世界的に見てもウルトラCだったYahoo! JAPANによるGoogleプラットフォーム採用のニュース。一日のうちに業界に大きな衝撃を与えた歴史的な出来事でした。

広告部分の変更は来年になることが見込まれていますが、今回の変更で、色々なことが想定されます。少し整理してみます。

1. 全体
日本ではシェアが高いYahoo! JAPANの膨大な検索数に、Google AdWordsプラットフォーム。関連性の高さ、ターゲティングや時間帯別、地域別設定のきめ細かさ、などを考えると、AdWordsプラットフォームの運用に慣れればYahoo! JAPANの効果、収益性は上がると容易に想定できます。

2. 広告会社の環境
旧Panamaシステムの際のように、プラットフォーム変更の際は大きな労力を伴うことが予想されます。同じリスティング広告でも、キャンペーンの組み方はかなり違う部分があるので、ここを理解し、AdWordsプラットフォームに合うように移行しないと、効果はむしろ下がる可能性もあります。ただ、うまく移行できれば、運用手法がほぼ1つになるので習得しやすくなり、かつノウハウが溜まる結果、運用効率があがり、全体としての効果、運用金額も上がると考えられます。システム関連問題も減ることもプラスに働くと思われます。リスティング広告全体の市場は拡大することが見込まれるので、リスティング広告全体の予算増加について、広告主と共通理解を図らないと、いざというときに機会損失につながる恐れがあります。

3. 広告主の環境
上記のように、特に運用キーワードの多い大口の広告主は、新しいプラットフォームに合わせたキャンペーン構築がうまくいくかで効果が大きく変わってくるため、十分に時間をとって慎重にプランニングを行う必要があります。また、コンバージョンタグの差し替え作業なども意識しないといけません。
今までYahoo!依存のオンライン広告主の一部は複雑かつ高機能なAdWordsの仕組みに最初は混乱することが考えられます。一部は広告会社へ運用を委託するケースも推進されると思われますが、自社運用している広告主もいずれ慣れてくると思います。そうするとGoogle AdWordsユーザも自然と増えていくと思われます。

4. APIなどツール面
提供ポリシーは若干違うかもしれませんが、APIに関しては技術的には統一されるため、今まで以上にAPIを活用した運用効率化が広告会社、広告主にとってキーポイントとなってくると考えられます。
すでにAPIを活用した運用ツール(特に海外のもの)を活用している広告会社、広告主は、新しいAPIへのシステムアップグレードがきちんと予定されているかを留意する必要があります。

5. 差別化ポイント
プラットフォームは共通化されますが、Yahoo! JAPANがどのように独自色を出すのかはまだ不明です。ただ、検索ユーザの特性などが変わるわけではありませんので、ターゲット戦略には影響はないと思われます。今回のプラットフォーム採用の対象はAdWordsの検索連動型広告部分だけで、コンテンツターゲット/プレースメントターゲットは含まれない模様です。そういう意味では両社ともインタレストマッチ、コンテンツターゲット/プレースメントターゲット(グーグルディスプレイネットワーク)は差別化する意味でもますます重要になってくると考えられます。

杉原剛

2010.08.08