だけでなく、チーム全体がAIを使いこなせる環境づくりを支援していただけるとうれしいです。

星野:トモノカイさんは、データ活用の基盤づくりを非常に早く整えられた会社だと思います。AI活用に向けた前提条件はもうそろっていますし、むしろロールモデルになっていただきたいという気持ちです。

内山:そう言っていただけるのはありがたいですね。ぜひ一緒にまた走らせてください!

ー本日はありがとうございました。

※本記事の内容は公開日時点のものです

同事例を担当する
コンサルタント

シニアコンサルタント

星野 理人

星野 理人

大学在学中、長期インターン生として教育系ベンチャー企業でメールマガジンの編集やTwitter広告の運用、コンテンツ作成を経験。 大学卒業後、デジタルマーケティング支援会社にてダイレクトレスポンス領域の広告運用・分析や社内向けダッシュボードの開発を担う。 徹底したPDCA管理による成果改善に加え、Looker Studioでのダッシュボード構築や広告スクリプト・Google Apps Scriptを用いたオペレーション改善も得意とする。
2023年4月からアタラに参画し、運用型広告コンサルティング・トレーニングを担当。ウェブ解析士マスター。

コンサルタント

恩田 将維

恩田 将維

東京大学大学院を卒業後、IT企業にエンジニアとして入社し、IoTシステムの開発に従事。その後自社サービスの広告運用・サイト分析・キャンペーン施策などのWEBマーケティング、新規事業開発、スタートアップ支援を経験。より幅広い業界の支援をしたいと思い、2023年3月よりアタラに入社。マーケティングと技術の両視点からクライアントの課題解決をすることを目指し、クライアントと伴走する。ウェブ解析士。