サーチの自動入札ツールの大手であるサーチイグナイトがディスプレイ広告の入札エリアに参入してきました。つまりDSP市場への参入です。

SearchIgnite Develops DSP: Giving Attribution To Search, Display, Social
http://www.mediapost.com/publications/?fa=Articles.showArticle&art_aid=139566

これは、以前コラムでも書いていますが、もう一つの大手であるEfficient Frontierがサーチのエリアを飛び越えて、ディスプレイ広告、ソーシャル広告も統合管理できるようになったことを受け、他のベンダーも追随してくるというのは既定路線でした。

サーチとディスプレイ広告の新たな関係から見える課題–「SES San Francisco 2010」レポート
http://japan.cnet.com/news/commentary/story/0,3800104752,20419585,00.htm

ここで思う訳です。
サーチ → ディスプレイ & ソーシャルの参入はあるけど、ディスプレイ & ソーシャル → サーチの参入はないのだろうか?という点です。

サーチの自動入札ベンダーはだいぶ淘汰が進み、海外系ではあとはMarin SoftwareやAdobe(Omniture)が残っています。MarinはすでにFacebookには対応してますし、時間の問題かと思います。Adobeもプラットフォーマーである以上は当然動いてくるでしょう。一方、Ad Exchange周りで盛り上がるDSPベンダーはまだ他の媒体管理に踏み切ってません。その理由は、「サーチが複雑で難しいから」、「サーチのほうが自動入札では先を走ってきたから」だと個人的には思っています。サーチが複雑というのは、アルゴリズムがサーチエンジン側に握られていて、それがとても複雑なので、どうしても難しいシステムになってしまいます(単に収益性だけでなくクオリティが加算され、そのクオリティの定義がブラックボックス的なので)。ディスプレイ広告が簡単と言っているわけでは決してありませんが、媒体側に複雑なアルゴリズムはないので、RTBで収益性が高いかで競るという、比較的シンプルな仕組みになります。このあたりはサーチの自動入札ベンダーはお手のものなわけです。サーチの自動入札はもう10年前ほどから存在していますので、さすがに洗練された部分も多いというわけです。このあたりは人の問題も同じだったりします。サーチはどんどん複雑になってきており、かなり職人気質的な感じでないと理解できなくなってきています。以前からそうですが、サーチから他に移るのは比較的楽です。逆に長く他の媒体をやっていた人がサーチに移ると戸惑ったりします。そういう人は何人も見てきています。話を戻すと、ディスプレイ広告のDSPベンダーは、サーチのスペシャリストを入れてテクノロジに反映させないと、サーチあがりの自動入札ベンダーが「統合化」という一つの流れの中では少々有利なポジションにいる、ということです。あと、アトリビューションも待ったなしになってきましたね。複数の媒体への出稿を、全体的なROIを見ながら入札調整するわけなので、特にディスプレイ広告のビュースルーも考慮しないといけない、となると、どうしてもラストクリック測定では無理が出てしまいます。

杉原剛

2010.11.20