ここのところ大変忙しくさせていただいており、今年初のエントリーということに気づきました。
弊社が忙しいということは、リスティング広告の効率化/自動化に対するニーズが高いということであります。効率化ニーズが高まっている理由の一つは、リスティング広告の仕組み自体がますます複雑化しているからです。
年始からずっと気になっているSearch Engine Watchのエントリーがあります。
The Dawn of Paid Search Without Keywords
http://searchenginewatch.com/3641744
2011年にGoogle AdWordsで起きる可能性のある変化について予想した内容です。
新しい広告フォーマット
以前からテストされているImage Search Ads
AdWordsとの連携が既定路線になっているProduct ExtensionsやProduct Listing Ads
新しい行動喚起の方法
比較サイトライクなComparison Ads
新しい課金方法
CPAモデルの採用
新しい自動化
Google Boostによるキーワードレス出稿
特にインパクトもあり、今後Googleも推進していくだろうとしているのはキーワードレス出稿です。これはかなり前からも議論はされてきたものです。Googleとしてはビジネスをさらに伸ばすため、新規の広告主を獲得し続ける必要があるわけですが、現在のキーワード入札型の仕組みでは、初心者には難しすぎて、出稿してもうまくいかないか、すぐに諦めて止めてしまうことが課題になっています。それを防ぐことはとても重要であると考えており、そのために、煩雑なキーワード選定などしなくても、到達させたいサイトと目標さえ設定すれば、あとはGoogleにお任せ、という仕組みが出てくると思われます。
現行の細かい設定は煩雑ではありますが、これに慣れてしまっている広告主や広告代理店は、キーワードレスの仕組みは使わないでしょう。どちらかということ、これからリスティング広告に取り組もうとしている新規のSMB広告主向けの仕組みかと思われます(ただ、完全にGoogle任せであり、中身はブラックボックスという点が日本の広告主に受け入れられるかは別問題ですが)。
しかしながら、このブログエントリーでも言及しているように、オークションへの参加は二通りできてしまう結果になり、旧来のやり方で参加してきた広告主/代理店は、Google任せの広告主=つまりGoogleがある意味競合となるわけであり、結局のところ、入札戦略も複雑を極める結果になるのではないかとしています。この点は僕も同意であり、シンプルになるのは広告主/広告代理店の導入設定部分だけで、それ以外の複雑な作業や入札ロジックは全部見えないところに内包されるだけ。結局は何も変わらない、または全体的にはさらに複雑になってしまうだけ、という風に捉えられても仕方がないかな、と思います。
この複雑さはリスティング広告の課題とずっと言われてきたわけです。以前のエントリーにも書きましたが、ディスプレイ広告は検索エンジンほど媒体(orプラットフォーム)側に複雑なアルゴリズムがないため、比較的出稿側にコントロール感覚があるのと、仕組みもシンプルにできます。米国で爆発中のFacebook広告も、マイクロターゲティングのコツをつかめば比較的楽な仕組みです。役割が違う云々の議論はあれど、シンプルなほうに行きがちなのが人間。広告主や広告代理店の意識がどうなっていくのかが興味深い一年になりそうです。
このまま複雑路線を邁進するPaid Searchはどうなるのか、その中でどうすべきなのか。今年も走りながら考えたいと思います。
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