マーケティングシステム開発 事例紹介:株式会社アドフレックス・コミュニケーションズ


運用型広告を熟知している、アタラが開発することに意味があった

総合広告代理店である株式会社アドフレックス・コミュニケーションズは、2016年12月に「adchart」をリリースしました。
アタラの開発力とコンサルティング力を駆使して開発された「adchart」は、広告主の「見たい」を叶えるダッシュボードです。
プロモーション展開状況や実績・効果の確認に加えて、コールセンターや法務などの関係部署と広告情報を共有することでクリエイティブ管理を可能にするなど、ダッシュボードの次なる使い方を提唱しています。
アドフレックス・コミュニケーションズの山口様と田邉様に、アタラのシニアコンサルタント清水一樹が開発の背景からアタラに依頼した経緯までを伺います。



株式会社アドフレックス・コミュニケーションズ
アカウントプランニング部
ゼネラルマネージャー
山口耕平様

コーポレート部
マネージャー
田邉智裕様



■アドフレックス・コミュニケーションズの事業について

清水:まず、御社について、簡単にご紹介いただけますでしょうか。

山口:弊社は、2008年に設立し、クライアントのEコマース領域のニーズに応えるダイレクトマーケティングを強みとした広告会社です。 クライアントの課題に対して、メディアの制限なしに対応しています。現在、時代のニーズでは圧倒的にウェブ周りのご相談が多く、ナレッジがたまってきました。

清水:御社は、ウェブ周りでも特にEコマースのマーケティング支援を得意とされているんですね。

山口:はい。ダイレクトマーケティング領域で蓄積したナレッジが大きな強みです。


■お二人のお仕事について

清水:ありがとうございます。お二方のお仕事について、具体的に教えてもらえますでしょうか。

山口:少し特殊ですが、弊社にはセクション、つまり部署がありません。以前は、メディア部、制作部、営業部と分かれていたのですが、私も含め今はほぼ全員がアカウントプランニング部です。 クライアントの課題に応えていく上で、メディアだけ、制作だけというわけにはいきません。そのため、基本的には、担当するアカウントプランニング部が全ての領域を網羅する体制をとっています。

田邉:私が所属するコーポレート部は、会社の管理部門という位置づけではありますが、会社の事業内容を知らずに改善はできず、コンピューターの技術、ウェブ周りの技術的な知識、一般的なネットの知識などが必要とされます。 そのため、私も運用型広告の現場で、実際に運用を行ったこともありました。

清水:部署を問わず一度は運用型広告の現場を経験するというのは、会社として重視しているのでしょうか。

山口:基本的には全員が経験していますね。

清水:それは珍しいですね。



山口:弊社の理念に「For your success」というものがあります。クライアントの課題解決のために提供できる方法は、あらゆる方法を尽くしますというスタンスです。 我々が提供できる方法はここだけ、とサービスを限定せず、できることは全部やります。

清水:それは、お忙しさが伝わってきますね。そのような中で「adchart」という製品を作ることになった背景をお聞かせください。


■製品背景と、アタラに依頼した経緯

山口:WEBプロモーションの中で特に運用型広告が増えてきて、広告配信手法ごとのフォローなどキャンペーン設計を自由にできるようになりました。 そうすると、運用している我々はもちろんのこと、クライアント側も「今どういうことを行っているのか」「どういうプロモーションが動いているのか」がだんだんと分からなくなり、管理できない状況になっていました。
そこで、運用型広告もしくはプロモーションの全体像を、どうやったら可視化できるのだろうというのが当時の課題でした。 その過程で、運用型広告をもう少し可視化するのであれば、プロモーションの全体像自体を、もっと目に見える形でビジュアライズできるものを作れないかというのが要件でした。
また、我々はダイレクトマーケティングの領域で健康食品や化粧品などを扱うことが多く、広告表現のクリエイティブで景表法や薬機法に関連する審査が入ることが多かったんです。特に健康食品の分野では機能性表示食品や、トクホ(特定保健用食品)など、表現を含めたクリエイティブの担保を求められることがあります。 知らないクリエイティブが出ないよう担保できないか、ということで、クリエイティブ部分についても同じく可視化しようということになりました。

清水:なるほど。そのような課題の中で、アタラへ開発を依頼するに至るまでの経緯をお聞かせください。

山口:最初は、求めているものに近いソリューションはないかと、いろいろなソリューションを探しましたが、結果的に難しい、と比較的早い段階で結論に至りました。 次に、自社で開発をしようと舵を切りました。実は、アタラさんにお願いする前、一度開発に挫折しているんです。

清水:それは知りませんでした。

山口:開発パートナーと弊社との間で課題感をなかなか共有できず、中断しました。


■アタラに開発を決めた理由

清水:その中で、弊社を選んでくださった理由をお聞かせください。

山口:当時、「この仕組みを応用すれば実現できそうだね」って最初に思ったのが「glu」です。また、その「glu」導入にあたってのご説明を受けていく中で、御社が運用型広告としての知識も豊富だった。これが大きいです。 ご相談させていただいた早い段階で、課題感を共有させていただくことができたので「これは実現できるのではないか」という話になり、いったん中断していた開発の話が再度持ち上がりました。

清水:そして、弊社で開発させていただくことになり、製品がローンチされました。「adchart」という名前を付けられた由来や製品の特徴などをお聞かせください。

田邉:「adchart」というネーミングはこのツールの特徴である「可視化」が理由としてありまして、図表で見て分かるということを強調して「chart」という言葉を付けました。



清水:機能面ではいかがですか。

山口:大きくは4つの機能があります。
プロモーションの全体像を見るための『プロモーション管理機能』。
動いているプロモーションの予実、目標と現実の実績値を管理する『予実管理』。
広告側のデータとクライアント側のデータを突合させて正確な評価を行う『施策評価』。
クリエイティブのみにフォーカスして、実際の画像や実績を一覧にする『クリエイティブ一覧』機能。

これらの4つの機能を使えば、WEB上のプロモーション全体のPDCAを回していけるのではないかと考えています。


■「adchart」の特徴

清水:そうした機能などの特徴は、弊社が開発として関わらせていただくことによって、徐々に形になっていったのでしょうか。それとも、最初から構想として形になっていたのでしょうか。

山口:『プロモーション管理』は、最初からイメージしていて、ご提示させていただいたところですね。 『プロモーション管理』と『予実管理』は、きっちりと管理しなければいけないところであることはイメージしていましたが「どう見せたらいいんだ」といったところは御社にご相談しながら作り上げていきました。

清水:まずはプロモーション管理機能のご紹介をお願いします。

山口:プロモーション管理は、カレンダーと線によって、どのプロモーションが動いているか絵で見せるもので、直感的にできないかというのが相談させていただいた部分です。 カレンダーの中で、どのキャンペーンが、いつからいつまで、どこで掲載しているのか。オンマウスすると、実際に配信している広告の内容まで表現できます。実績も併せて見ることができるので、ちょっとした状況把握もこれで対応できます。

※プロモーション管理機能


清水:広告を掲載する上での計画管理表でもあるし、パフォーマンスを見て効果を改善していくという視点も加味されている、ということですね。

山口:運用している側のデータを分析するツールはありますが、あくまでもクライアント側で状況を確認するツールとしては、この見せ方のほうが全体像を見やすくできるのではないかと思っています。

清水:予実管理機能はいかがですか。

山口:予実管理機能は、目標に対して今、何パーセント進捗しているのかを見ることができます。グラフでも累積情報が見られます。

※予実管理機能


また、着地予想も搭載しているので、1ヶ月が終わる時点でどのようなパフォーマンスになりそうかといったデータを見ることができる機能もあります。 クライアントの方で
「今どれくらい広告費を使っているの」
「売り上げはどれくらい」
といったときに、ぱっと見ることができます。
その都度、我々のような広告代理店に問い合わせる必要がないのも大きいのではないでしょうか。

清水:『施策評価』機能はどうですか?

山口:広告側のデータだけでは施策を正しく評価することができないため、クライアント側で持っているデータと突き合わせた上で、施策効果を評価できる機能です。 できる限りさまざまなデータと掛け合わせ、自由度をもってデータを見ることができるようにしています。

※施策評価機能


清水:『クリエイティブ一覧』機能についてはいかがですか。

山口:ここは御社とご相談しながら作り上げていくうちに、クリエイティブの可視化の必要性が高かったため、クリエイティブのみを別途管理する機能を後付けしました。 今稼動しているクリエイティブを一元的に見ることができます。

※クリエイティブ一覧機能


山口:クリエイティブの画像から全部を見ることができ、利用価値としては非常に高いと思っています。

清水:入稿されているものでインプレッションがまだ出ていなくても、見ることができるのでしょうか。

山口:基本的にはインプレッションが出たもののみを表示させます。このクリエイティブがいつから投入されていて、配信の実態としてどうなのかを一元的に見ることができます。
加えて、レスポンシブ広告などをはじめとしてクリエイティブのアドフォーマットが複数変わる中で、クリエイティブのファイル名別ではなくて、純粋にクリエイティブ素材の中身が同じもののみで集計できます。これを搭載できたのは非常に大きかったです。

清水:クリエイティブのあり方としても時代にフィットしていますよね。薬機法のようなポリシーに引っかかるようなものも「adchart」側で確認できるんですか。

山口:確認から漏れるケースも多分に考えられる状況なので、むしろ、こういったものを入れておけば確認漏れを防ぐこともできます。 導入されている企業の中では、「常に掲載しているクリエイティブを事業部側で把握できる仕組みにしている」と社内で法務ご担当にご報告されていらっしゃるようです。

清水:このあたりはダイレクト系企業のニーズに特化していますよね。「adchart」がハブになってクリエイティブの品質を管理しているのでしょうか。

山口:そうですね。 クリエイティブを一覧にしたことで我々が想定したのは、WEB担当者だけでなく、広告を見たお客さまからの問い合わせを受けるコールセンター部門など複数のコンタクトポイントの方々が、広告の情報を共有できる仕組みとすることでした。
例えばコールセンターに「この広告は不愉快だ」といった広告のクレームが入ってきたとき、コールセンター部門の人が広告の情報にすぐに行きつける仕組みを実現することで、コンタクトセンター側との共有、法務との共有など、複数の部署をまたいで共有が可能となります。

清水:ありがとうございます。それぞれのユーザーポジションによる権限設定などもできるのでしょうか。

山口:「adchart」の基本理念には、複数の代理店がいてもクライアントは「adchart」を見るだけで全ての情報を一元管理できる、という構想があります。
我々のような代理店や各関係者が、それぞれの権限に基づいて自由にログインして目標や計画を入れたり、それらの情報を広告代理店間で必要なものだけ共有できるようにしています。

清水:なるほど。例えば広告主から「広告代理店A社さんには、出稿をお願いしているメディアだけの画面提供にしたい」といった依頼にも対応できるのですね。

山口:はい。媒体のアカウント単位で、個人の閲覧権限をコントロールできます。

田邉:その他、パートナー制作会社やコールセンターなどとも共有できるようにしているのですが、「実績は共有せずに、どういったクリエイティブ広告が掲載されているのかだけを共有する」というように、アクセス権限や閲覧権限の設定は細やかにできるようにしています。


■今後の展開や、期待していること

清水:今後、予定している機能はありますか。

山口:今、進めているのは事業シミュレーションです。実際にいろいろなデータが入ってきているので、今入っている広告のデータ、売り上げのデータをもとに、6ヶ月後はどのような売り上げに変わるのかを見せます。

清水:事業シミュレーションというアイディアも、弊社と打ち合わせをする中で生み出されたものなのでしょうか。

山口:そうですね。ダイレクトマーケティング、特に健康食品や化粧品の事業設計は弊社の知見の多い領域ですが、御社が得意とされる分析領域など、御社の力を借りて開発ができたと思っています。

清水:弊社が開発させていただく上で、要件定義のコンサルティングでも、分析はアタラ全体でも得意な領域です。開発だけでなく、このようなシミュレーションをするときのロジックも提供させていただけたかと思います。

山口:実際に画面上では、シミュレーションが表になって出てきたり、6ヶ月後の細やかなシミュレーションができたりと、御社の分析がかなり活かされていると思います。
我々としては、クライアントが欲しがっていたデータの最終形はイメージできていましたが、そこまでのプロセスやロジック作りは、かなり御社のご協力をいただきました。

清水:「adchart」としては事業シミュレーションの他、将来的にはもっとこうなっていきたいといった目標はありますか。

山口:例えば『事業シミュレーション』機能。このシミュレーションは現時点ではECに特化しているので、今後は順次業種業態ごとにカスタマイズした『シミュレーション機能』として開発していきたいです。 ここ一、二年で広告自体が変わってきているので、恐らく「adchart」も一、二年以内に大幅なアップデートが必要ではないかと思っています。 今後、運用型広告を中心に広告が変わっていくなか、御社が先進的に進められている領域と、弊社がクライアントから与えられる課題に応えている状況とを、うまくマージしてシステムに反映させたいと思っています。

田邉:動画広告が増えてきたので、その結果が分析できる形は必要ですね。この先、まだ今は想像もしていないような広告フォーマットが出てくる可能性もあります。アタラさんが運営している「Unyoo.jp」を見ても情報のキャッチアップの速さなど、アタラさんを頼りにしているところはあります。そういった部分も含めて「adchart」にも取り入れていけたらいいなと思っています。

清水:ありがとうございます。あらためて運用型広告のトレンド・コンサルティングの経験を活かした受託開発を提供したいと思います。課題などありましたらディスカッションさせて下さい。
本日はありがとうございました!



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